黒田精工株式会社の2023年12月期第3四半期決算が公開されました。売上高は前年同期比18.5%減の13,437百万円となり、営業利益は563百万円、経常利益は604百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は322百万円と減益となりました。しかし、受注高は前年同期比19.3%減の13,991百万円と堅調に推移しており、今後の業績に期待が持てそうです。
企業情報
企業名: 黒田精工株式会社
証券コード: E02269
決算期: 3月
黒田精工株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
黒田精工株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算は2023年12月31日時点のものになります。決算スケジュールは、通常3月決算の企業と同様で、3月末が期末、6月に本決算、11月中旬に第2四半期決算、2月中旬に第3四半期決算を行っています。
主な事業
黒田精工株式会社は、駆動システム、金型システム、機工・計測システムの3つのセグメントで事業を展開しています。駆動システムでは半導体・液晶関連装置向けの商品を、金型システムでは自動車向けの金型を、機工・計測システムでは工作機械や減速機などの商品を提供しています。これらの事業を通して精密な機械を得意とする総合機械メーカーとして高い技術力を発揮しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が13,437百万円と前年同期比18.5%減となりました。利益面では営業利益563百万円、経常利益604百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益322百万円と、減益となっています。これは主に、半導体・液晶関連装置市場向けの受注低迷と、ドイツ現地法人の工場移転に伴う減益の影響によるものです。一方で、営業利益率は4.2%、経常利益率は4.5%と高水準を維持しており、厳しい環境下でも収益力は健在といえます。
売上・利益の推移
直近3年間の売上高及び各利益の推移を見ると、2022年3月期は売上高が過去最高の22,747百万円を記録しています。しかし、2023年3月期第3四半期累計では売上高が13,437百万円と減少しています。一方で、各利益については、2022年3月期が営業利益937百万円、経常利益937百万円、当期純利益816百万円と好業績でしたが、2023年3月期第3四半期では営業利益563百万円、経常利益604百万円、四半期純利益322百万円と減益となっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は26,726百万円となっています。前連結会計年度末から1,323百万円増加しています。これは主に、受取手形や売掛金、棚卸資産等の増加によるものです。一方、負債合計は15,388百万円で、前連結会計年度末から716百万円増加しました。長期借入金の増加が主な要因です。また、純資産は11,337百万円となっており、前連結会計年度末から607百万円増加しています。
資産の部
資産の部では、流動資産が14,717百万円となっており、前連結会計年度末から15百万円増加しています。受取手形や売掛金、棚卸資産などが増加したことが主な要因です。一方で、固定資産は12,009百万円と、前連結会計年度末から1,308百万円増加しています。有形固定資産の増加が大きな要因となっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が9,315百万円で、前連結会計年度末から307百万円減少しています。一方の固定負債は6,073百万円と、前連結会計年度末から1,023百万円増加しています。これは主に長期借入金の増加によるものです。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が8,606百万円、その他の包括利益累計額が2,497百万円となっており、前連結会計年度末からそれぞれ115百万円、472百万円増加しています。これにより、純資産合計は11,337百万円となっています。
ROAとROE
黒田精工株式会社のROA(総資産利益率)は、2022年3月期が3.2%、2023年3月期第3四半期では2.4%と減少傾向にあります。これは主に、売上高の減少や、ドイツ子会社の業績悪化などによる利益の減少が影響しています。一方、ROE(自己資本利益率)は、2022年3月期が7.6%、2023年3月期第3四半期では2.8%と低下しています。これは、利益の減少に加えて、株主資本が増加したことが影響しています。今後は、収益力の向上とともに資本効率の改善が課題だと言えるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は公表されていませんが、前年同期のキャッシュ・フローを見ると、営業キャッシュ・フローは1,300百万円のプラスとなっており、投資キャッシュ・フローが△541百万円、財務キャッシュ・フローが△320百万円となっています。これにより、現金及び現金同等物の期末残高は4,013百万円と、前期末から448百万円増加しています。今後の投資や設備更新、借入の返済など、財務体質の維持・強化にキャッシュ・フローが活用されると考えられます。
配当の支払額
黒田精工株式会社の配当については、2022年6月の定時株主総会において、1株当たり40円の期末配当が決議されました。また、2023年3月期第3四半期の時点で、1株当たり40円の中間配当も実施しています。これにより、年間での1株当たり配当金は80円となる見込みです。株主還元に対する同社の姿勢は堅調であり、安定的な配当政策を実施していると評価できます。
今後の展望
黒田精工株式会社は、半導体・液晶関連装置市場の低迷が続いているものの、車載用モーター向け金型の受注は好調に推移しています。また、自社製品の競争力強化や生産性向上、海外事業の収益改善にも注力しています。これらの取り組みにより、中長期的な業績回復と収益力の向上が期待されると考えられます。加えて、同社は産業用ロボット分野への参入など、新しい分野での事業拡大にも注力しており、今後の成長性にも期待が高まっています。
編集部のまとめ
黒田精工株式会社は、半導体・液晶関連装置市場の低迷により減収減益となりましたが、車載用モーター向け金型の好調な受注や、生産性向上、海外事業の収益改善などに取り組んでおり、中長期的な成長が期待される企業といえます。また、安定的な配当政策も評価できます。今後は、新分野への参入などにも注目が集まりそうですね。
黒田精工株式会社の決算日や配当についてまとめました。
黒田精工株式会社の決算期は3月で、第3四半期決算は2023年12月31日時点のものです。配当については、1株当たり年間80円(中間40円、期末40円)の配当を実施する予定となっています。同社は、精密機械メーカーとして確固たる地位を築いており、今後も安定的な成長が期待されます。