アンリツは、世界的な通信計測機器メーカーとして知られています。最近では5Gやワイヤレス通信の進化、データセンターの高速化など、通信技術の革新に欠かせない存在となっています。この度、同社の2023年度第3四半期の決算報告書が発表されましたので、その内容をわかりやすく紹介していきます。
企業情報
企業名: アンリツ株式会社
証券コード: 6754
決算期: 3月期
アンリツ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アンリツ株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算は、10月1日から12月31日までの期間の業績をまとめたものです。決算発表は、通常2月下旬に行われます。
主な事業
アンリツの主な事業は、通信計測事業、PQA(プロダクツ・クオリティ・アシュアランス)事業、環境計測事業の3つです。通信計測事業では、5G、IoT、データセンターなど、通信インフラの高度化に欠かせない計測器やサービスを提供しています。PQA事業では食品や医薬品の品質管理システムを、環境計測事業ではEVやバッテリー向けの試験装置などを手がけています。
今期の業績と利益率は?
アンリツの2023年度第3四半期の業績は、売上収益778億円、営業利益51億円となりました。売上高は前年同期比4.8%減少しましたが、利益面では大きな改善が見られ、営業利益率は6.6%と健闘しています。
売上・利益の推移
アンリツの過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は2022年3月期に1109億円と過去最高を記録しましたが、2023年3月期は1109億円、2024年3月期第3四半期は777億円と減少傾向にあります。一方、利益面では2022年3月期の124億円から2024年3月期第3四半期は51億円と改善してきています。
四半期連結貸借対照表について
アンリツの2023年12月末時点の連結貸借対照表を見ると、資産合計は1542億円と堅調に推移しています。負債は352億円と少なく、自己資本比率は77.2%と高水準を維持しています。健全な財務体質を保っていることがわかります。
資産の部
現金及び現金同等物は397億円と前期末から増加しており、流動性が高い状況にあります。一方で、有形固定資産や無形資産も健在に推移しています。
負債の部
短期借入金は40億円と少なく、長期借入金もほとんどありません。営業債務や従業員給付などの負債を中心に構成されています。
純資産の部
資本金は192億円、利益剰余金は617億円と、堅固な財務基盤を持っています。自己資本比率も77.2%と高水準を維持しており、財務の健全性が高いことがわかります。
ROAとROE
アンリツのROA(総資産利益率)は前年同期比で1.3ポイント低下の2.5%となりました。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期比で3.7ポイント低下の3.3%となっています。これは主に売上高の減少が影響したためと考えられます。今後は、収益力の向上によりこれらの指標の改善が期待されます。
キャッシュフロー
アンリツのキャッシュフローは堅調に推移しています。当第3四半期連結累計期間では、営業活動によるキャッシュ・フローが103億円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは26億円のマイナスとなっています。これらを合わせたフリー・キャッシュ・フローは77億円のプラスで、財務体質の健全性が高いことがわかります。
配当の支払額
アンリツは株主還元に積極的で、当期の年間配当金は1株当たり40円(中間配当20円、期末配当20円)を予定しています。この水準は前期比横ばいで、配当性向は67.3%となっています。今後も安定的な配当を続ける方針のようです。
今後の展望
アンリツは、5Gや光通信の高速化、IoTの進展など、通信インフラの高度化に必要不可欠な製品・サービスを提供しています。今後も通信計測事業を中心に伸長が期待できそうです。また、EVやバッテリーなどの環境計測事業の伸びも注目されます。中長期的には、こうした成長分野への投資を進め、さらなる企業価値向上を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
アンリツは、通信技術の進化に欠かせない計測器メーカーとして注目されています。今期の業績は一時的な減収となったものの、利益率は向上しており、財務体質も健全です。今後は5Gやデータセンター、環境関連分野での事業拡大が期待されます。株主還元も積極的に行っており、中長期的な企業価値向上が期待できそうです。
アンリツ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アンリツ株式会社の決算日は3月31日で、決算発表は通常2月下旬に行われます。また、同社の年間配当金は1株当たり40円を予定しており、配当性向は67.3%と株主還元にも力を入れていることがわかりました。