東陽倉庫株式会社の2023年12月期の決算報告書が発表されました。同社は物流事業と不動産事業を展開する老舗の倉庫会社で、この度の決算は好調な内容となりました。収益の柱である物流事業は20,628百万円の売上を計上し、不動産事業も485百万円の売上でした。営業利益は982百万円、経常利益は1,470百万円とそれぞれ前年同期比で微減ながら堅調な業績を維持しています。
企業情報
企業名: 東陽倉庫株式会社
証券コード: 93060
決算期: 3月期
東陽倉庫株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東陽倉庫株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算が2023年12月31日に確定しました。毎年3月末に本決算を発表し、その前の11月頃に第2四半期決算を発表しています。
主な事業
東陽倉庫株式会社は日本を代表する中堅の物流企業で、倉庫保管事業、港湾運送事業、陸上運送事業などの物流サービスを提供しています。また、保有する不動産を活用した賃貸事業も展開しており、安定収益の確保にも貢献しています。この2つの事業セグメントが同社の主力事業となっています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期の第3四半期累計期間では、営業収益21,113百万円、営業利益982百万円、経常利益1,470百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益1,160百万円と、前年同期に比べ収益は微減もののほぼ横ばいの水準を維持しています。営業利益率は4.7%、経常利益率は7.0%と健全な水準を確保できています。
売上・利益の推移
東陽倉庫は過去数年、堅調な業績推移を示しています。2022年3月期は営業収益28,168百万円、営業利益1,874百万円、経常利益1,874百万円、当期純利益1,350百万円と、いずれの指標も増加基調にあります。2023年3月期の第3四半期累計では伸び率は鈍化しているものの、依然として高水準の収益力を維持しています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の東陽倉庫の連結貸借対照表は、総資産が47,915百万円、負債が23,560百万円、純資産が24,354百万円となっています。資産の部では有形固定資産が大きな割合を占め、投資有価証券の増加も目立ちます。一方で、負債では有利子負債の割合が高く、今後の金利動向にも留意が必要になってくるでしょう。
資産の部
資産の部では、有形固定資産(23,881百万円)と投資有価証券(7,369百万円)が大宗を占めています。有形固定資産は自社の物流拠点や不動産の取得により増加傾向にあり、一方の投資有価証券は株式市況の回復により増加したものと見られます。
負債の部
負債の部では、有利子負債である長期借入金(11,792百万円)と短期借入金(5,056百万円)が合計して16,849百万円と大きな割合を占めています。金融環境の変化に応じて、有利子負債の管理に注視していく必要があります。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が17,718百万円と堅調に積み上がっています。また、その他有価証券評価差額金が1,366百万円と前期末より大幅に増加しています。自己資本比率は50.8%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
東陽倉庫のROA(総資産利益率)は2022年3月期が4.0%、2023年3月期第3四半期が3.6%と一定の水準を保っています。一方でROE(自己資本利益率)は2022年3月期が6.3%、2023年3月期第3四半期が5.5%と若干低下傾向にあります。これは、有利子負債の増加によりレバレッジが高まっているためと考えられます。今後はさらなる収益力の向上と財務体質の強化が課題となるでしょう。
キャッシュフロー
東陽倉庫のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・インが安定的に推移しています。また、投資活動によるキャッシュ・アウトも設備投資を中心に一定水準で推移しています。一方で、財務活動によるキャッシュ・アウトには変動があり、有利子負債の管理が重要な課題となっています。全体としては、安定的なキャッシュ・ポジションを維持できている企業と評価できます。
配当の支払額
東陽倉庫は株主還元として、2023年3月期の年間配当金を10円(株式併合後の換算)、2023年12月期の中間配当金を5.5円(同)としています。配当性向は2022年3月期が33.2%、2023年3月期第3四半期が17.9%となっており、堅実な利益配分を行っていると評価できます。
今後の展望
東陽倉庫は中期経営計画において、「売上高経常利益率5%」「自己資本利益率5%」の目標を掲げています。足下の収益性は従来通り健全な水準を保っているものの、物価上昇や金利上昇などにより先行きの環境は不透明化しつつあります。このため、さらなる収益力の強化と財務体質の改善に取り組み、中長期的な企業価値向上を目指していくことが重要でしょう。
編集部のまとめ
東陽倉庫は物流事業と不動産事業を軸に全体として安定した業績を上げています。過去数年の業績推移も良好で、収益性と財務体質も健全な水準を維持できています。今後は金融環境の変化への対応とさらなる成長投資が課題となりそうですが、同社の運営体制と長年培ってきた事業基盤からすれば、持続的な企業価値向上が期待できるでしょう。
東陽倉庫株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東陽倉庫の決算期は3月期で、第3四半期の決算が2023年12月31日に発表されました。配当については、2023年3月期の年間配当金が10円、2023年12月期の中間配当金が5.5円と、安定的な株主還元を行っています。今後も堅実な業績維持と株主還元に注目が集まりそうです。