特殊電極株式会社の2023年3月期第3四半期決算報告書の内容を分析しました。売上高は7,220百万円と前年同期比で1.8%の減収となりましたが、利益は減少も健全な水準を維持しています。事業別には工事施工部門が好調で、環境関連装置は減収となりましたが、全体としては安定した収益基盤を築いていると言えます。純資産は7,208百万円と健全な財務状況を維持しており、今後の事業拡大に期待が持てそうです。
企業情報
企業名: 特殊電極株式会社
証券コード: 34370
決算期: 3月期
特殊電極株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
特殊電極株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算は2023年12月31日時点での数値が公表されています。
主な事業
特殊電極株式会社は、工事施工、溶接材料、環境関連装置などの事業を展開しています。工事施工では粉砕ミル工事や鉄鋼関連の保全工事、溶接材料ではフラックス入りワイヤなどの製品を販売、環境関連装置では自動車産業向けの省エネ型加熱装置などを手掛けています。幅広い事業領域を持ち、様々な産業分野に製品・サービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
2023年3月期第3四半期の業績は、売上高7,220百万円、営業利益498百万円、経常利益520百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益361百万円となっています。売上高は前年同期比で1.8%減少しましたが、利益面では29.5%減益となっています。利益率は、営業利益率が6.9%、経常利益率が7.2%、当期純利益率が5.0%となっています。全体としては健全な収益水準を維持していると評価できます。
売上・利益の推移
過去3年間の業績推移を見ると、売上高は9,699百万円、営業利益は624百万円、当期純利益は384百万円と、堅調に推移しています。直近の第3四半期は減収減益となったものの、中期的には増収増益基調にあると言えます。収益力の高い企業だと評価できるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月31日時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産が11,271百万円、負債合計が4,063百万円、純資産合計が7,208百万円となっています。前期末比では、資産は324百万円増加、負債は53百万円増加、純資産は270百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が1,979百万円と前期末より492百万円減少しています。一方で、建物及び構築物(純額)が2,230百万円と2,051百万円増加しています。この増加は本社工場の移転に伴うものと考えられます。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が1,949百万円と前期末より94百万円増加しています。また、長期借入金が809百万円と214百万円増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が6,258百万円と247百万円増加しています。全体として、健全な財務体質を維持していると評価できます。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は4.7%、ROE(自己資本利益率)は5.2%となっています。前期と比較して低下しているものの、依然として健全な水準を維持しています。これは、コスト管理の徹底や設備投資の効率化などにより収益性が向上したことが要因だと考えられます。今後もこの水準を維持していくことが重要です。
キャッシュフロー
キャッシュ・フロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは+521百万円、投資活動によるキャッシュ・フローは-228百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは+127百万円となっています。設備投資や運転資金の需要に対し、堅実な資金繰りを維持できていると判断できます。
配当の支払額
2023年3月期の年間配当金は72円となる見通しです。第2四半期は28円、第3四半期は44円の配当を実施しており、株主還元に積極的に取り組んでいます。今後も安定した配当の実施が期待できるでしょう。
今後の展望
今後の事業環境としては、世界的な金融引締めの影響や中国経済の先行き不透明さ、物価上昇など、不確実性が高い状況が続くことが予想されます。そうした中で、特殊電極株式会社は営業活動の効率化や生産性向上、技術開発などに取り組み、事業基盤の強化を図っていく方針です。この施策が奏功すれば、中期的な業績拡大が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
特殊電極株式会社の2023年3月期第3四半期決算は、全体としては堅調な結果となりました。売上高は減少したものの、利益は健全な水準を維持しています。財務面でも、自己資本比率63.5%と高い財務健全性を確保しています。今後の事業環境は不透明ですが、同社の安定した事業基盤と収益力を踏まえると、中長期的な成長が期待できると考えられます。
特殊電極株式会社の決算日や配当についてまとめました。
特殊電極株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期は2023年12月31日時点の数値が公表されました。配当金は年間72円(第2四半期28円、第3四半期44円)と、株主還元に積極的に取り組んでいます。今後も安定した配当の実施が期待できそうです。