株式会社栄電子の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。電子部品の販売を主力事業とする同社は、コロナ後の需要減少や外需減少の影響を受けつつも、業績を堅持しています。今回の決算は前年同期比でやや減収減益となったものの、継続的な利益確保を果たしています。今後の展望としては、新規事業の開拓や製品開発の強化で収益の拡大を目指す方針です。
企業情報
企業名: 株式会社栄電子
証券コード: 75670
決算期: 3月期
株式会社栄電子の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社栄電子の決算は3月期です。つまり、毎年3月31日が決算日となり、その後2-3ヶ月後の6月末頃に決算報告書が公表されます。
主な事業
株式会社栄電子は、産業用電子部品や電子機器の販売を主な事業としています。半導体製造装置、IoT機器、センサーなど、幅広い電子部品を取り扱っています。顧客は主に電子機器や半導体関連の製造業者となっており、国内外の企業に商品を供給しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は6,648百万円と前年同期比で22.2%の減収となりました。これは主に半導体関連の生産調整や需要減少の影響を受けたためです。一方で営業利益は292百万円となり、利益率は4.4%と堅調に推移しています。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高と経常利益の推移をみると、2022年3月期に売上高が10,839百万円、経常利益が511百万円と最高値を記録しました。しかし2023年3月期には売上高が8,548百万円、経常利益が312百万円と減少に転じています。今期はさらに減収減益となる見込みですが、利益面では一定の水準を維持しています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は7,433百万円で、前期末比0.1%減少しています。主な変動としては、売掛金や受取手形の減少により流動資産が5,045百万円となったことが挙げられます。一方で固定資産は投資有価証券の増加などにより2,388百万円と増加しました。
資産の部
資産の部では、流動資産が5,045百万円と前期末比3.0%減少しました。これは主に売掛金と受取手形が減少したことによるものです。一方、固定資産は2,388百万円と6.7%の増加となっており、中でも投資有価証券が大きく増加しています。
負債の部
負債の部では、流動負債が2,847百万円と前期末比10.0%減少しました。これは主に仕入れ代金の支払いに伴う支払手形及び買掛金の減少によるものです。一方で固定負債は196百万円と42.1%の増加となっており、繰延税金負債が増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金の増加により4,389百万円と前期末比6.1%増加しています。自己資本比率も59.0%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前年同期の10.0%から当期4.2%に低下しています。これは売上高と利益の減少により資産効率が低下したためです。一方でROE(自己資本利益率)は前年同期の13.8%から当期7.0%に低下しました。これは純利益の減少に加え、自己資本が増加したことによるものです。今後は収益性の改善が課題となっています。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが+103百万円と黒字となっています。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは-73百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは-60百万円となりました。全体としては現金及び現金同等物の期末残高は1,513百万円と前期末から19百万円減少しています。
配当の支払額
株式会社栄電子は、2023年6月に1株あたり12円の期末配当を実施しました。これは前期の7円から大幅に増額された配当となっています。一方で、直近の第3四半期までの配当は行われていません。今後の配当につきましては、業績動向や財務状況を勘案しながら判断される予定です。
今後の展望
株式会社栄電子は、半導体関連市場の需要減少の影響を受けつつも、新規事業の開拓やコスト管理の徹底により収益の確保に努める方針です。具体的には、IoTやセンサー関連製品の開発強化、海外も含めた新規取り扱いメーカーの拡大などに取り組んでいきます。また、DX戦略に基づく業務の効率化や人材育成にも注力し、持続的な成長を目指していきます。
編集部のまとめ
株式会社栄電子の2023年3月期第3四半期決算は減収減益となりましたが、利益面では一定の水準を維持しています。半導体関連市場の減速を背景に業績は変動しているものの、新事業の展開や業務効率化などに取り組み、収益性の改善を目指しています。配当については増額されており、株主還元にも注力しているといえます。今後の業績動向や成長戦略に注目が集まります。
株式会社栄電子の決算日や配当についてまとめました。
株式会社栄電子の決算日は3月31日で、3月期決算を行っています。配当については、2023年6月に1株当たり12円の期末配当を実施しました。この前年同期の7円から大幅に増額されており、株主還元に積極的な姿勢がうかがえます。今後も業績動向に合わせて適切な配当を行っていくと考えられます。