株式投資をしていると「配当金」という楽しみがありますが、その受け取り方によっては税金の扱いが大きく変わることをご存じでしょうか。特に楽天証券を利用している方は、「株式数比例配分方式」という受取方法を正しく設定しているかどうかで、NISA口座のメリットを十分に活かせるかが変わってきます。
- 配当金の受取方法には複数の種類があり、証券口座で受け取る方式を選ぶ必要がある
- NISA口座で配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」の選択が必須
- 一度この方式を選ぶと、他の証券会社で保有する銘柄にも適用が及ぶ
- 設定状況はログイン後のマイページから確認・変更できる
- 変更には反映までに数営業日かかる点に注意する
株式数比例配分方式とはどのような仕組みか
株式数比例配分方式とは、保有している上場株式等の配当金を、その株式を預けている証券会社の取引口座に直接入金してもらう受取方法のことです。複数の証券会社で同じ銘柄を分散して保有している場合も、それぞれの口座の保有株数に応じて配当金が振り分けられる仕組みになっています。
ポイント:株式数比例配分方式では、配当金が銀行口座ではなく証券口座に入金されます。受け取った配当金はそのまま再投資にも使いやすいという特徴があります。
もともと配当金の受取方法には、郵便局などの窓口で領収証を提示して受け取る「配当金領収証方式」が従来からありましたが、近年はオンライン取引の広がりとともに証券口座で受け取る方式が主流になっています。楽天証券のような大手オンライン証券会社では、口座開設時やその後の設定変更によって、この株式数比例配分方式を選択できるようになっています。
なぜNISA口座では株式数比例配分方式が重要なのか
NISA(少額投資非課税制度)口座で購入した上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、株式数比例配分方式を選択していることが条件になります。これはNISA制度そのものの仕組みに関わる重要なポイントです。
注意点:株式数比例配分方式以外の受取方法(登録配当金受領口座方式や配当金領収証方式など)を選んでいる場合、NISA口座で購入した株式であっても配当金に約20.315%の税金が課税される可能性があります。
つまり、NISA口座を開設して非課税の恩恵を受けているつもりでも、配当金の受取方法の設定を誤っていると、せっかくの非課税メリットが配当金の部分だけ失われてしまうということです。株式の売却益(譲渡益)は口座の種類によって非課税が適用されますが、配当金については受取方法の設定が別途必要になるという点を押さえておきましょう。
覚えておきたいこと:NISAで投資を始めたタイミングで配当金の受取方法も必ずセットで確認しておくと、後から「非課税のはずなのに税金が引かれていた」という事態を防げます。
配当金の受取方法にはどんな種類があるのか
配当金の受取方法は、証券会社によって多少の違いはあるものの、おおむね次の4種類に分類されます。それぞれの特徴を整理してみましょう。
| 受取方法 | 受取先 | NISAの非課税 |
|---|---|---|
| 株式数比例配分方式 | 証券口座 | 対象になる |
| 登録配当金受領口座方式 | 指定した銀行口座(全銘柄共通) | 対象外 |
| 個別銘柄指定方式 | 銘柄ごとに指定した銀行口座 | 対象外 |
| 配当金領収証方式 | 郵便局等の窓口 | 対象外 |
このように、4つの方式のうち非課税の対象になるのは株式数比例配分方式のみです。登録配当金受領口座方式は、保有しているすべての銘柄の配当金を一つの銀行口座にまとめて受け取れるため、生活資金として配当金を活用したい人には使いやすい方法ですが、NISA口座を利用している場合はその恩恵を受けられなくなってしまいます。
補足:個別銘柄指定方式は、発行会社ごとに受け取る銀行口座を細かく分けたい人向けの方式です。管理の手間は増えますが、資金の使い分けをしたい人には選ばれています。
一つの方式を選ぶと他の証券会社の保有分にも影響する
ここで押さえておきたいのが、株式数比例配分方式や登録配当金受領口座方式は、一つの証券会社で申込むと他の証券会社で保有している同じ株式にも適用されるという点です。複数の証券会社を使い分けている人は、この仕組みを知らないと「別の証券会社では設定していないのに、いつの間にか方式が変わっている」と感じることがあります。
ポイント:複数の証券会社で株式投資をしている場合は、どの証券会社で株式数比例配分方式を申込んだかにかかわらず、保有しているすべての上場株式等に同じ方式が適用されるという前提で管理しましょう。
また、信託銀行の特別口座で管理されている株式が含まれている場合や、株式数比例配分方式の取り扱いを行っていない証券会社で保有している株式がある場合は、申込みをしていてもその銘柄には方式が適用されないことがあります。保有している銘柄がどの口座形態で管理されているかも、合わせて確認しておくと安心です。
楽天証券で設定状況を確認する手順
楽天証券では、配当金の受取方法として「証券口座でのお受け取り(株式数比例配分方式)」「銀行口座等でのお受け取り(登録配当金受領口座方式)」「郵便局等でのお受け取り(配当金領収証方式)」の中から選択できる仕組みになっています。現在の設定状況を確認したい場合は、次のような流れで進めます。
確認の流れ:ログイン後、マイページの「お客様情報の設定・変更」から、国内株式に関する「配当金受取方法」の項目を開くと、現在選択している方式が表示されます。
- 楽天証券にログインする
- マイメニューから「お客様情報の設定・変更」を開く
- 国内株式の「配当金受取方法」欄を確認する
- 「株式数比例配分方式」になっているかをチェックする
- 異なる方式になっている場合は、変更の申込みを行う
画面の構成は時期によって変わることがあるため、メニューの名称が多少異なっている場合もありますが、基本的には「お客様情報」や「各商品に関する設定」といったカテゴリの中に配当金受取方法の設定項目が用意されています。見当たらない場合は、口座管理に関するメニュー全体を確認してみるとよいでしょう。
注意点:設定変更を申込んだ場合、即日反映されるわけではなく、申込みのタイミングによっては反映まで数営業日かかります。配当金の受取予定がある場合は、余裕を持って早めに確認・変更しておくことをおすすめします。
設定を変更する際に気をつけたいこと
配当金の受取方法を変更する際には、いくつか注意しておきたい点があります。まず、株式数比例配分方式や登録配当金受領口座方式から、個別銘柄指定方式へ変更する申込みを受け付けていないケースがあることです。方式間の移行にはルールがあるため、変更を検討する際は事前にどの方式からどの方式へ変更可能なのかを確認しておくと安心です。
補足:方式の組み合わせによっては併用できないものもあります。複数の受取方法を同時に使い分けることはできない点も覚えておきましょう。
また、配当金を証券口座で受け取ったあと、生活資金として銀行口座に移したいという場合は、証券口座から銀行口座への自動振替サービスを併用する方法もあります。楽天証券では、配当金を証券口座で受け取りつつ、必要に応じて銀行口座と連携した資金管理を行う仕組みが用意されているため、株式数比例配分方式を選んだままでも資金の使い勝手を確保しやすくなっています。
ポイント:株式数比例配分方式を選んでいても、受け取った配当金を銀行口座に移す仕組みを別途活用すれば、資金の流動性を保ちながら非課税のメリットも享受できます。
投資信託の分配金は別の仕組みであることにも注意
株式数比例配分方式はあくまで上場株式等の配当金に関する受取方法です。投資信託の分配金については、これとは別に「分配金自動振込みサービス」のような仕組みが用意されていることが一般的で、銘柄(ファンド)ごとに設定する形になっています。
補足:株式の配当金と投資信託の分配金は制度上の扱いが異なります。両方を保有している場合は、それぞれの受取方法を別々に確認しておくと、意図しない課税を避けやすくなります。
よくある質問
Q. 口座開設時に自動的に株式数比例配分方式になっているのでしょうか。
証券会社や口座開設のタイミングによって初期設定は異なるとされています。思い込みで判断せず、実際にマイページで現在の設定を確認することが大切です。
Q. NISA口座だけ株式数比例配分方式にして、課税口座は別の方式にできますか。
受取方法は口座ごとではなく、保有銘柄全体に対して適用される仕組みになっているため、NISA口座と課税口座を分けて別々の方式を設定することは基本的にできません。
Q. 設定を変更したら、いつから新しい方式が適用されますか。
申込みのタイミングによって異なりますが、一定の営業日を経て、その後に受け取る配当金から新しい方式が適用される仕組みになっているのが一般的です。配当の受取予定がある場合は早めの確認が安心です。
まとめ
株式数比例配分方式は、配当金を証券口座で受け取る仕組みであり、NISA口座で購入した上場株式等の配当金を非課税にするために欠かせない設定です。登録配当金受領口座方式や個別銘柄指定方式、配当金領収証方式といった他の受取方法を選んでいると、NISA口座の株式であっても配当金に税金がかかってしまう可能性があるため、自分の設定がどうなっているかを一度確認しておくことが大切です。確認はログイン後のマイページから手軽に行えるため、まだチェックしたことがない方は、この機会に設定状況を見直してみるとよいでしょう。
楽天証券の株式数比例配分方式|配当金受取設定の確認方法をまとめました
楽天証券で株式投資をしている方にとって、株式数比例配分方式は配当金の受取先を決めるだけでなく、NISA口座の非課税メリットを最大限に活かすための重要な設定です。マイページから現在の設定を確認し、必要に応じて変更することで、知らないうちに配当金へ税金がかかってしまう事態を防ぐことができます。複数の証券会社を利用している場合は、一つの証券会社での申込みが他の証券会社の保有分にも及ぶ点にも注意しながら、自分の資産状況に合った受取方法を選んでいきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、金融アドバイスではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。





















