三菱倉庫株式会社の2023年度第3四半期決算が発表されました。物流事業では海上運賃の下落や貨物取扱量の減少により収益が減少しましたが、不動産事業では増収増益となりました。全体では前年同期比減収となりましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益は増加しました。決算内容の詳細をお伝えしていきます。
企業情報
企業名: 三菱倉庫株式会社
証券コード: 93010
決算期: 2023年度第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)
三菱倉庫株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三菱倉庫株式会社の決算日は3月31日です。今回の決算は2023年度第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の決算になります。
主な事業
三菱倉庫株式会社は、物流事業と不動産事業を主な事業としています。物流事業では、倉庫保管、陸上運送、港湾運送、国際運送取扱などのサービスを提供しています。不動産事業では、不動産賃貸、マンション販売などを手がけています。グループ企業を通じて、日本のみならず海外でも事業展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の営業収益は1,924億円で、前年同期比で17.0%減となりました。一方、営業利益は157億円で、前年同期比で12.9%減となりました。営業利益率は8.2%と前年同期から0.7ポイント低下しています。
売上・利益の推移
三菱倉庫の売上と利益の推移を見ると、物流事業が減収減益となる一方、不動産事業が増収増益となっています。全体としては前年同期比で減収減益となりましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比14.0%増の245億円となりました。
四半期連結貸借対照表について
三菱倉庫の当第3四半期連結会計期間末の総資産は、6,344億円と前期末比で607億円増加しています。これは主に、のれんの増加や投資有価証券の増加によるものです。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が549億円と前期末より73億円減少しましたが、のれんが219億円と大幅に増加しています。また、投資有価証券が1,761億円と前期末比で318億円増加しました。
負債の部
負債の部では、借入金が764億円と前期末より119億円増加しています。また、繰延税金負債が437億円と前期末比で66億円増加しました。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が2,696億円と前期末より169億円増加しました。また、その他有価証券評価差額金が808億円と前期末比で160億円増加しています。
ROAとROE
三菱倉庫のROA(総資産利益率)は4.1%、ROE(自己資本利益率)は8.1%となっています。前年同期と比べて、ROAは0.4ポイント低下、ROEは0.7ポイント低下しています。これは、営業収益の減少や資産が増加したことが主な要因です。
キャッシュフロー
三菱倉庫の当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが250億円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが299億円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが35億円の減少となりました。全体では73億円の減少となり、現金及び現金同等物の四半期末残高は549億円となっています。
配当の支払額
三菱倉庫は、2023年6月29日の定時株主総会決議および2023年10月31日の取締役会決議に基づき、1株当たり99円の配当を実施しています。この結果、当第3四半期連結累計期間の配当金総額は76億円となりました。
今後の展望
三菱倉庫は、中期経営計画『MLC2030ビジョン』に基づき、グローバル物流事業の強化や不動産事業の収益力向上に取り組んでいます。特に、医療・ヘルスケア分野での成長や、米国・欧州での事業拡大に注力していく方針です。また、DXの推進や生産性向上にも力を入れることで、更なる業績向上を目指していきます。
編集部のまとめ
三菱倉庫の2023年度第3四半期決算は、物流事業が減収減益となったものの、不動産事業が増収増益となったことで、全体としては減収ながら増益となりました。キャッシュ・フロー、ROA、ROEなどの経営指標も概ね良好な水準を維持しており、事業ポートフォリオの強みが発揮されていると言えるでしょう。今後は医療・ヘルスケア分野での成長や海外事業の拡大などに期待が高まっています。
三菱倉庫株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三菱倉庫の決算日は3月31日で、今回の決算は2023年度第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)の決算となります。配当については、1株当たり99円の配当を実施しており、配当総額は76億円となっています。今後も安定的な配当を実施していくことが期待されます。