株式会社有沢製作所の2023年12月期第3四半期決算が公表されました。売上高308億59百万円、前年同期比8%減でしたが、利益率は減少したものの、全体として良好な決算内容となっています。この決算の内容と今後の展望について詳しくご紹介します。
企業情報
企業名: 株式会社有沢製作所
証券コード: 52080
決算期: 3月期
株式会社有沢製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社有沢製作所の決算日は3月31日です。つまり、3月期決算を行っており、毎年6月頃に年次決算、11月頃に第2四半期決算、2月頃に第3四半期決算を発表しています。
主な事業
株式会社有沢製作所は、電子材料、産業用構造材料、電気絶縁材料、ディスプレイ材料などを主な事業領域としています。
具体的には、プリント配線板用ガラスクロスや航空機用ハニカムパネルなどの製造・販売を行っています。技術力を活かし、様々な産業分野での製品を提供しており、特に電子材料分野では高いシェアを誇っています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の売上高は308億59百万円と前年同期比8%減となりました。
一方、営業利益は6億48百万円と大幅に減少しており、利益率も前年同期比で大きく低下しています。
これは主に、中国市場での需要減少の影響を受けたことが要因と分析されています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は42,722百万円→33,543百万円→30,859百万円と減少傾向にあります。
一方、利益面では経常利益は2,717百万円→2,705百万円→718百万円と大きく落ち込んでいます。
これは、コロナ禍の影響やグローバル経済の不確実性の高まりなどが影響しているものと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月期第3四半期の四半期連結貸借対照表の内容を見ていきます。
資産の部
資産合計は690億46百万円と前期末比で13億86百万円増加しています。
現金及び預金は減少したものの、受取手形・売掛金及び契約資産が増加したことが主な要因です。
負債の部
負債合計は234億86百万円と前期末比で29億34百万円増加しました。
支払手形及び買掛金、長期借入金が増加したことが主な要因です。
純資産の部
純資産合計は455億59百万円と前期末比で15億47百万円減少しています。
利益剰余金の減少が主な要因となっています。
ROAとROE
ROAは前期3.9%から当期1.0%に大きく低下し、ROEも前期6.0%から当期2.1%に大幅に減少しています。
これは、売上高や利益の減少によって、資産効率や株主資本効率が悪化したことが原因です。
今後は収益性の向上に向けて、事業ポートフォリオの見直しや新製品開発など、さまざまな施策に取り組む必要があるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは10億84百万円の収入となりました。一方、投資活動によるキャッシュフローは26億8百万円の支出と大幅な支出超過となっています。
これは、有形固定資産の取得などの設備投資に資金を投入したことが主な要因です。
今後は、キャッシュフローの改善と、設備投資とのバランスを取りながら経営基盤の強化を図っていくことが重要でしょう。
配当の支払額
2023年12月期第3四半期では、年間配当金110円を実施しました。
株主還元を重視し、安定的な配当を維持していることが分かります。
今後の展望
株式会社有沢製作所は、電子材料事業を中心に、構造材料や絶縁材料など、様々な産業分野にわたる製品ラインナップを持っています。
今後は、新製品開発やグローバル事業の強化に注力し、収益力の向上を目指していくことが期待されます。
中国市場の需要減少など、外部環境の変化にも柔軟に対応しながら、企業価値の向上につなげていくことが重要でしょう。
編集部のまとめ
株式会社有沢製作所は、コロナ禍の影響などで短期的に業績が減少したものの、長期的には成長が期待できる企業です。
電子材料をはじめ、幅広い製品ラインナップを持ち、技術力も高いことから、今後の新製品開発や中国を含むグローバル事業の強化に期待がかかっています。
また、株主還元にも積極的で、安定した配当政策が特徴的です。今後の業績回復と企業価値向上に注目していきたいと思います。
株式会社有沢製作所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社有沢製作所の決算日は3月31日で、年次決算は6月、第2四半期決算は11月、第3四半期決算は2月に発表しています。
配当については、2023年12月期第3四半期では年間配当金110円を実施しており、安定的な株主還元を行っていることがわかりました。