こんにちは。今回は、株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ(証券コード:E01712)の2023年12月期第3四半期業績について、分かりやすくお伝えしていきます。
ハーモニック・ドライブ・システムズは、産業用ロボット、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置など、幅広い産業機器向けのコアコンポーネントを製造・販売する、非常に魅力的な企業です。
株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズは、3月31日を決算期末としています。第3四半期決算は、2023年12月31日付で発表されました。
主な事業
ハーモニック・ドライブ・システムズの主力事業は、高精度減速機「ハーモニックドライブ」の開発・製造・販売です。同社は世界トップシェアを誇る減速機メーカーで、特に産業用ロボット、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置といった分野で高い評価を得ています。
近年はメカトロニクス製品の開発にも注力しており、医療・ヘルスケア分野での活用が期待されています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高419億26百万円、営業利益6億61百万円と前年同期に比べ大幅に減少しました。
厳しい事業環境の中、利益率も低下しています。しかし同社は高い技術力と提案力を活かし、着実に事業を成長させてきた実績があるため、今後の業績回復が期待されます。
売上・利益の推移
ハーモニック・ドライブ・システムズの過去3年間の売上高は、2022年3月期715億27百万円、2023年3月期713億27百万円と高水準で推移しています。
一方で、2023年12月期第3四半期は419億26百万円と減少に転じています。これは半導体不足の影響などで、顧客における同社製品の在庫調整が進んでいるためです。
利益面では、2022年3月期の経常利益は107億57百万円と高水準でしたが、2023年12月期第3四半期は7億65百万円と大幅に減少しました。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は1,507億41百万円となっています。前期末比で35億94百万円減少しています。
負債は448億87百万円と前期末比で54億93百万円減少しました。主な要因は、借入金の減少や未払法人税等の減少です。
純資産は1,058億54百万円と前期末比で18億99百万円増加しました。自己資本比率は70.2%と高水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が189億59百万円、受取手形が31億22百万円、投資有価証券が98億29百万円となっています。前期末比では、受取手形が減少、その他の流動資産が増加しています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が32億70百万円、借入金が161億42百万円となっています。前期末比では、借入金が大幅に減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が618億83百万円、為替換算調整勘定が137億73百万円となっています。前期末比で利益剰余金が減少しているものの、為替換算調整勘定が大幅に増加しています。
ROAとROE
ハーモニック・ドライブ・システムズのROA(総資産経常利益率)は、直近では低下傾向にあります。2023年3月期は6.9%でしたが、2023年12月期第3四半期では0.5%まで低下しています。
一方でROE(自己資本利益率)は、2023年3月期が7.3%とまずまずの水準を維持しています。これは同社の強固な財務基盤を示しているといえるでしょう。今後はROA、ROEの改善に向けた取り組みに期待がかかります。
キャッシュフロー
ハーモニック・ドライブ・システムズのキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは減少傾向にあります。2023年3月期は85億86百万円のプラスでしたが、2023年12月期第3四半期累計では減少に転じています。
一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などにより毎期マイナスを計上しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済などにより減少しています。
今後は、営業活動によるキャッシュ・フローの改善と設備投資の抑制が課題だと言えるでしょう。
配当の支払額
ハーモニック・ドライブ・システムズは、株主還元に積極的な企業として知られています。2023年3月期は年間28円の配当を実施しました。2023年12月期第3四半期累計では、中間配当として10円の配当を実施しています。
同社は、株主への利益還元を重要な経営課題の一つと位置付けており、今後も安定的な配当を続けていくことが期待されます。
今後の展望
ハーモニック・ドライブ・システムズは、産業用ロボット、半導体製造装置、医療機器など、幅広い分野で高い技術力を活かした事業展開を行っています。
今後は、車載向けや最先端半導体分野など、成長が期待できる分野での受注拡大が見込まれます。また、メカトロニクス製品の販売強化にも注力しています。
中長期的には、グローバル市場での競争力強化と新技術開発により、持続的な成長が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
ハーモニック・ドライブ・システムズは、産業用機械分野のリーディングカンパニーとして知られています。
直近の業績は一時的な減少に見舞われているものの、同社の強みである高い技術力を活かし、成長分野での事業拡大を目指しています。
また、株主還元にも積極的で、配当性向の高さが特徴です。中長期的な成長が期待できる企業だと言えるでしょう。
株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズの決算日は3月31日です。2023年3月期は年間28円の配当を実施し、2023年12月期第3四半期では10円の中間配当を支払っています。
企業業績は一時的な減少傾向にあるものの、長期的には成長が期待できる企業といえるでしょう。