ハウス食品グループ本社株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。今期は前年同期比で増収増益と好調な業績を記録しており、国内の香辛・調味加工食品や健康食品、外食事業などが大きく伸長しました。
一方で、海外の中国カレー事業やタイ機能性飲料事業では苦戦が見られました。今後は新たな業態の開発や海外事業の収益力強化に取り組み、更なる企業価値の向上を目指していきます。
企業情報
企業名: ハウス食品グループ本社株式会社
証券コード: 28100
決算期: 3月期
ハウス食品グループ本社株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ハウス食品グループ本社株式会社の決算日は3月31日です。
年間の決算スケジュールとしては、4月上旬に第4四半期(通期)決算を発表し、6月下旬に株主総会を開催しています。
また、第1・第2・第3四半期の決算発表は、それぞれ8月上旬、11月上旬、2月上旬に行われます。
主な事業
ハウス食品グループ本社株式会社は、香辛・調味加工食品事業、健康食品事業、海外食品事業、外食事業、その他食品関連事業の5つのセグメントで事業を展開しています。
主力ブランド商品には、カレーや香辛料など「ハウスブランド」の製品や、健康機能性に着目した「ウコンの力」、外食事業の「カレーハウスCoCo壱番屋」などがあります。
国内外で幅広い事業を手掛け、グループシナジーを最大限に活かしながら、企業価値の向上に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
ハウス食品グループ本社株式会社の2023年12月期第3四半期累計期間の業績は、売上高が2,256億97百万円(前年同期比+9.7%)、経常利益が175億99百万円(同+13.2%)と増収増益となりました。
事業別の業績では、国内の香辛・調味加工食品、健康食品、外食事業などが好調だったものの、海外の中国カレー事業やタイ機能性飲料事業などが苦戦しました。
利益率は、売上高営業利益率が7.4%(前年同期比+1.0ポイント向上)と改善しており、収益性の向上が進んでいます。
売上・利益の推移
ハウス食品グループ本社株式会社の売上高と営業利益の推移は以下の通りです。
直近3年間では、主力の国内事業が堅調に推移し、2023年3月期は過去最高の売上高2,750億60百万円、営業利益183億円を記録しました。
一方で、海外事業の中国カレー事業やタイ機能性飲料事業では、新型コロナの影響などから一時的な業績低迷もありましたが、2023年12月期第3四半期では回復傾向にあります。
四半期連結貸借対照表について
ハウス食品グループ本社株式会社の2023年12月期第3四半期末の連結貸借対照表は以下の通りです。
総資産は4,286億33百万円と前期末比で317億23百万円増加しました。
負債は1,047億25百万円と前期末比で91億50百万円増加しました。
純資産は3,239億7百万円と前期末比で225億72百万円増加しました。自己資本比率は68.8%となっています。
資産の部
流動資産は1,697億73百万円と前期末比で148億48百万円増加しました。
固定資産は2,588億60百万円と前期末比で168億74百万円増加しました。主な増加要因は、建物及び構築物や投資有価証券の増加などです。
負債の部
流動負債は623億62百万円と前期末比で57億8百万円増加しました。
固定負債は423億63百万円と前期末比で34億43百万円増加しました。主な増加要因は、繰延税金負債の増加などです。
純資産の部
純資産は3,239億7百万円と前期末比で225億72百万円増加しました。
主な増加要因は、利益剰余金の増加やその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加などです。
この結果、自己資本比率は68.8%まで上がっています。
ROAとROE
ハウス食品グループ本社株式会社のROA(総資産経常利益率)は、前期4.6%から今期4.1%に低下しました。これは、総資産が増加したものの、経常利益の増加率が総資産の増加率を下回ったことが主な要因です。
一方で、ROE(自己資本当期純利益率)は、前期4.5%から今期5.0%に上昇しました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の増加率が自己資本の増加率を上回ったためです。
今後は更なる収益性の向上を目指し、ROAとROEの両指標の向上に努めていきます。
キャッシュフロー
ハウス食品グループ本社株式会社のキャッシュフローは以下の通りです。
営業活動によるキャッシュフローは211億円の収入となり、前年同期比で55億円の増加しました。これは主に、税金等調整前四半期純利益の増加によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは143億円の支出となり、前年同期比で48億円増加しました。これは、有形固定資産の取得による支出の増加などが主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローは51億円の支出となり、前年同期比で5億円の減少しました。
配当の支払額
ハウス食品グループ本社株式会社は、年2回の配当を行っています。
2023年6月27日開催の定時株主総会において、1株当たり23円の期末配当を決議しました。
また、2023年11月7日開催の取締役会において、1株当たり23円の中間配当を決議しています。
以上より、2023年3月期の年間配当は1株当たり46円となる予定です。
今後の展望
ハウス食品グループ本社株式会社は、国内事業のさらなる収益力向上と海外事業の育成に取り組んでいきます。
国内では、香辛・調味加工食品事業や健康食品事業での新製品の投入やブランディング強化、外食事業での新業態の開発などを進めます。
海外では、中国カレー事業やタイ機能性飲料事業での収益基盤の再構築や、米国豆腐事業の更なる拡大などに取り組んでいきます。
これらの施策を通じて、持続的な成長と収益性の向上を目指していきます。
編集部のまとめ
ハウス食品グループ本社株式会社は、2023年12月期第3四半期の決算で増収増益を達成し、順調な業績を維持しています。
国内事業は堅調に推移し、海外事業でも一部に課題はあるものの全体としては良好な状況にあります。
今後は、新製品開発や新業態の展開、海外事業の再構築などに取り組み、持続的な成長と収益力の向上を実現していくことが期待されます。
ハウス食品グループ本社株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ハウス食品グループ本社株式会社の決算日は3月31日で、年間の決算発表スケジュールは4月上旬の通期決算、6月下旬の株主総会、8月上旬・11月上旬・2月上旬の四半期決算となります。
配当については、中間配当と期末配当を年2回実施しており、2023年3月期は1株当たり46円の年間配当を行う予定です。
今後も積極的な事業投資と株主還元のバランスを取りながら、企業価値の向上に努めていくことが期待されます。