NTTドコモは日本を代表する大手通信企業として、長年にわたり多くの顧客に通信サービスを提供してきました。同社の株式に関する情報は、投資家や企業に関心を持つ人々にとって重要な関心事です。本記事では、NTTドコモの株式の現在の状況や企業の概要について、基本的な情報をご紹介します。
NTTドコモの株式上場廃止について
NTTドコモの株式は、2020年12月25日をもって上場廃止となりました。これは企業の経営方針の大きな転換点となった出来事です。上場廃止となった背景には、親会社であるNTT株式会社による経営統合の方針がありました。現在、NTTドコモはNTT傘下の完全子会社として事業を展開しており、株式市場での取引の対象ではなくなっています。
上場廃止前のNTTドコモは、東京証券取引所に上場されていた主要な通信企業でした。しかし、経営戦略の変更に伴い、上場廃止という決定に至りました。この変更により、NTTドコモはより長期的な経営戦略に集中できる環境が整備されたと考えられます。
NTTドコモの企業規模と事業内容
NTTドコモは1991年8月に設立され、1992年7月1日から営業を開始した企業です。現在の企業規模は相当なものであり、資本金は約949,679百万円に達しています。従業員数についても、本社従業員が8,847名、グループ全体では46,506名と、大規模な組織体制を整えています。
売上高は2022年度通期で6兆590億円に上り、日本を代表する大企業としての地位を確立しています。本社は東京都千代田区永田町の山王パークタワーに所在し、中央政界の中心地に位置する立地を活かした経営を行っています。
NTTドコモの事業は、単なる携帯電話サービスに留まりません。同社はモバイル通信事業、スマートライフ事業、法人事業という三つの主要事業柱を展開しています。
モバイル通信事業では、LTEサービスやFOMAサービスといった携帯電話サービスの提供に加え、光ブロードバンドサービスや衛星電話サービスなど、多様な通信ソリューションを提供しています。また、国際サービスや端末機器販売も事業の重要な構成要素となっています。
スマートライフ事業では、動画配信サービスや音楽配信サービス、電子書籍サービスなどを統合したdマーケットを通じたサービス提供を行っています。さらに、金融・決済サービスやショッピングサービス、生活関連サービスなど、顧客の日常生活に密接に関わるサービスを展開しています。
法人事業では、企業顧客のニーズに対応した先進的なソリューションを提供することで、ビジネスパートナーとしての地位を確立しています。医療、金融、教育、農業、水産業など、様々な産業分野でのビジネス展開を進めており、モバイル技術を活用した新しい価値創造に取り組んでいます。
最新の経営戦略と事業展開
NTTドコモは、上場廃止後も積極的な事業展開を続けています。特に注目すべき動きとしては、金融事業との連携強化が挙げられます。2025年10月1日には、住信SBIネット銀行がドコモの連結子会社となり、ドコモと三井住友信託銀行による共同経営体制が構築されました。
この提携により、2025年12月25日にはドコモが保有する住信SBIネット銀行の普通株式の一部(約500億円相当)が三井住友信託銀行に譲渡されました。同時に、住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行を割当先とした第三者割当増資を実施し、さらなる成長に向けた資本力強化を図っています。
この取引後、ドコモと三井住友信託銀行の持株比率は55.37%:44.63%となりますが、ドコモが保有するA種種類株式を普通株式に転換することにより、議決権比率は50%ずつに調整されます。この構造により、両社が対等なパートナーシップの下で経営を進めることが可能になります。
さらに、2026年度目途で、三井住友信託銀行の「株主パスポート」アプリにおいても、たまったポイントをdポイントに交換できるよう検討が進められています。このような施策により、顧客にとってより利便性の高いサービス環境が整備されることが期待されています。
革新的な通信サービスの展開
NTTドコモは、通信技術の最前線で革新的なサービス開発を進めています。特に注目される取り組みとしては、衛星とスマートフォンの直接通信サービスの提供開始が挙げられます。このサービスは2026年度初頭から提供開始予定となっており、通信の可能性を大きく広げるものとして期待されています。
このサービスの特徴は、専用機器を必要としないという点です。ドコモのLTE対応スマートフォンがあれば、誰でも衛星通信を利用することができます。個人顧客だけでなく、法人顧客も利用可能であり、NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社)が法人向けサービスを取り扱う予定です。
このサービスが実現する背景には、現在の通信環境の課題があります。5Gによる高速・低遅延な通信や、人口カバー率99%を超える提供エリアなど、地上基地局の通信環境は大きく向上しています。しかし、地理的な制約により電波が届かない通信圏外エリアが依然として存在するという課題がありました。衛星通信サービスは、この課題を解決する重要なソリューションとなります。
ドコモは、本サービスを通して、「いつでも、どこでもつながる」ネットワークの実現を目指しており、社会のあんしん安全や利便性向上に貢献することを目標としています。パートナー企業、提供料金、対応エリア、対応機種および対応アプリなどの詳細については、今後発表される予定です。
NTTグループとしての宇宙ビジネス展開
衛星通信サービスは、NTTグループ全体が展開する宇宙ビジネスの一環として位置付けられています。NTTグループは「NTT C89」というブランドの下で、複数の宇宙関連事業を推進しており、NTTドコモもこの戦略的な取り組みの重要な一部を担っています。
このような宇宙ビジネスへの投資は、通信業界の将来を見据えた長期的な経営戦略の表れです。衛星通信技術は、今後の通信インフラの重要な要素となることが予想されており、NTTドコモがこの分野で先駆的な役割を果たそうとしていることが伺えます。
スタートアップとの共創戦略
NTTドコモは、イノベーション推進の観点から、スタートアップ企業との連携を積極的に進めています。2026年2月19日には、10回目となる「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2026」が開催される予定です。このイベントは、スタートアップ企業とNTTグループの共創のきっかけを創り出すことを目的としています。
展示ブースには国内外の注目スタートアップ企業約20社が出展し、AI・エンタメ・DX・マーケティングなど多彩な分野における最先端のビジネスや技術を紹介します。また、スタートアップ企業との共創を求めるNTTグループ各社によるブース出展も行われ、さらなるマッチングが図られます。
このような取り組みを通じて、NTTドコモは既存事業の枠を超えた新しいビジネス機会の創出を目指しており、企業としての成長と革新を継続的に推進しています。
経営体制と今後の展望
NTTドコモの代表取締役社長は井伊基之氏であり、同氏の下で企業戦略が推進されています。上場廃止後のNTTドコモは、NTT傘下での経営の自由度を活かしながら、長期的な視点に基づいた事業展開を進めることができる環境にあります。
同社は「新しいコミュニケーション文化を創造する」という企業理念の下で、モバイル事業とスマートライフ事業を展開しています。モバイル技術を医療、金融、農業などの様々な産業分野と組み合わせることで、新しい価値を生み出していくという戦略が、同社の事業展開の中核となっています。
NTTドコモのビジネスフィールドは、従来の携帯電話事業の枠を大きく超えて拡大しており、その可能性は無限大であると言えます。未来のあたりまえを創るため、新たな夢に向かってチャレンジし続けるというスタンスが、同社の経営姿勢を象徴しています。
まとめ
NTTドコモは、2020年12月25日の上場廃止を経て、NTT傘下の完全子会社として新たな経営段階に入りました。資本金約949,679百万円、グループ従業員数46,506名という大規模な企業体制を整えながら、モバイル通信事業、スマートライフ事業、法人事業という三つの主要事業柱で事業を展開しています。金融事業との連携強化、衛星通信サービスの開始、スタートアップとの共創など、革新的な取り組みを積極的に進めており、通信業界の未来を切り拓く企業として活動を続けています。
ドコモ株は今どうなる?上場廃止後の戦略と展望をまとめました
NTTドコモの株式は現在、株式市場での取引の対象ではありませんが、同社の企業活動や経営戦略は、日本の通信業界全体に大きな影響を与え続けています。上場廃止後も、衛星通信サービスの開始、金融事業との連携強化、スタートアップとの共創など、革新的な取り組みを推進しており、企業としての成長と発展を継続しています。NTTドコモの動向は、通信業界の将来を理解する上で、引き続き重要な関心事となるでしょう。














