不二硝子株式会社の第3四半期決算が発表されました。医療用ガラス容器を中心とした事業を展開する同社は、前年同期比0.8%増収となりました。感染症の影響が続く中、主力のインフルエンザワクチン用容器の安定供給に努めることで、利益率の改善につなげています。今後は経費削減や製品価格の改定にも取り組み、企業体質の強化を図っていきます。
企業情報
企業名: 不二硝子株式会社
証券コード: 52120
決算期: 3月期
不二硝子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
不二硝子株式会社は3月期決算企業です。3月31日が決算日で、毎年6月末に年間の有価証券報告書を提出しています。また、四半期ごとの財務情報も開示しており、本レポートは2023年12月31日時点の第3四半期決算についてまとめたものです。
主な事業
不二硝子株式会社は、主に医療用ガラス容器の製造・販売を行っている企業です。インフルエンザワクチンや注射薬などの医療品用の管瓶やアンプルを製造し、医薬品メーカーに提供しています。また、一般消費者向けのガラス製品の製造・販売も手掛けています。同社は、国内有数の医療用ガラス容器メーカーとしての地位を築いています。
今期の業績と利益率は?
不二硝子株式会社の2024年3月期第3四半期決算では、売上高が前年同期比0.8%増の2,106百万円と堅調に推移しました。利益面でも、営業利益は59.6%増の227百万円、経常利益は46.7%増の240百万円と大幅な増益となりました。製造原価の上昇や人件費の上昇を受けて製品価格の改定を行った効果に加え、経費削減に取り組んだことが業績改善に寄与しています。
売上・利益の推移
不二硝子株式会社の売上高は近年2,100〜2,700百万円台で推移しています。直近の第3四半期決算で2,106百万円と前年同期比0.8%増となりました。一方で、利益面では同期間に経常利益が46.7%増の240百万円と大きく伸長しています。製造原価上昇への対応と経費削減の効果が表れた結果だと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
不二硝子株式会社の総資産は4,772百万円となっています。前期末比で113百万円減少しましたが、主に投資有価証券の減少が影響しています。一方、負債は1,245百万円と前期末比で115百万円減少しています。買掛金や繰延税金負債の減少が主な要因です。純資産は3,527百万円と増加傾向にあり、自己資本比率は71.8%を維持しています。
資産の部
不二硝子株式会社の資産は前期末比113百万円減少しましたが、主な内訳としては、現金及び預金が32百万円増加、商品及び製品が77百万円増加した一方で、投資有価証券が206百万円減少したことが挙げられます。生産体制強化に向けて在庫を積み増ししつつ、有価証券を一部売却することで財務体質の改善を図っています。
負債の部
不二硝子株式会社の負債は前期末比115百万円減少しました。主な要因は、買掛金が66百万円減少、繰延税金負債が62百万円減少したことなどです。借入金は期中に24百万円増加しましたが、全体としては負債が圧縮されており、財務基盤の強化が進んでいます。
純資産の部
不二硝子株式会社の純資産は前期末比1百万円増加の3,527百万円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が135百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が141百万円減少したことです。自己資本比率は71.8%と高水準を維持しており、財務体質は健全な状況にあります。
ROAとROE
不二硝子株式会社のROA(総資産経常利益率)は5.1%、ROE(自己資本利益率)は4.3%となっています。前期に比べROAは1.1ポイント上昇、ROEも0.8ポイント改善しています。利益率の向上に加え、資産効率の改善にも成功した結果といえます。今後も収益性の向上と資産の有効活用に努め、株主価値の最大化を目指していきます。
キャッシュフロー
不二硝子株式会社の営業キャッシュフローは108百万円の収入となりました。一方で、投資キャッシュフローは139百万円の支出となり、有形固定資産の取得などで資金を使っています。財務キャッシュフローは0百万円の収入で、総じて現金及び現金同等物は前期末比30百万円減少の523百万円となりました。今後の事業拡大に向けて、引き続き安定的な資金繰りの確保が課題といえます。
配当の支払額
不二硝子株式会社は、年間配当金7.50円を継続して実施しています。直近の第3四半期までの配当金支払額は15百万円となっています。同社は安定配当を重視しており、今後も業績に応じながら株主還元を行っていくと見られます。
今後の展望
不二硝子株式会社は、医療用ガラス容器事業の更なる強化に注力していく方針です。感染症予防対策としてのインフルエンザワクチン需要の拡大を見込み、生産能力の向上と品質管理の徹底に取り組みます。また、同社は経費削減や製品価格の適正化にも力を入れ、収益性の改善にも取り組んでいきます。さらに、M&Aなどの成長投資も視野に入れ、企業価値の最大化を目指していきます。
編集部のまとめ
不二硝子株式会社は、医療用ガラス容器を主力とする企業です。第3四半期決算では、新型コロナの影響が続く中で収益を確保し、大幅な増益を実現しました。原材料高や人件費の上昇に対し、製品価格の改定と経費削減に取り組んだことが功を奏しています。今後も、インフルエンザワクチン需要の取り込みや成長投資など、収益力の向上と企業価値の最大化に向けた取り組みが期待されます。業績面では着実な改善が続いており、今後の動向にも注目が集まります。
不二硝子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
不二硝子株式会社は3月期決算企業で、3月31日が決算日です。有価証券報告書は毎年6月末に提出されます。また、同社は年間配当金7.50円を継続して実施しており、直近の第3四半期での配当金支払額は15百万円となっています。株主還元を重視する姿勢が窺えます。