株式会社島精機製作所の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。同社は主に、横編機やデザインシステムなどの繊維機械を製造しているメーカーです。この四半期決算を分析してみましょう。
企業情報
企業名: 株式会社島精機製作所
証券コード: 62220
決算期: 2023年12月期
株式会社島精機製作所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社島精機製作所の決算日は3月31日です。そのため、今回発表されたのは2023年12月期第3四半期の決算となります。
主な事業
株式会社島精機製作所は、繊維機械の製造を主な事業としています。主力製品は、フルファッション横編機やデザインシステムなどです。ファッションブランドの生産性向上に貢献する製品を提供し、世界中の繊維産業を支えています。
今期の業績と利益率は?
今期第3四半期の売上高は262億82百万円と、前年同期比で2.1%減少しました。しかし、営業利益は7億58百万円と黒字に転換し、前年同期の営業損失から大きく改善しました。これは売上総利益率の向上や販管費の抑制などが功を奏したためです。
売上・利益の推移
会社の業績を見ていくと、売上高は前年同期比で2.1%減少しましたが、利益は大幅に改善されています。営業利益は前年同期の営業損失から黒字に転換し、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益も大きく伸びています。同社の収益力は着実に回復してきているといえるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、資産が前期末比で27億15百万円増加し1,037億55百万円となりました。主な要因は棚卸資産の増加です。一方、負債は3億24百万円減少し146億7百万円となっています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が188億円増加するなど、流動資産が大きく膨らみました。一方で有形固定資産は減少傾向にあります。全体としては資産が着実に積み上がっているといえるでしょう。
負債の部
負債の部では、買掛金や長期未払金が減少し、全体として負債が縮小しました。自己資本比率も前期末比で0.7ポイント上昇し85.9%となっています。
純資産の部
純資産は前期末比で30億円増加し、891億円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の積み上がりによるものです。財務体質は着実に強化されているといえるでしょう。
ROAとROE
同社のROAは前年同期の△0.4%から0.9%へと大きく改善しました。また、ROEも前年同期の△1.2%から1.1%へと回復しています。これは収益性の改善と財務体質の強化によるものと考えられます。今後さらなる収益力の向上が期待されます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが前年同期の△4.9億円から33.0億円と大幅に改善しています。これは棚卸資産の増加などによる支出減少が主な要因です。財務体質の強化に向けた取り組みが着実に成果を上げているといえるでしょう。
配当の支払額
同社は第2四半期と期末の年2回、配当を実施しています。2023年12月期第3四半期時点では、中間配当として1株当たり5円の配当を実施しました。前期と同水準の配当を継続していることから、業績回復基調を示しているといえるでしょう。
今後の展望
同社は2023年3月に中期経営計画「Ever Onward 2023」を発表しています。この計画では、ホールガーメント横編機の拡販やソリューションビジネスの強化などを通じて、持続可能な成長を目指すとしています。繊維産業のニーズに応える製品開発を続けることで、今後の業績回復が期待されます。
編集部のまとめ
株式会社島精機製作所の2023年12月期第3四半期決算は、収益性の改善と財務体質の強化が確認できる内容でした。足元では厳しい経営環境が続いていますが、同社は中期的な成長に向けた取り組みを着実に進めています。今後の業績推移に注目していきたいと思います。
株式会社島精機製作所の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、今回発表されたのは2023年12月期第3四半期の決算となります。同社は年2回の配当(中間配当と期末配当)を実施しており、今期第2四半期には1株当たり5円の中間配当を支払いました。業績回復基調にあるため、今後も安定的な配当が期待できるでしょう。