ニチアス株式会社の第3四半期決算報告書が発表されました。売上高は前年同期比5.0%増加の1,850億円、営業利益は17.5%増加の254億円と好調な業績を示しています。主力のプラント向け工事・販売および自動車部品部門が伸長し、業績を牽引しました。
企業情報
企業名: ニチアス株式会社
証券コード: 53930
決算期: 2023年3月期
ニチアス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ニチアス株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日の3ヶ月間の業績を発表しました。通期の決算は2024年5月頃に行われる予定です。
主な事業
ニチアス株式会社は、産業用断熱材やシール材、耐火製品、自動車部品などを製造・販売する総合素材メーカーです。石油化学や発電、自動車、建築などの分野で幅広い事業を展開しています。プラント向け工事・販売、工業製品、高機能製品、自動車部品、建材の5つのセグメントに分かれています。技術力に強みを持ち、顧客ニーズに合わせた高品質な製品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は売上高1,850億円、営業利益254億円と、いずれも前年同期を大きく上回りました。特に営業利益率は13.8%と高い水準を維持しています。主力のプラント向け工事・販売と自動車部品がけん引し、全体として好調な結果となりました。
売上・利益の推移
ニチアス株式会社の売上高は、2022年度第3四半期の1,763億円から、今期は5.0%増加の1,850億円となりました。一方で営業利益は217億円から254億円と17.5%も増加しています。販売の増加に加えて、原材料価格高騰の影響も和らぎ、収益性が大きく改善しています。
四半期連結貸借対照表について
ニチアス株式会社の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は2,794億円と、前期末から約125億円増加しています。現金・預金が減少しましたが、電子記録債権や設備投資に伴う建設仮勘定などが増えたことが主な要因です。負債は882億円と前期末から50億円減少し、純資産は1,912億円と大幅に増加しています。
資産の部
流動資産は1,811億円で、前期末から50億円増加しました。現預金が減少しましたが、売上増加に伴う電子記録債権の増加などがあります。固定資産は982億円で、設備投資などにより新規購入が進んでいます。
負債の部
流動負債は749億円と前期末から15億円減少しました。短期借入金が増えましたが、社債の償還などにより減少しています。固定負債は132億円と35億円減少しています。
純資産の部
純資産は1,912億円と前期末から175億円も増加しました。利益剰余金が134億円、為替換算調整勘定が20億円増加したことが主因です。自己資本比率も68.0%と高い水準を維持しています。
ROAとROE
ニチアス株式会社の収益性を示す指標では、ROA(総資産経常利益率)が10.1%、ROE(自己資本当期純利益率)が13.0%と高い水準にあります。前年同期と比べても改善しており、営業利益の増加に加えて、資産効率や株主資本の効率的な活用がなされています。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが80億円の収入となりました。一方で投資活動によるキャッシュ・フローは103億円の支出となり、設備投資が大きく進んでいます。財務活動では配当金の支払いなどにより64億円の支出となっています。全体としては前年同期比で72億円減少し、当四半期末の現金及び現金同等物は516億円となりました。
配当の支払額
ニチアス株式会社は、2023年6月に1株当たり46円、11月に48円の中間配当を実施しました。年間配当金見込みは94円となっています。前期の年間配当90円から増加しており、業績の好調さを反映した配当となっています。
今後の展望
ニチアス株式会社は、エネルギーや環境、インフラなど、社会インフラを支える事業に注力しています。今後も、顧客ニーズに合わせた製品開発や技術革新に取り組み、成長を続けていく方針です。特に、中国やアジア市場での事業拡大に力を入れており、グローバル展開を加速させていく考えです。これらの施策を通じて、さらなる業績向上が期待されます。
編集部のまとめ
ニチアス株式会社の直近の決算は、売上高、営業利益ともに前年同期を大きく上回る好調な結果でした。特に、プラント向け工事・販売と自動車部品が牽引しており、収益性の高い事業構造が鮮明になってきています。今後も、グローバル展開の加速や先端技術の開発に注力し、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
ニチアス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ニチアス株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期決算は12月31日までの9ヶ月間の業績を発表しています。また、同社は安定した配当政策を実施しており、2023年度の年間配当金は1株当たり94円を見込んでいます。業績の好調さを反映した水準となっています。