企業決算の季節。今回はセントラル総合開発株式会社の四半期決算報告書をご紹介します。売上高は前年同期比20.2%減となりましたが、環境対応型マンションの販売など、不動産デベロッパーならではの取り組みに注目が集まっています。企業の足取りに迫ります。
企業情報
企業名: セントラル総合開発株式会社
証券コード: 32380
決算期: 2023年3月31日
セントラル総合開発株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
セントラル総合開発株式会社の決算日は3月31日です。
四半期決算は年4回行われ、今回ご紹介した決算は第3四半期(2023年4月1日~12月31日)の実績となります。
主な事業
セントラル総合開発株式会社は、不動産の分譲マンション販売と賃貸マンション・オフィスなどの賃貸事業を主力としている不動産デベロッパーです。東京を中心としながら、地方都市での事業展開にも注力しており、先進的なエコ仕様の物件の開発にも積極的に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が15,978百万円(前年同期比20.2%減)、営業利益は172百万円(同80.6%減)、経常損失は74百万円(前年同期は経常利益682百万円)となっています。利益率の悪化が目立つ結果となりました。
売上・利益の推移
過去3年間の推移を見ると、売上高は20,030百万円から15,978百万円へと減少しています。一方、経常利益は682百万円から経常損失74百万円へと大幅に悪化しました。物件の引き渡し時期によって業績が大きく変動する傾向にあるため、四半期ごとの業績には注意が必要です。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は38,182百万円で、前連結会計年度末比9,219百万円の増加となりました。この主な要因は、不動産販売事業関連で事業用地の仕入れが進んだことによる棚卸資産(不動産事業支出金)の増加です。
資産の部
資産の部では、不動産事業支出金が23,460百万円まで増加しています。一方、現金及び預金は1,298百万円と若干減少しています。
負債の部
負債の部では、事業用地の取得資金として長期借入金が16,103百万円に増加しました。また、短期借入金も9,762百万円と大幅に増加しています。
純資産の部
純資産の部は、前連結会計年度末比159百万円減少の8,927百万円となりました。配当金の支払いと親会社株主に帰属する四半期純損失の計上により利益剰余金が減少したことが主な要因です。
ROAとROE
当第3四半期連結累計期間のROAは▲0.2%、ROEは▲0.8%となっています。経常損失の計上により、収益性と資本効率が大きく悪化しています。今後の業績回復が期待されますが、物件引き渡しタイミングの影響を受けやすい同社の特性から、短期的な改善は難しい可能性があります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は開示されていませんが、事業用地の取得資金として借入金が大幅に増加していることから、営業キャッシュ・フローがマイナスになっている可能性があります。当面は投資活動が旺盛な状況が続きそうです。
配当の支払額
セントラル総合開発株式会社は、2023年6月23日に開催された定時株主総会において、1株当たり15円の配当の支払いを決議しました。前期(2022年3月期)の年間配当12円から増配となっています。
今後の展望
セントラル総合開発株式会社は、地方中核都市での事業展開強化や、ZEH-M(ゼロエネルギーハウス)仕様の分譲マンション開発など、環境対応にも積極的に取り組んでいます。短期的には物件引き渡しの偏りによる業績変動リスクはありますが、長期的な視点では持続可能な成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
編集部のまとめ
セントラル総合開発株式会社は、不動産デベロッパーとして分譲マンション事業と賃貸事業を軸に事業を展開しています。当第3四半期は売上高、利益ともに前年同期比で減少しましたが、環境対応型物件の開発や地方中核都市への事業展開など、中長期的な成長に向けた取り組みを進めています。短期的な業績変動リスクはありますが、持続可能な企業として注目に値するでしょう。
セントラル総合開発株式会社の決算日や配当についてまとめました。
セントラル総合開発株式会社の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。2023年6月には1株当たり15円の配当を実施しました。今後の成長に期待がかかる企業といえるでしょう。