東京製綱株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告書が公開されました。同社は鋼線・産業機械などを手掛ける製造業で、この四半期の業績は売上高が前年同期比減少したものの、利益面では増益となりました。売上高48,052百万円、営業利益2,439百万円と、コストコントロールが奏功した結果といえます。今後も製品の付加価値を高め、収益力の増強を目指していくようです。
企業情報
企業名: 東京製綱株式会社
証券コード: 59810
決算期: 2024年3月期
東京製綱株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東京製綱株式会社は3月決算の企業で、今回の四半期決算は2023年12月期第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の業績報告です。通常の年次決算は3月31日を基準日として行っています。
主な事業
東京製綱株式会社は、鋼索・鋼線、スチールコード、開発製品、産業機械、エネルギー・不動産の5つの事業セグメントを展開しています。主力の鋼索・鋼線関連事業では、ワイヤロープや各種鋼線製品を製造・販売しています。自動車用のタイヤ補強素材であるスチールコードや、防災関連の開発製品なども手がけています。幅広い事業領域を有する総合メーカーといえるでしょう。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期の第3四半期までの業績は、売上高が48,052百万円と前年同期比4.2%減少しました。一方で、営業利益は2,439百万円と8.4%増益となりました。この背景には、鋼索・鋼線関連事業での製品価格改定効果や、コスト削減などの収益性改善策が奏功したことがあげられます。利益率も高まっており、同社の収益力強化が進んでいるといえるでしょう。
売上・利益の推移
過去3年間の業績をみると、売上高は670億円台から480億円台の水準で推移しています。一方で、経常利益は36~28億円と安定した利益を確保できているのが特徴です。第3四半期の業績では増益基調にあり、通期の業績も好調に推移することが期待されます。
四半期連結貸借対照表について
東京製綱の2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表をみると、資産合計は899億円となっています。前期末に比べ12億円増加しており、業績の回復に伴い、キャッシュ・ポジションが改善されたことがわかります。
資産の部
資産の内訳をみると、現金預金が67億円、受取手形・売掛金が155億円となっています。また、棚卸資産の合計は181億円と、原材料価格の高騰や生産の増加を反映しています。固定資産は477億円で、主力の生産設備などが含まれます。
負債の部
負債合計は551億円と前期末から23億円減少しています。有利子負債が149億円と、手元資金の増加を背景に圧縮されています。一方で、仕入債務が120億円となっています。
純資産の部
純資産は347億円と前期末から35億円増加しました。利益剰余金が185億円と着実に積み上がっているほか、為替換算調整勘定の増加などにより、自己資本比率は38.6%まで改善しています。
ROAとROE
東京製綱のROA(総資産経常利益率)は前年同期の3.0%から3.1%に、ROE(自己資本当期純利益率)は前年同期の6.4%から5.8%と推移しています。収益性は徐々に高まってきており、生産性の改善や財務体質の強化が進んでいるといえるでしょう。今後もこの傾向が続くことが期待されます。
キャッシュフロー
第3四半期のキャッシュ・フローをみると、営業活動によるキャッシュ・インは前年同期の6億円から58億円と大幅に改善しています。一方で、投資活動によるキャッシュ・アウトが17億円発生しています。この結果、フリー・キャッシュ・フローは41億円の黒字となり、財務基盤の強化につながっています。
配当の支払額
東京製綱は、2023年3月期の年間配当金を35円としています。この水準は前期の20円から大幅に引き上げられた配当となっており、業績の回復と株主還元の強化を示す結果といえます。株主の皆様にもこの成果が還元されています。
今後の展望
東京製綱は、2022年4月からの中期経営計画「TOUGHNESS 2026」の下、付加価値の高いハイエンド製品の拡販や、生産性向上、財務体質の強化に取り組んでいます。今後もこうした戦略を着実に実行し、収益力の向上を目指していく方針です。世界経済の先行きは不透明な面もありますが、同社の強みを生かしながら、持続的な成長を達成できると期待されます。
編集部のまとめ
東京製綱株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比で減少しましたが、利益面では大幅な増益となりました。製品価格の適正化や生産性の向上、財務体質の強化など、経営改善の成果が表れている決算内容といえるでしょう。今後も付加価値の高い製品の拡販と収益力の向上に注力していく方針で、株主還元の強化にも取り組むなど、株主の期待に応える企業の姿勢がうかがえます。
東京製綱株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東京製綱株式会社は3月決算の企業で、通常の年次決算は3月31日を基準日として行っています。今期の年間配当金は1株当たり35円と、前期から大幅に増額されました。業績の回復と株主還元の強化が図られています。今後も収益力の向上に取り組み、株主の皆様への還元を継続していくことが期待されます。