「無印良品」で知られる良品計画は、2025年8月31日を基準日として、1株を2株に分割する株式分割を実施しました。この分割は2019年8月以来、約6年ぶりの実施となります。株式分割は企業の成長段階において重要な施策であり、多くの投資家にとって関心の高いテーマです。本記事では、無印良品の株式分割について、その背景、具体的な内容、そして株主にもたらされる影響について詳しく解説します。
株式分割とは何か
株式分割とは、企業が既存の株式を複数に分割する施策のことです。例えば、1株を2株に分割する場合、100株保有していた投資家は、分割後に200株を保有することになります。ただし、保有する株式の総価値は変わりません。この仕組みにより、1株あたりの価格が下がるため、より多くの投資家が購入しやすくなるという特徴があります。
株式分割の主な目的は、投資単位あたりの金額を引き下げることで株式の流動性を高めることにあります。これにより、より多くの投資家層が企業の株式に参入しやすくなり、売買の活性化につながる可能性があります。
良品計画の株式分割の詳細
分割の規模と実施時期
良品計画の株式分割は、1株を2株に分割する内容です。基準日は2025年8月31日で、効力発生日は2025年9月1日となっています。分割前の株価ベースでは、100株の購入に約69万円から70万円弱の資金が必要でしたが、分割後は約23万円から35万円程度に引き下がる見込みです。
この分割により、最低投資額が大幅に低下することで、より多くの個人投資家が参入しやすくなります。特に、若年層やNISA(少額投資非課税制度)を活用する投資家にとって、参入障壁が低くなることが期待されています。
実施の背景
良品計画が株式分割を実施した背景には、業績の好調ぶりがあります。2025年8月期の業績予想は、1月、4月に続き、今期3回目の上方修正が行われました。株価も高値を更新していることから、企業の成長を受けて、さらに多くの投資家に株式を保有してもらうための施策として株式分割が決定されたのです。
また、良品計画の個人株主比率は約17%程度にとどまっており、今回の株式分割は明確に個人投資家の取り込みを狙った施策と位置付けられています。最低購入額の引き下げは、新規層の参入につながる可能性があり、今後は分割効果による株主数の増加や売買の活性化が注目されています。
株主優待への影響
優待制度の概要
良品計画は、株主に対してシェアホルダーカードという株主優待制度を提供しています。このカードは、無印良品の店舗で利用できる7%割引の特典が付与されるものです。株式分割により、この優待制度の取得条件に変化が生じています。
分割後の優待取得条件
2025年8月31日の株式分割前は、シェアホルダーカードを取得するには100株の保有が必要でした。しかし、分割後の2026年2月権利分からは、分割後100株(分割前50株)でもシェアホルダーカードが受け取れるようになります。これは実質的な優待制度の拡充を意味しており、より少ない資金で優待を受けられるようになったのです。
優待券の変化
株式分割に伴い、株主優待券の内容にも変化が生じています。分割前に100株を保有していた投資家は、分割前には年間4,000円分の優待券を受け取っていました。しかし、分割後に200株を保有することになると、年間6,000円分の優待券が受け取れるようになります。
さらに注目すべき点として、分割前に50株を保有していた投資家も、分割後100株になることで、初めて株主優待の対象となります。この層の投資家は、2026年2月の権利からは年間3,000円分の株主優待券を受け取ることができるようになるのです。
配当への影響
株式分割は、配当金の額面にも影響を与えます。良品計画の場合、2025年8月期の1株あたり配当金は11円でしたが、2026年8月期の計画では14円に設定されています。これは、株式分割後の株数に対応した配当金額として調整されたものです。
株式分割により株数が2倍になるため、1株あたりの配当金は分割前の水準から調整されます。しかし、総配当額(保有株数×1株あたり配当金)で考えると、投資家の実質的な配当収入は変わらないという仕組みになっています。
権利確定日と権利付き最終日
株主優待や配当を受け取るためには、権利確定日までに株式を保有していることが必要です。良品計画の場合、2026年2月の権利確定日は2月27日(金)で、権利付き最終日は2月26日(木)となっています。
また、2026年8月の権利確定日は8月31日(月)で、権利付き最終日は8月27日(木)です。これらの日付は、投資家が優待や配当を受け取るために重要な日程となるため、事前に確認しておくことが大切です。
他の企業との比較
2025年8月を基準日とした株式分割は、良品計画だけではなく、複数の企業で実施されました。小売大手のイオンは1株を3株に分割し、最低投資額が10万円台に引き下がる見込みです。また、ドラッグストア大手のツルハホールディングスは1株を5株に分割するなど、より大幅な分割を実施しています。
これらの企業の株式分割は、いずれも個人投資家の参入を促進し、株式の流動性を高めることを目的としています。2025年は「株式分割ラッシュ」と呼ばれるほど、多くの企業が株式分割を実施した年となりました。
投資家にとってのメリット
購入しやすさの向上
株式分割の最大のメリットは、最低投資額が大幅に低下することです。良品計画の場合、分割前は約69万円から70万円弱の資金が必要でしたが、分割後は約23万円から35万円程度に引き下がります。この低下により、より多くの個人投資家が無印良品の株式を購入できるようになります。
NISA活用の促進
NISAは、年間一定額までの投資利益が非課税となる制度です。最低投資額が低下することで、NISAの枠を効率的に活用できるようになります。特に、若年層や新規投資家にとって、より多くの銘柄に分散投資することが容易になるという利点があります。
株主優待の取得条件の緩和
前述の通り、株式分割により、シェアホルダーカードの取得に必要な株数が実質的に半減します。これにより、より少ない資金で株主優待を受けられるようになり、投資家にとって有利な条件が整備されたといえます。
市場への影響
株式分割は、企業の株式市場における流動性を高めることが期待されています。最低投資額が低下することで、より多くの投資家が売買に参加しやすくなり、取引量の増加につながる可能性があります。
また、株主数の増加は、企業の株主基盤の拡大を意味します。これにより、企業の経営基盤がより安定し、長期的な企業価値の向上につながる可能性があります。さらに、個人投資家の参入により、企業と投資家の関係がより密接になることも期待されています。
今後の注目ポイント
株主数の推移
株式分割後、良品計画の株主数がどの程度増加するかは、重要な注目ポイントです。特に、個人投資家の参入がどの程度進むかが、分割の成功を測る指標となります。
売買高の変化
最低投資額の低下に伴い、売買高がどの程度増加するかも注視する必要があります。流動性の向上は、投資家にとって売却時の利便性向上につながるため、重要な要素です。
業績の継続的な成長
良品計画は、2025年8月期の業績予想を3回にわたって上方修正するなど、好調な業績を維持しています。今後も、この好調さが継続するかどうかが、企業価値の向上につながるかどうかを左右する重要な要素となります。
まとめ
無印良品を展開する良品計画の株式分割は、2025年8月31日を基準日として1株を2株に分割する施策です。この分割により、最低投資額が約69万円から70万円弱から約23万円から35万円程度に引き下がり、より多くの個人投資家が参入しやすくなります。株主優待制度も実質的に拡充され、シェアホルダーカードの取得に必要な株数が半減します。業績の好調ぶりを背景に実施されたこの株式分割は、企業の成長段階における重要な施策であり、今後の株主数の増加や売買の活性化が期待されています。
無印良品、株式分割で購入ハードル大幅低下 優待も拡充をまとめました
無印良品の株式分割は、企業の成長と投資家層の拡大を目指した重要な施策です。最低投資額の低下により、より多くの個人投資家が参入しやすくなり、株主優待の取得条件も緩和されます。また、配当金も株式分割に対応した形で調整されており、投資家にとって有利な環境が整備されています。今後、この分割がもたらす市場への影響や、企業の継続的な成長に注目することが、投資家にとって重要となるでしょう。














