中部鋼鈑株式会社の最新決算報告書が公開されました。同社は鉄鋼関連事業を中心に、レンタル事業や物流事業、エンジニアリング事業などを展開する多角化経営を行っている企業です。今期の業績は減収減益となったものの、財務体質は引き続き健全に推移していることが分かりました。今後の事業展開にも注目が集まっています。
企業情報
企業名: 中部鋼鈑株式会社
証券コード: 54610
決算期: 2024年3月期
中部鋼鈑株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
中部鋼鈑株式会社の決算期は3月期です。具体的な決算スケジュールは、第1四半期決算発表が8月、中間決算発表が11月、第3四半期決算発表が2月、そして本決算発表が6月となっています。
主な事業
中部鋼鈑株式会社は、鉄鋼関連事業を中心に、レンタル事業、物流事業、エンジニアリング事業の4つの事業を展開しています。鉄鋼関連事業では、主に厚板の製造・販売を行っています。レンタル事業では、厨房用グリスフィルターや広告看板のレンタルサービスを提供しています。物流事業では危険物倉庫の運営を、エンジニアリング事業では金属加工などの受託を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、減収減益となりました。売上高は504億38百万円と前年同期比76億27百万円の減収、経常利益は74億72百万円と前年同期比17億85百万円の減益でした。一方で、利益率は15%前後を維持しており、引き続き高い収益性を示しています。
売上・利益の推移
直近の業績推移をみると、売上高は763億20百万円と高水準を維持しています。一方で、利益面では経常利益が123億28百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が85億77百万円と前年同期を下回っています。これは製品販売数量の減少や原材料価格上昇の影響が大きかったためです。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の財政状態を見ると、資産合計が898億11百万円と前期末から17億15百万円増加しました。一方、負債合計は141億14百万円と前期末から2億61百万円減少しています。これにより、純資産は756億96百万円と前期末から19億76百万円増加し、自己資本比率は83.5%と高水準を維持しています。
資産の部
流動資産は580億54百万円で前期末より25億19百万円減少しました。これは主に、有価証券や仕掛品の減少によるものです。一方、固定資産は317億56百万円と前期末より42億35百万円増加しました。これは投資有価証券の増加などが要因です。
負債の部
流動負債は130億38百万円と前期末より2億89百万円減少しました。これは未払法人税等の減少が主な要因です。一方、固定負債は10億76百万円と前期末より28百万円増加しました。
純資産の部
純資産合計は756億96百万円と前期末より19億76百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。自己資本比率も83.5%と高水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は前年同期の10.7%から8.3%に低下しましたが、依然として高い水準にあります。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は前年同期の13.0%から9.6%に低下しました。これは販売数量の減少や原材料価格上昇の影響を受けたことによるものです。今後の業績回復に期待が寄せられています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は明らかではありませんが、前期の状況をみると、営業活動によるキャッシュ・フローは132億円のプラスで、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス65億円、財務活動によるキャッシュ・フローはマイナス58億円となっています。財務体質の健全性が確認できます。
配当の支払額
中部鋼鈑株式会社は、株主への利益還元を重要な経営課題の1つと位置付けており、安定配当の実施に努めています。当期は6月に1株84円、12月に1株30円の配当を行い、年間では114円の配当を予定しています。配当性向は30%前後を目安としており、株主還元も重視しています。
今後の展望
中部鋼鈑株式会社は、21中期経営計画の最終年度を迎えています。現在、次期中期経営計画の策定に取り組んでおり、主力の鉄鋼関連事業の収益改善と成長分野への経営資源の集中などに力を入れる方針です。また、環境対応力の強化やDX推進など、ESG経営の推進にも注力していきます。これらの取り組みにより、中長期的な企業価値の向上を目指しています。
編集部のまとめ
中部鋼鈑株式会社は、主力の鉄鋼関連事業を中心に、レンタル事業や物流事業など多角化を進めている企業です。当期の業績は減収減益となったものの、財務体質は引き続き健全に推移しており、中期的な成長への期待が高まっています。今後の事業展開や株主還元の動向にも注目が集まっています。
中部鋼鈑株式会社の決算日や配当についてまとめました。
中部鋼鈑株式会社の決算期は3月期で、第1四半期が8月、中間決算が11月、第3四半期が2月、そして本決算が6月となっています。配当は年2回(6月と12月)実施しており、当期の年間配当は1株当たり114円を予定しています。安定配当を目指し、株主還元も重視している企業であることがわかりました。