石油資源開発株式会社(JAPEX)は、日本国内における石油・天然ガスの探鉱・開発・生産を主軸に据えた企業として、長年にわたりエネルギーの安定供給に貢献してきました。本記事では、同社の事業概要、歴史、事業内容、組織構造などを詳しく解説し、株式市場における位置づけを含めた包括的な情報を提供します。
企業概要と基本情報
石油資源開発株式会社は、東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワーに本社を構え、1970年4月1日に設立されました。資本金は約142億8,869万円で、従業員数は連結ベースで1,653名、単体で972名(2025年3月31日現在)です。代表取締役社長 社長執行役員は山下 通郎氏が務めています。同社は東証プライム市場に上場しており、株式コードは1662です。
同社の事業は、石油、天然ガス、その他のエネルギー資源の探鉱、開発、生産、販売を核心とし、これらに関連する掘削請負事業も手がけています。また、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー資源の開発や、電気の供給にも取り組んでいます。これにより、伝統的な化石燃料事業から新たなエネルギー分野への展開を進めています。
平均年齢は約40.4歳と、経験豊富な人材が集まる組織構造を有しており、安定した事業運営を支えています。国内外での活動を通じて、日本をはじめとする地域のエネルギー需要に応える体制を整えています。
創業の歴史と社史
石油資源開発株式会社のルーツは1955年に遡ります。この年、石油資源開発株式会社法に基づき設立され、当初は官営企業としてスタートしました。創業以来、エネルギーの安定供給を使命として、数々の油田・ガス田の発見に成功しています。
1959年には、新潟県で東新潟ガス油田を発見し、日本初の海底油田である土崎沖油田も同年に発見しました。これらの成果は、日本国内のエネルギー資源開発の基盤を築きました。1989年には、北海道の勇払油ガス田と秋田県の鮎川油ガス田を発見し、国内生産の拡大に寄与しています。
2003年に東京証券取引所第1部(現プライム市場)に上場し、民間企業としての成長を加速させました。2009年には、イラクのガラフ油田開発プロジェクトに参加するなど、海外事業も積極的に展開。こうした歴史を通じて、同社は日本国内外で信頼される石油・天然ガス開発のリーディングカンパニーとしての地位を確立してきました。
社史を振り返ると、研究部門ではGTL燃料、メタンハイドレート、オイルサンドなどの先進技術の研究開発を進めており、パイプライン輸送分野では日本を代表する技術力を誇ります。サハリン沖からの天然ガスパイプライン計画への参画も、その一例です。これらの取り組みは、長期的な視点でエネルギー資源の多角化を図るものです。
主な事業内容
石油・天然ガスのE&P事業
同社の基幹事業は、E&P(探鉱・開発・生産)です。北海道、秋田県、山形県、新潟県などの国内油田・ガス田で採掘を行い、輸送・販売までを一貫して担っています。地下構造調査、掘削、油層評価、生産管理技術を保有し、高い専門性を発揮しています。
国内では、安定した天然ガス生産が強みとなっており、日本におけるエネルギー供給の重要な役割を果たしています。また、海外では米国タイトオイル・ガス資産の取得など、新たな権益確保に動いています。これにより、生産量の多角化と安定化を実現しています。
LNG事業とパイプライン輸送
海外で調達したLNG(液化天然ガス)の受け入れ、貯蔵、気化を行い、ガスパイプライン網を通じて沿線地域に供給しています。基地で気化されたガスは、隣接する発電所での天然ガス発電事業にも活用され、エネルギーの有効利用を促進しています。
パイプライン輸送に関しては、日本屈指の技術を有し、長距離輸送の効率化に貢献。こうしたインフラ整備は、エネルギーの安定供給を支える基盤となっています。
カーボンニュートラル分野と再生可能エネルギー
近年、同社はカーボンニュートラル分野に注力しています。CCS(二酸化炭素回収・貯留)やCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)などの技術開発を進め、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを強化。E&Pで培った技術を活かし、商業化を目指しています。
再生可能エネルギーでは、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの開発を推進。メタンハイドレートの研究も含め、新たなエネルギー源の開拓に取り組んでいます。これにより、総合エネルギー企業としてのポジションを拡大しています。
電力事業への展開も進めており、天然ガス発電や再生可能エネルギーを活用した電気供給を通じて、社会のエネルギー転換を支援しています。
組織と働き方
石油資源開発株式会社は、ワークライフバランスを重視した制度を整備しています。フレックス制度や服装自由化など、柔軟な働き方を推進し、従業員のモチベーション向上を図っています。平均年齢40.4歳の組織は、ベテランと若手のバランスが良く、長期的な人材育成に適した環境です。
経営理念として、「エネルギーの安定供給を通じた社会貢献」を掲げ、持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題解決に取り組んでいます。倫理行動規範を基盤に、透明性のある企業運営を心がけています。
株式市場における位置づけ
東証プライム市場に上場する石油資源開発株(1662)は、原油・ガス開発専業として知られ、国内天然ガス田操業が事業の基盤です。株式の発行数は約5,430万株(2024年3月31日現在)で、安定した財務基盤を有しています。
同社の株式は、エネルギーセクターにおける重要な一角を占め、国内外の資源開発動向を反映した動きを見せます。投資家からは、長期的な事業展開と多角化戦略が注目されています。IR情報では、米国資産取得などの最新動向が公開されており、市場参加者にとって有用な資料となっています。
上場以来、事業の安定成長を背景に、株主還元策も講じられており、企業価値向上への取り組みが継続されています。エネルギー需要の変化に対応した戦略が、株式の魅力的な側面です。
地域貢献と社会活動
国内の油田・ガス田運営を通じて、地域経済の活性化に寄与しています。例えば、福島県相馬市ではLNG基地の運営が地元の発電事業を支え、雇用創出やインフラ整備に貢献。こうした活動は、企業と地域の共生を象徴しています。
また、技術研究所を活用した研究開発は、次世代エネルギー技術の進展を促し、社会全体の利益につながっています。会社紹介動画や会社案内資料では、こうした取り組みが視覚的に紹介されており、ステークホルダーとのコミュニケーションを強化しています。
今後の展望
石油資源開発株式会社は、伝統的な石油・天然ガス事業を基盤にしつつ、カーボンニュートラル技術や再生可能エネルギーの拡大を進めています。Verdad Resources Intermediate Holdings LLCの全持分取得による米国タイトオイル・ガス資産の確保など、グローバルな事業展開が加速。E&P技術の応用により、新たな成長領域を開拓しています。
持続可能なエネルギー供給を目指す姿勢は、国内外のエネルギー政策と調和し、社会的価値の高い企業像を描いています。長期視点での資源開発と技術革新が、同社の強みです。
詳細な事業ポートフォリオ
国内事業に焦点を当てると、新潟県の東新潟ガス油田や北海道の勇払油ガス田が生産の柱です。これらの田は、長年の操業を通じて効率的な資源回収を実現。秋田県の鮎川油ガス田も、安定供給に寄与しています。
海外では、イラクガラフ油田や米国タイトオイル・ガスが注目株。タイトオイルは、シェール革命の波に乗り、生産ポテンシャルが高い資源です。こうした多地域展開が、リスク分散と生産安定化を図っています。
LNG事業では、輸入から気化・供給までのバリューチェーンを掌握。パイプライン網の運用は、国内ガスの高品質配送を保証します。発電事業との連携は、エネルギーの多用途利用を促進し、効率性を高めています。
再生可能エネルギー分野では、地熱開発が有望です。日本は環太平洋火山帯に位置するため、地熱資源が豊富。風力や太陽光も、地域特性に合わせたプロジェクトを推進中です。バイオマス活用は、廃棄物資源の有効利用として注目されます。
研究開発では、メタンハイドレートが未来のエネルギー源として位置づけられています。海底資源の探鉱技術を駆使し、実用化に向けたステップを着実に進めています。GTL燃料やオイルサンドも、技術蓄積の成果です。
技術力とイノベーション
同社の強みは、掘削技術と生産管理技術にあります。地下構造の精密調査から油層評価まで、一連のプロセスを高度化。海底油田開発の実績は、難易度の高いプロジェクト対応力を示します。
パイプライン分野では、長距離高圧輸送のノウハウが豊富。サハリン計画への参画は、国際プロジェクトでの信頼性を証明しています。CCS/CCUS技術は、CO2処理の専門性を活かし、カーボンリサイクルを実現します。
これらの技術は、E&P以外の分野にも横展開。電力供給や新エネルギー開発で活用され、事業シナジーを生み出しています。
まとめ
石油資源開発株式会社は、1955年の創業以来、エネルギーの安定供給に尽力し、石油・天然ガスのE&P事業を基盤にカーボンニュートラル分野や再生可能エネルギーを含む総合エネルギー企業として成長を続けています。国内油田・ガス田の運営、LNG供給、パイプライン輸送、海外資産拡大など、多角的な事業展開が強みです。東証プライム市場上場企業として、安定した財務と技術力を有し、社会貢献を重視した経営を推進しています。
石油資源開発の全貌:天然ガス基盤から脱炭素へをまとめました
石油資源開発株(1662)は、原油・ガス開発専業の代表格として、国内天然ガス田を基盤に国内外で事業を展開。再生可能エネルギーやカーボンニュートラル技術への取り組みが、今後の成長を支える要素です。IR情報を通じた透明性の高い情報開示が、市場での信頼を高めています。














