電源開発株式会社とは
電源開発株式会社は、J-POWERという愛称で知られる日本を代表する電力会社です。東京都中央区銀座に本店を置き、東証プライム市場に上場しています。1952年に国の特殊会社として設立されて以来、70年近くにわたって日本全体の電力の安定供給に貢献してきました。
同社は単なる電力供給企業ではなく、発電・送変電・情報通信設備の開発・建設・運用を総合的に手掛ける総合エネルギー企業です。国内外において多様なエネルギー源を活用した発電事業を展開し、全国に広がる送電ネットワークを通じて、私たちの日常生活に欠かせない電力を届けています。
多様な発電事業の展開
電源開発の大きな特徴は、複数の発電方式を組み合わせた多角的なエネルギー戦略です。水力・風力・地熱・太陽光などの再生可能エネルギーから、火力・原子力といった大規模発電設備まで、幅広いエネルギー源を活用しています。
水力発電事業
水力発電は電源開発の中核事業の一つです。全国に61カ所の水力発電所を保有し、その出力は858.2万kWに達しています。これは国内でも有数の規模を誇ります。戦後復興期に佐久間ダムを異例のスピードで完成させて以来、大規模な水力発電所を次々と建設してきた実績があります。
再生可能エネルギーの推進
電源開発は国内最大級の再生可能エネルギー事業者として知られています。水力発電に加えて、風力発電では23カ所の発電所で58.7万kWの出力を有しており、国内2位の規模です。地熱発電も3カ所で4.0万kWの出力を持ち、バイオマス燃料製造や太陽光発電など、様々な再生可能エネルギー事業を展開しています。
火力発電事業
火力発電は電源開発の重要な事業分野です。9カ所の火力発電所で881.0万kWの出力を有しており、特に石炭火力発電は日本最大規模とされています。同社は高効率石炭火力発電とゼロエミッション化の技術開発に取り組み、エネルギーセキュリティの確保と気候変動問題の解決に貢献しています。
原子力発電事業
電源開発は原子力発電事業にも取り組んでいます。現在、青森県下北郡大間町において、大間原子力発電所の建設工事に取り組んでいます。これは同社の長期的なエネルギー供給戦略の重要な要素となっています。
送変電ネットワークの構築と運用
電源開発の重要な役割の一つが、全国を繋ぐ送電線の建設・運用です。電源開発送変電ネットワーク株式会社は、本州と北海道や四国、九州を結ぶ送電線を保有・運用しています。さらに、周波数の異なる東日本(50Hz)と西日本(60Hz)をつなぐ周波数変換所も持っており、日本全体の電力ネットワークの要として機能しています。
これらの送変電設備は、発電所で作られた電力を安全かつ効率的に全国に届けるための重要なインフラストラクチャーです。電源開発はこのネットワークを通じて、日本全体の電力の安定供給を支えています。
情報通信事業
電源開発は電力設備の安定運用を支える高信頼度の情報通信ネットワークを構築・運用しています。これにより、発電所から送電線、変電所に至るまで、すべての電力設備が適切に監視・制御されています。また、多様なエネルギー供給やエンジニアリング事業も展開しており、通信・その他の事業として重要な役割を果たしています。
海外での事業展開
電源開発は国内だけでなく、グローバルな事業展開を行っています。民営化以前から、60ヵ国以上の国での電源開発や送・変電設備の調査・設計・施工などを手掛けるコンサルティング事業を実施してきました。
1990年代後半からは、アジアと米国を中心に発電事業の調査・開発に参画し、電気をつくり、販売しています。現在、海外発電事業は「第2の柱」として位置付けられており、7ヵ国・地域で合計約1,550万kWのIPP(独立系発電事業者)プロジェクトを手掛けています。海外発電事業の規模は国内でもトップクラスを誇り、グローバルに電力を供給しています。
最近では、洋上風力や太陽光など再生可能エネルギーをグローバルに拡大させており、国際的なエネルギー転換の流れに対応しています。
企業規模と経営基盤
電源開発の経営基盤は非常に堅牢です。資本金は1,805億02百万円(2025年3月末時点)に達しており、2025年3月期の連結売上高は1,316,674百万円、単体売上高は930,592百万円となっています。
発電設備の総出力はおよそ1,800万kWにのぼり、これは国内の電力会社では6番目の大きさです。全国約100カ所で発電所を保有・運営しており、その規模と多様性は日本のエネルギー供給において重要な位置を占めています。
技術開発と脱炭素化への取り組み
電源開発は電力の安定供給とカーボンニュートラルの両立を目指しています。火力電源の脱炭素化および水素発電への移行に向けた技術開発に積極的に取り組んでいます。
2050年に向けて、エネルギーの安定的な供給を守りながら、カーボンニュートラルに移行することで、地球に暮らす人類文明のサステナブルな発展を実現していくことを目標としています。これは単なる企業目標ではなく、社会全体の課題解決に貢献する重要な使命として位置付けられています。
エネルギーソリューションビジネス
電源開発は、再生可能エネルギーやこれまでの実績を強みに、エネルギーソリューションビジネスを展開しています。これはお客様のエネルギーに関する課題解決をサポートするサービスです。企業や自治体が直面するエネルギー課題に対して、電源開発の知見と技術を活かしたソリューションを提供しています。
グループ企業の役割
電源開発は複数のグループ企業を通じて、事業を展開しています。例えば、J-POWERジェネレーションサービス株式会社は、全国の火力発電所・地熱発電所の運営業務全般を担当しており、発電設備の建設・運転・保守サービスを中心に提供しています。
これらのグループ企業は、「発電と環境の総合エンジニアリング企業」として、地球環境と共生する社会の実現を目指し、豊かな生活と産業の発展に不可欠な電力・エネルギーの安定供給を支えています。
社会への貢献
電源開発は、気候変動やエネルギーの安定供給といった社会の課題に挑む企業として認識されています。水力・風力・火力・原子力・地熱などの多様な発電事業と、全国に広がる送変電ネットワークを通じて、皆さんの生活に欠かせない電力を届けています。
同社の事業は、単に電力を供給するだけではなく、日本のエネルギーセキュリティを確保し、気候変動問題に対応し、持続可能な社会の実現に貢献するものとして位置付けられています。
まとめ
電源開発株式会社(J-POWER)は、70年近い歴史を持つ日本を代表する電力会社です。水力・風力・地熱などの再生可能エネルギーから、火力・原子力といった大規模発電設備まで、多様なエネルギー源を活用した発電事業を展開しています。全国約100カ所の発電所と、本州と北海道・四国・九州を結ぶ送電ネットワークを通じて、日本全体の電力の安定供給に貢献しています。また、アジアと米国を中心とした海外での事業展開も進めており、グローバルなエネルギー企業として成長を続けています。2050年に向けてカーボンニュートラルへの移行と電力の安定供給の両立を目指し、技術開発に取り組んでいます。
電源開発(J-POWER)の全事業解説:再エネから原子力・海外展開までをまとめました
電源開発株式会社は、日本のエネルギー供給を支える重要な企業です。多様な発電方式、充実した送変電ネットワーク、そして継続的な技術開発により、現在と未来のエネルギー課題に対応しています。国内最大級の再生可能エネルギー事業者として、また海外でも活躍するグローバル企業として、電源開発は日本社会の発展と地球環境の保全の両立を目指して事業を展開しています。














