旭ダイヤモンド工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。この企業は、ダイヤモンド工具の製造・販売を手掛ける老舗企業です。今期の業績は、電子・半導体や機械業界の需要が低迷しましたが、輸送機器業界での好調な売上が支えとなっています。また、パワー半導体用工具の需要増加に対し、工場の増産体制を構築するなど、着実に成長路線を歩んでいる企業だと感じました。
企業情報
企業名: 旭ダイヤモンド工業株式会社
証券コード: 61400
決算期: 3月期
旭ダイヤモンド工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
旭ダイヤモンド工業の決算は3月期です。第3四半期決算は2023年12月31日が基準日となります。
主な事業
旭ダイヤモンド工業は、ダイヤモンド工具の製造・販売を主な事業としています。電子・半導体、輸送機器、機械、石材・建設など、幅広い分野の顧客に工具を提供しています。特に、パワー半導体用の工具の需要が増えており、同社の成長を牽引しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は28,985百万円と前年同期比で2.5%の減収となりました。一方で営業利益は1,063百万円と54.0%の大幅な減益となりました。こうした業績の減少要因は、電子・半導体や機械業界の需要低迷によるものです。ただし、輸送機器業界では自動車のEV化の影響もあり、堅調に推移しています。
売上・利益の推移
最近3年間の売上高は39,320百万円、28,985百万円、29,717百万円と推移しています。利益面では、経常利益が5,367百万円、1,800百万円、3,030百万円と変動が大きくなっています。パワー半導体工具の需要増などにより、今後の業績改善が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は73,080百万円と前期末比1,097百万円減少しました。負債は10,044百万円と1,250百万円減少し、純資産は63,035百万円と153百万円増加しました。自己資本比率は83.8%と健全な財務体質を維持しています。
資産の部
流動資産は32,363百万円と前期末比1,938百万円減少しました。現金及び預金の減少が主な要因です。固定資産は40,716百万円と840百万円増加し、有形固定資産の増加などが寄与しています。
負債の部
流動負債は5,878百万円と623百万円増加しました。固定負債は4,165百万円と1,873百万円減少しており、退職給付に係る負債の減少が主な要因です。
純資産の部
利益剰余金は43,428百万円と1,620百万円減少しましたが、その他の包括利益累計額が6,846百万円と1,705百万円増加しました。これにより、純資産は63,035百万円となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前期の7.2%から当期2.9%に低下しました。一方でROE(自己資本利益率)は前期の8.0%から当期2.6%に低下しています。これは売上減少と利益率の悪化が主な要因です。今後の業績回復に期待が高まります。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は、営業活動で3,468百万円のキャッシュを獲得しましたが、投資活動で3,305百万円のキャッシュを使用し、財務活動で2,360百万円のキャッシュを使用しました。全体として4,207百万円のキャッシュが減少しています。
配当の支払額
当期の配当金は、中間配当が15円、期末配当が未定となっています。前期は年間26円の配当を実施しており、今期も安定的な配当が期待されます。
今後の展望
今後の見通しとしては、電子・半導体や機械業界の需要回復が遅れる一方、輸送機器業界での堅調な需要が続くことが予想されます。また、パワー半導体用工具の需要増に対応するため、同社は工場の増産体制を構築しています。こうした取り組みにより、今後の業績回復が期待できます。
編集部のまとめ
旭ダイヤモンド工業は業界の動向に左右されやすい企業ですが、パワー半導体工具の需要増加や輸送機器業界の好調さに支えられ、中長期的には安定した業績が期待できる企業だと評価しました。また、財務面でも堅実な経営が続いていることから、今後の配当も安定的に推移するものと考えられます。
旭ダイヤモンド工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
旭ダイヤモンド工業の決算は3月期で、第3四半期決算の基準日は2023年12月31日です。配当は中間配当が15円で、期末配当は未定となっています。総じて同社は、外部環境の変化に柔軟に対応しながら、業績の安定化と収益性の向上に努めている企業だと評価できます。