日本航空電子工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は航空・宇宙、自動車、携帯電話など幅広い分野でコネクタ製品を提供する老舗企業です。売上高は1,713億50百万円となり前年同期比9割強と減収となりましたが、営業利益は114億99百万円と管理費の抑制などにより収益力を維持しています。
企業情報
企業名: 日本航空電子工業株式会社
証券コード: 68070
決算期: 2023年3月期
日本航空電子工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本航空電子工業株式会社の決算日は3月31日で、年に4回四半期決算を行っています。2023年12月31日が第3四半期の決算期間となります。
主な事業
日本航空電子工業は、コネクタ事業、インターフェース・ソリューション事業、航機事業の3つの事業セグメントを展開しています。
代表的な製品はコネクタ製品で、航空機、自動車、携帯電話、産業機器などさまざまな分野で使用されています。また、ガラスセンサやタッチパネルなどのインターフェース製品、油田掘削用センサなどの航機製品も手掛けています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上高1,713億50百万円、営業利益114億99百万円と前年同期比で減収減益となりました。
携帯電話市場や産業機器市場の低迷により売上が減少しましたが、コストの適切な管理によって営業利益率は6.7%と一定水準を維持しています。
売上・利益の推移
直近3年間の業績を見ると、2022年3月期の売上高は2,358億64百万円、営業利益は154億84百万円と過去最高水準を記録しました。
しかし2023年12月期第3四半期では前年同期比で売上高は93%、営業利益は71%と減少しています。需要低迷の影響が見られるものの、中長期的に見れば安定した収益基盤を持っていると言えます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点での総資産は2,335億53百万円で、前期末より69億27百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加や生産能力強化のための設備投資により有形固定資産が増加したことによります。
資産の部
流動資産は1,456億39百万円で、前期末比4,264百万円増加。現金及び預金が増加したことなどが要因です。
固定資産は879億14百万円と前期末比2,663百万円増加しました。
負債の部
負債合計は525億40百万円と前期末比28億1百万円減少しています。短期借入金の返済などによるものです。
純資産の部
純資産は1,810億13百万円と前期末比97億28百万円増加。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や為替変動の影響により、自己資本比率は77.5%と高水準を維持しています。
ROAとROE
自己資本利益率(ROE)は前期末の10.1%から当第3四半期では8.0%に低下しています。
一方、総資産利益率(ROA)は前期末の7.6%から当第3四半期では6.2%と低下しています。
これは主に売上の減少により収益性が低下したことが要因です。中期的には生産性の向上と新分野の開拓により収益性を高めていく必要があります。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは163億7百万円の収入超過となりました。一方で、設備投資などの投資活動によるキャッシュフローは112億88百万円の支出超過となっています。
全体としては69億56百万円の増加となり、手元流動性が改善されています。製品需要の減少に対して適切な在庫管理などにより、キャッシュポジションを安定的に確保できています。
配当の支払額
2023年12月期の中間配当は1株当たり25円、期末配当も同額を予定しています。
前期の年間配当50円から変わらず、安定的な配当政策を維持しています。今後も株主還元の一環として、業績に応じた適切な配当を行っていく方針です。
今後の展望
中期経営計画では、売上高2,500億円、営業利益率10%以上を目標に掲げています。
現在は半導体不足や中国経済の減速などの影響を受けて業績が低迷しているものの、自動車向けや工場自動化などの成長分野への積極的な投資と生産性向上により、中長期的な企業価値向上を目指しています。
編集部のまとめ
日本航空電子工業は航空・宇宙、自動車、電子機器など幅広い分野で高い技術力を誇る企業です。
2023年12月期第3四半期は需要低迷の影響を受けて減収減益となりましたが、生産性向上とコスト管理によって収益性を維持しています。
中期的に自動車やインフラ分野での需要拡大が期待されており、引き続き業績の回復と持続的な成長が期待できる企業といえます。
日本航空電子工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本航空電子工業株式会社の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。
2023年12月期の配当金は、中間配当が1株当たり25円、期末配当も同額を予定しており、通期50円の配当を継続する見込みです。
同社は安定的な収益基盤と高い財務体質を維持しており、今後も株主還元に力を入れていく方針のようです。