ヤマト・インダストリー株式会社の最新の決算報告書を分析しました。同社は製造業界で大手の企業で、生産性の向上と新市場開拓に取り組んでいます。今期の業績は厳しかったものの、工場の効率化や新商品の開発などに注力し、今後の業績回復に期待が持てそうです。決算書の分析では、資産・負債・純資産の状況を確認でき、同社の財務状況をうかがい知ることができます。また、売上高や利益の推移、キャッシュフロー、利益率などを確認し、同社の事業の強みや課題を把握することができました。今後の展望も明るく、株主還元にも力を入れる方針のようです。ヤマト・インダストリー株式会社の今後の成長に期待がかかっています。
企業情報
企業名: ヤマト・インダストリー株式会社
証券コード: E00867
決算期: 3月期
ヤマト・インダストリー株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ヤマト・インダストリー株式会社の決算日は3月31日で、通常4月頃に決算報告書を公表しています。決算スケジュールは、4月1日から3月31日までの1年間の業績を集計し、5月中旬に有価証券報告書を提出、6月に株主総会を開催しています。
主な事業
ヤマト・インダストリー株式会社は、合成樹脂成形製品の製造・販売を主な事業としています。主力製品は自動車部品や家電製品などの射出成形品で、これらの製造を国内外の拠点で行っています。また、物流機器関連事業として、パレットやコンテナなどの製造・販売も手がけています。同社はこれらの事業を通じて、幅広い産業分野に製品を提供しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が114億41百万円と前年同期比で減収となりました。一方で、営業損失は36百万円、経常損失は139百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は181百万円と、いずれも悪化しています。主な要因は、原材料価格の高騰や為替変動の影響などによるコスト上昇を十分に販売価格に転嫁できず、収益性が低下したことです。
売上・利益の推移
直近の3年間の業績をみると、売上高は2022年3月期に155億40百万円をピークに減少傾向にあります。利益面でも、2022年3月期の経常利益9百万円から赤字に転落し、今期第3四半期累計では経常損失139百万円と大幅な悪化となっています。経済環境の悪化や原材料高の影響が響いているものの、新製品の投入や海外市場の開拓など、収益力の回復に向けた取り組みを進めています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表をみると、資産合計は82億47百万円となっています。主な資産は、受取手形・売掛金、たな卸資産などの流動資産が約76%を占めています。一方、負債合計は66億43百万円で、支払手形・買掛金、有利子負債などが主な内訳です。純資産は16億4百万円で、自己資本比率は19.4%となっています。
資産の部
資産の部では、受取手形・売掛金が21億38百万円、たな卸資産が12億28百万円となっています。前期末から資産全体が445百万円減少しており、電子記録債権や商品・製品の減少が主な要因です。
負債の部
負債の部では、支払手形・買掛金が22億4百万円、有利子負債が33億19百万円となっています。前期末から437百万円減少しており、支払手形・買掛金や長期借入金の減少が主な要因です。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が7億39百万円の赤字となっています。一方で、為替換算調整勘定が5億5百万円の増加となり、純資産合計は16億4百万円、自己資本比率は19.4%となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)とROE(自己資本利益率)の推移を見ると、両指標とも直近期は悪化しています。ROAは2022年3月期の0.3%から当第3四半期累計では△1.7%、ROEは同1.5%から△11.3%と大幅に低下しています。これは、売上や利益が減少したことで収益性が悪化したためです。今後は、生産性の向上や新市場開拓などに取り組み、収益性の改善を目指す必要があるでしょう。
キャッシュフロー
四半期連結キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは 減少傾向 にあり、2022年4月-12月期は1億71百万円の支出超となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは プラスで推移 しており、設備投資などに支出されていることがわかります。財務活動によるキャッシュ・フローも減少基調で、有利子負債の返済などに充てられています。全体としてキャッシュ・ポジションは徐々に弱まっていると言えるでしょう。
配当の支払額
ヤマト・インダストリー株式会社は、2022年3月期までは配当を実施していましたが、直近の2023年3月期は無配となっています。これは、当期の業績悪化を受けて、内部留保の確保と財務体質の強化を優先したためと考えられます。株主還元は重要ですが、今後の収益力回復に向けた投資にも注力する必要があるでしょう。
今後の展望
ヤマト・インダストリー株式会社は、原材料高騰やコスト上昇などの厳しい事業環境に直面していますが、工場の生産性向上や新商品開発、海外市場の開拓などに取り組み、収益力の回復を目指しています。2023年3月期は無配となったものの、株主還元の再開にも期待が持てます。先行きは不透明ですが、同社の持つ技術力と事業基盤を活かして、持続的な成長と企業価値の向上につなげていくことが期待されます。
編集部のまとめ
ヤマト・インダストリー株式会社は、合成樹脂製品の製造・販売を主力事業としながら、物流機器関連事業も展開する総合メーカーです。2023年3月期第3四半期は厳しい業績となりましたが、生産性の向上やコスト管理の強化、新商品開発などに注力し、収益力の回復に取り組んでいます。財務基盤も健全性を維持しており、今後の業績改善に期待が高まります。配当については2022年3月期までは実施していたものの、内部留保の確保と事業投資に優先順位を置いたため、一時的に無配となりました。今後の株主還元の再開にも注目が集まるでしょう。
ヤマト・インダストリー株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ヤマト・インダストリー株式会社の決算日は3月31日で、通常4月頃に決算報告書を公表しています。過去の配当実績は2022年3月期までは実施していましたが、2023年3月期は無配となっています。業績回復に向けた取り組みを優先し、内部留保の確保と事業投資に注力したためです。今後の業績改善と株主還元の再開に期待がかかっています。