株式投資を行う際には、利益に対して税金がかかる仕組みがあります。この記事では、株の税金について基本的な知識を詳しく解説します。譲渡益や配当金にかかる税率、課税方式の違い、口座の種類などを理解することで、税金の計算や申告がスムーズになります。
株式投資でかかる主な税金の種類
株式投資で発生する利益は、主に譲渡益と配当金の2つです。譲渡益とは、株を売却した際に取得価格を超えた利益のことで、配当金は企業から株主に支払われる利益の分配です。これらに対して、基本的に申告分離課税が適用され、税率は20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)となります。この税率は、上場株式等に共通するものです。
譲渡益の計算方法は、売却価格から取得費と取引手数料を差し引いた金額が課税対象となります。例えば、複数の株式で利益と損失が発生した場合、それらを合算して課税額を算出します。これにより、損失を利益と相殺できる点が特徴です。
課税方式の違い:総合課税と分離課税
株の税金には総合課税と分離課税の2つの方式があります。分離課税は、他の所得(給与など)と分けて税金を計算する方法で、上場株式等の譲渡益や配当金に適用されます。税率は一律20.315%です。一方、総合課税は他の所得と合算して累進税率(5%~55%)で計算されますが、配当金の場合に選択可能です。
分離課税にはさらに、「申告分離課税」と「源泉分離課税」があります。源泉分離課税は金融機関が税金を自動的に徴収する方法で、確定申告が不要になる場合が多いです。申告分離課税は自分で確定申告を行う方式で、損益通算のメリットを活かせます。
譲渡益の課税詳細
上場株式等の譲渡益に対しては、20.315%の税率が適用されます。一般株式(非上場株式)も同様の税率ですが、対象範囲が異なります。上場株式等には、上場株式、店頭管理銘柄、新株予約権付社債、公募投資信託の受益権などが含まれます。売却益の計算では、取得費に加え売買手数料を控除可能です。
損失が発生した場合、他の上場株式等の譲渡益と通算できます。さらに、損失を翌年以降3年間に繰り越して利用できる制度もあります。これにより、税負担を平準化できます。
配当金の課税詳細
上場株式等の配当金も原則20.315%の税率です。支払い時に証券会社が源泉徴収するため、申告不要となるケースが一般的です。ただし、確定申告を選択することで、総合課税や申告分離課税を選べます。申告分離課税を選択すると、譲渡損失との通算が可能になります。
大口株主等が受け取る配当金は総合課税となり、申告分離課税の選択ができません。また、同族会社の場合、保有割合が3%以上になると総合課税となります。
口座の種類と税金の関係
株式取引口座には一般口座、特定口座、非課税口座(NISA)があります。一般口座は取引記録を自分で管理し、確定申告が必要です。特定口座は証券会社が取引明細を作成し、源泉徴収あり・なしを選択できます。源泉徴収ありの場合、税金が自動徴収され簡便です。
特定口座(源泉徴収あり)を利用すると、譲渡益や配当金から自動的に20.315%が差し引かれます。損失通算を希望する場合は、確定申告で調整可能です。
株式取得時の税金
株式を取得する際にも、方法によって税金が発生します。相続や贈与で取得した場合、相続税や贈与税がかかります。個人間の贈与では年間110万円を超えると課税対象となり、税率は累進です。法人から取得する場合、法人税の観点もありますが、個人投資家は主に相続・贈与に注意が必要です。
取得費の計算では、贈与や相続時の取得価額を引き継ぎます。これにより、売却時の譲渡益を正確に算出できます。
確定申告のポイント
特定口座(源泉徴収なし)や一般口座の場合、利益が一定額を超えると確定申告が必要です。申告の際は、譲渡所得の計算書を作成し、損益通算を活用します。配当金についても、課税方式を選択して申告します。
申告期限は通常3月15日で、e-Taxを利用すると便利です。繰越控除を利用する場合は、損失申告書を提出します。
損益通算と繰越控除の活用
上場株式等の譲渡損失は、同年の譲渡益と通算可能です。通算後の利益に20.315%の税率を適用します。例えば、500,000円の利益と300,000円の損失がある場合、課税対象は200,000円となり、税額は約40,630円です。
損失が利益を上回る場合、翌年以降3年間に繰り越せます。これにより、将来の利益に対する税負担を軽減できます。申告分離課税を選択した配当金とも通算可能です。
総合課税を選択するケース
配当金で総合課税を選ぶと、他の所得と合算され、税率は所得額に応じて変動します(5%~45%)。配当控除が適用され、低所得者ほど有利になる場合があります。課税所得が695万円以下の人は、総合課税を検討する価値があります。
選択は配当金の全てについて一律で、申告時に決定します。
非上場株式の税金
一般株式(非上場株式)の譲渡益も20.315%の申告分離課税です。配当金も同様ですが、総合課税の対象となる場合があります。取得時の贈与税などに留意が必要です。
復興特別所得税の概要
税率20.315%に含まれる復興特別所得税は、所得税額の2.1%分です。2037年まで適用されます。この分は自動的に計算されます。
税金の計算例
具体例として、上場株式を1,000,000円で取得し、1,500,000円で売却、手数料10,000円の場合、譲渡益は490,000円。税額は約99,500円です。複数の取引では通算します。
配当金100,000円の場合、源泉徴収で約20,300円が差し引かれ、手取り約79,700円です。
注意点と管理のコツ
取引記録を正確に管理し、特定口座を活用しましょう。NISA口座は非課税ですが、本記事の対象外です。税制は変更される可能性があるため、最新情報を確認してください。
株の税金管理のためのチェックリスト
- 口座の種類を確認:特定口座源泉徴収ありをおすすめ
- 損失の通算と繰越を申告
- 配当金の課税方式を選択
- 取得費の記録を残す
- 確定申告期限を守る
詳細な税率比較
| 項目 | 税率 | 方式 |
|---|---|---|
| 上場株式譲渡益 | 20.315% | 申告分離課税 |
| 配当金(原則) | 20.315% | 源泉徴収 |
| 総合課税(配当) | 5%~55% | 累進 |
複数年の取引管理
年間を通じて複数の売買がある場合、年間損益通算が重要です。証券会社から送付される取引報告書を活用します。繰越控除は3年間有効で、毎年申告が必要です。
家族間の株式譲渡
家族間贈与は贈与税対象。年間110万円の基礎控除があります。相続時は相続税評価額で取得費を引き継ぎます。
投資信託との違い
公募投資信託の売却益も上場株式等グループに含め、20.315%です。分配金は配当所得扱い。
住民税の扱い
住民税5%は市区町村が徴収。源泉徴収時は自動対応されます。
まとめ
株の税金は譲渡益と配当金を中心に20.315%の申告分離課税が基本で、特定口座の活用や損益通算が負担軽減に役立ちます。正しい知識で取引を管理しましょう。
株の税金をやさしく解説:譲渡益・配当・口座別対策をまとめました
株式投資の税制を理解することで、確定申告が効率化され、損失の有効活用が可能になります。口座選びから計算方法までを把握し、安心した取引を。














