東洋証券の決算内容を分析したので、株式投資の初心者に向けて分かりやすく紹介します。今期は国内外の株式市場が拡大し、営業収益が35.7%増加したことで業績が大幅に改善しました。顧客基盤の拡充により、受入手数料が26.4%増加し、堅調な業績を残せた好決算だと言えるでしょう。
企業情報
企業名: 東洋証券株式会社
証券コード: E03768
決算期: 2023年3月期
東洋証券株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東洋証券の決算期は3月期で、年4回の四半期決算を実施しています。今回の決算は2023年12月31日を期末日とする第3四半期決算となります。
主な事業
東洋証券は証券会社として、株式、債券、投資信託などの有価証券の売買取り次ぎや、引受け、募集・売出し等の業務を行っています。国内外の株式市場や金融商品の動向に大きく影響を受ける事業構造となっています。
今期の業績と利益率は?
今期の営業収益は84億28百万円と前年同期比で35.7%増加しました。国内外の株式市場が活況だったことで、受入手数料が26.4%増加したのが主な要因です。経常利益は7億63百万円と前年同期の11億98百万円の経常損失から大幅に改善しました。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高は、2022年3月期が83億41百万円、2023年3月期は第3四半期時点で84億28百万円となっています。利益面では、2022年3月期は11億98百万円の経常損失でしたが、今期は7億63百万円の経常利益と大幅に回復しています。
四半期連結貸借対照表について
東洋証券の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計が782億33百万円と前期末比で120億42百万円増加しています。一方、負債合計は419億94百万円と100億3百万円の増加となっています。
資産の部
資産の主な内訳は、現金・預金が294億69百万円、顧客分別金信託が88億1百万円となっています。前期末から67億73百万円、22億15百万円増加しました。
負債の部
負債の主な内訳は、顧客からの預り金が162億56百万円、その他の預り金が73億4百万円となっています。前期末から20億78百万円、58億82百万円増加しました。
純資産の部
純資産合計は362億39百万円と前期末比で20億38百万円増加しています。利益剰余金が5億29百万円、その他有価証券評価差額金が14億60百万円増加したことが主な要因です。
ROAとROE
東洋証券のROAは前期末時点で3.8%でしたが、今期第3四半期時点では4.6%と改善しています。一方、ROEは前期末が8.8%から今期第3四半期は8.7%とほぼ横ばいとなっています。業績回復を背景にROAは改善しつつ、ROEはほぼ同水準を維持できている状況です。
キャッシュフロー
東洋証券のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが76億48百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが15億38百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが12億3百万円の支出となっています。資金繰りは良好で、現金及び現金同等物の期末残高は294億69百万円と前期末比で81億22百万円増加しています。
配当の支払額
東洋証券は2023年6月に1株当たり2円の期末配当を実施しました。前期より1円増配しており、配当性向は23.0%となっています。今期の配当に大きな変更はない見通しです。
今後の展望
東洋証券は2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しています。株式投資に関する顧客層の拡大や預り資産の増加を目標とした取り組みを進めており、収益の安定化に期待が寄せられています。引き続き株式市場の動向に注目が必要ですが、既存事業の着実な成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
編集部のまとめ
東洋証券の決算は、株式市場の活況を背景に業績が大幅に改善しました。営業収益、営業利益ともに前年同期比で増加しており、収益力の強化が進んでいる点で好印象です。一方、ROEは8.7%と低水準にあり、今後の成長戦略の実現に期待が寄せられています。利益率の向上と中長期的な企業価値の向上に注目が必要です。
東洋証券株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東洋証券の決算は3月期で、年4回の四半期決算を行っています。今回の決算は2023年12月31日を期末日とする第3四半期決算でした。配当については、1株当たり2円の期末配当を実施しました。前期より1円増配しており、配当性向は23.0%となっています。今期の配当に大きな変更はない見通しです。