丸一鋼管株式会社の決算報告書が公開されました。鋼管の製造・販売を行う同社の、売上や利益の推移、財務状況を確認していきましょう。
企業情報
企業名: 丸一鋼管株式会社
証券コード: 54630
決算期: 2023年3月期
丸一鋼管株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
丸一鋼管株式会社の決算期は3月31日です。第3四半期決算は2023年12月31日が基準日となっています。
主な事業
丸一鋼管株式会社は、主に鋼管の製造および販売を行う企業です。具体的には、一般構造用鋼管、機械構造用鋼管、ステンレス鋼管、熱交換器用鋼管などを生産しており、国内外の建設、自動車、電機、機械メーカーなどに販売しています。日本国内のほか、北米やアジア地域にも事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高2,035億93百万円、経常利益306億37百万円と増収増益となりました。特に北米事業では、HRC価格の上昇によりスプレッドが改善され、大幅な増益となっています。一方、日本国内では建設関連の需要が低迷しており、単体の業績が減益となっています。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は2022年3月期が最高の344億16百万円でした。利益面では、経常利益は2023年3月期が最高の310億37百万円となっています。全体として堅調な業績推移となっており、一時的な需要減少を除いて、安定した収益基盤が築かれていると言えるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の四半期連結貸借対照表を確認すると、総資産は4,174億33百万円と前期末から242億67百万円増加しています。これは主に、現金及び預金の減少はあったものの、受取手形及び売掛金や投資有価証券が増加したことによります。
資産の部
流動資産は2,212億17百万円と前期末から38億40百万円増加しました。固定資産は1,962億16百万円と204億27百万円増加しています。固定資産の増加は主に有形固定資産と投資有価証券の増加によるものです。
負債の部
負債合計は679億54百万円と前期末から9億91百万円減少しています。この主な要因は、未払法人税等の減少と繰延税金負債の増加によるものです。
純資産の部
純資産は3,494億78百万円と前期末から252億58百万円増加しています。親会社株主に帰属する四半期純利益の獲得や為替換算調整勘定の増加などが主な要因です。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は第3四半期時点で6.7%と良好な水準を維持しています。一方、ROE(自己資本利益率)は12.5%と、前期末の11.6%から改善しており、株主価値の向上にも貢献しているといえるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは174億41百万円の収入となり、設備投資などの投資活動により241億46百万円の支出がありました。一方で、配当金の支払いなどの財務活動では110億10百万円の支出となっています。全体としては現金及び預金が54億38百万円減少しています。
配当の支払額
当期の配当金は、中間配当が1株当たり55円、期末配当は1株当たり69.50円を予定しており、年間では124.50円の配当を実施する見込みです。株主還元の充実にも取り組んでいます。
今後の展望
今後の経営環境は、米国の金融引締め長期化や中国経済の停滞など不透明感がありますが、丸一鋼管では自動車向けや半導体関連の需要が堅調に推移することを期待しています。一方で国内の建設需要の低迷に対しては、コストダウンやパイプ価格の転嫁など対策を講じていく考えです。第6次中期経営計画の最終年度として、更なる業績拡大に向けて注力していきます。
編集部のまとめ
丸一鋼管株式会社の決算は、北米や海外事業の好調な業績で増収増益を達成しました。国内需要の低迷はあるものの、全体としては堅調に推移しています。総資産は4,174億円を超え、自己資本比率も81.0%と健全な財務体質を維持しています。また、株主還元も充実しており、今後の成長が期待できる企業といえます。
丸一鋼管株式会社の決算日や配当についてまとめました。
丸一鋼管株式会社の決算日は3月31日、第3四半期決算は12月31日です。また、年間配当は124.50円を予定しており、株主還元の充実にも取り組んでいます。今後も業績拡大と健全な財務体質の維持に期待が高まる企業だと言えるでしょう。