トヨタ自動車の子会社であるトヨタ紡織株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、売上高1兆4,711億円、営業利益767億円と大幅に増加しました。主力の自動車部品事業が好調で、世界的な車需要の回復を受け生産が増加したことが収益改善につながりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は421億円となり、前年同期比380%と大きく伸びています。今後も自動車の脱炭素化に向けた新技術の開発などに力を入れ、さらなる成長が期待されます。
企業情報
企業名: トヨタ紡織株式会社
証券コード: 31160
決算期: 3月31日
トヨタ紡織株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
トヨタ紡織株式会社の決算期は3月31日です。決算発表は2023年2月13日に行われました。
主な事業
トヨタ紡織株式会社は、主に自動車部品の製造・販売を行う企業です。シート、内装、ユニット部品など、自動車の内装に関連する製品を手掛けています。国内外の自動車メーカーを顧客として、グローバルに事業を展開しています。近年では、自動車の電動化やインテリアの高付加価値化に注力しています。
今期の業績と利益率は?
トヨタ紡織の2023年12月期第3四半期の業績は、売上高1兆4,711億円、営業利益767億円と大幅に増加しました。主力のシート、内装部品事業が好調に推移し、売上高は前年同期比25.8%増、営業利益も168.0%増と大きな伸びとなりました。世界的な自動車需要の回復が続いており、トヨタ紡織の収益力も向上しています。
売上・利益の推移
トヨタ紡織の過去3年間の売上高と利益の推移をみると、2023年3月期は売上高1兆6,040億円、営業利益は742億円と堅調でした。2022年3月期は半導体不足の影響などもあり、売上高が1兆6,040億円、営業利益が742億円と若干減少しましたが、2023年12月期第3四半期は需要回復を受けて 売上高は1兆4,711億円、営業利益は767億円と大幅に改善しました。今後も自動車需要の回復が続けば、トヨタ紡織の業績も好調に推移すると期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期末のトヨタ紡織の連結貸借対照表をみると、総資産は1兆1,178億円となっています。前期末から1,105億円増加しました。この増加は主に、現金及び現金同等物、有形固定資産の増加によるものです。一方、負債は6,414億円と709億円の増加、純資産は4,764億円と395億円の増加となっています。
資産の部
2023年12月期第3四半期末の資産の部では、現金及び現金同等物が2,963億円と前期末から481億円増加しました。また、有形固定資産が3,065億円と増加しているほか、営業債権や棚卸資産も増加しています。これらの増加が総資産の増加につながっています。
負債の部
負債の部では、社債及び借入金が1,880億円と前期末から530億円増加しています。営業債務も増加しており、これらが負債の増加の主な要因となっています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が3,764億円と増加しているほか、その他の資本の構成要素も増加しています。これにより、純資産合計は4,764億円と前期末から395億円の増加となりました。
ROAとROE
トヨタ紡織の2023年12月期第3四半期のROA(総資産利益率)は3.8%、ROE(自己資本利益率)は9.7%となっています。前年同期と比べてROAは1.3ポイント、ROEは7.5ポイント上昇しました。これは、主力のシート・内装部品事業が好調に推移し、売上高、営業利益が大幅に増加したことが主な要因です。今後も自動車需要の回復が続けば、これらの指標は更に改善していくことが期待されます。
キャッシュフロー
2023年12月期第3四半期のトヨタ紡織のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが1,394億円の収入となっています。これは主に、税引前四半期利益793億円、減価償却費385億円などによるものです。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは540億円の支出となっており、これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは382億円の支出となっています。この結果、現金及び現金同等物の残高は2,963億円となりました。
配当の支払額
トヨタ紡織は、2023年3月期の期末配当を1株当たり35円、2023年9月期の中間配当を1株当たり43円と、年間配当金は1株当たり78円を支払っています。この配当金水準は過去3年間ほぼ横ばいで推移しています。今後も安定的な配当を続けていくことが期待されます。
今後の展望
トヨタ紡織は、自動車の電動化やインテリアの高付加価値化を成長の柱として位置付けており、新技術の開発や生産体制の強化に注力しています。また、中国やアジア地域での拡販にも力を入れており、グローバル競争力の一層の強化が期待されます。今後の自動車市場の回復と企業施策の実現により、トヨタ紡織の業績は更なる向上が見込まれます。
編集部のまとめ
今回のトヨタ紡織の決算では、世界的な自動車需要の回復を背景に、売上高、営業利益、純利益が大幅に増加しました。自動車メーカー向けの主力製品が好調に推移しており、収益力の改善が顕著です。一方で、投資活動によるキャッシュアウトの増加や、借入金の増加など資金面での懸念材料もありますが、全体としては良好な決算内容だと評価できます。今後も自動車の電動化やインテリアの高付加価値化など、成長に向けた施策に期待が高まります。
トヨタ紡織株式会社の決算日や配当についてまとめました。
トヨタ紡織の決算日は3月31日で、2023年2月13日に2023年3月期の第3四半期決算を発表しました。配当金については、年間78円(中間35円・期末43円)の水準で推移しており、今後も安定した配当政策が継続されると考えられます。企業は好調な業績を背景に、電動化やインテリアの高付加価値化などの成長戦略を展開しており、引き続き注目していきたいと思います。