イオンモールの四半期決算報告が公開されましたので、主な内容をまとめてご紹介します。営業収益は前年同期比106.5%の3,138億円と増収過去最高を達成しました。また、営業利益は前年同期比105.1%の341億円、経常利益は前年同期比102.2%の272億円となり、いずれも増益となりました。特に、中国やベトナムの海外事業の成長が牽引したようです。
企業情報
企業名: イオンモール株式会社
証券コード: 89050
決算期: 2023年3月1日~2024年2月29日
イオンモール株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
イオンモール株式会社の決算期は3月~翌年2月末までの1年間です。この四半期決算報告書は、2023年3月1日~2023年11月30日までの9ヶ月間の業績を示したものとなります。
主な事業
イオンモール株式会社は、国内外でショッピングモールの開発・運営を手がけるディベロッパーです。「お客さま第一」の理念のもと、地域に密着したモールづくりを行い、地域社会の発展に貢献しています。国内では91ヶ所、海外では中国、ベトナム、カンボジア、インドネシアなどに約30ヶ所のモールを展開しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、営業収益3,138億円(前年同期比106.5%増)、営業利益341億円(同105.1%増)、経常利益272億円(同102.2%増)と増収増益となりました。営業利益率は10.9%と前年同期の11.0%から若干低下しましたが、依然二桁の高水準を維持しています。
売上・利益の推移
イオンモールは過去数年にわたり、売上高は概ね3,800億円前後で推移しています。一方で、経常利益は2022年2月期の364億円から2023年2月期は364億円と横ばいで、2023年11月期は272億円まで減少しています。新型コロナの影響から回復しつつあるものの、まだ完全には戻っていない状況といえます。
四半期連結貸借対照表について
イオンモールの四半期連結貸借対照表をみてみると、総資産は前期末比855億円増加の1兆6,451億円となっています。主な増加要因は、有形固定資産の増加によるものです。一方、負債は同431億円増加の1兆1,510億円となり、リース債務やコマーシャル・ペーパーの増加が主な要因です。
資産の部
資産の部では、有形固定資産が851億円増加して1兆3,419億円となっています。これは新規出店や既存店の活性化投資などによるものです。また、関係会社預け金が250億円減少した一方で、為替換算の影響もあり資産全体として増加しています。
負債の部
負債の部では、リース債務が333億円増加し、コマーシャル・ペーパーが280億円増加しています。一方で、社債が300億円減少しています。これらの変動により、負債全体としても増加しています。
純資産の部
純資産は前期末比424億円増加し4,941億円となりました。利益剰余金が33億円増加したほか、為替換算調整勘定が375億円増加したことが主な要因です。自己資本比率は29.3%と前期から0.3ポイント上昇しています。
ROAとROE
イオンモールのROA(総資産利益率)は直近では4.5%となっています。一方で、ROE(自己資本利益率)は直近で12.0%となっております。両指標ともに同業他社と比べても高水準にあるといえます。今後は、資産効率の向上とともに自己資本利益率の維持・向上に取り組んでいくことが課題といえます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは820億円の収入となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは963億円の支出となっており、主に有形固定資産の取得によるものです。これらの結果、現金及び現金同等物は前期末比299億円減少し、711億円となっています。
配当の支払額
イオンモールは年2回の配当を行っており、1株当たりの配当金は年間50円となっています。当第3四半期連結累計期間では、113億円の配当金を支払っています。安定した配当政策を維持しています。
今後の展望
イオンモールは中期経営計画において、2025年度末までに連結営業利益850億円超、グローバル商業ディベロッパートップクラスを目指すとしています。具体的には、国内外における事業成長と経営効率化に取り組むとしています。特に海外事業の拡大に力を入れ、ベトナムを中心とした新規出店を加速する方針です。
編集部のまとめ
イオンモールの当四半期の業績は増収増益となり、前期を上回る好調な結果となりました。海外事業が順調に推移していることが主な要因です。一方で、国内事業についても、コロナ禍の影響から徐々に回復しつつあります。今後の成長戦略として、海外展開の加速と国内での経営効率化に取り組むことで、中長期的な企業価値の向上に期待が持てそうです。
イオンモール株式会社の決算日や配当についてまとめました。
イオンモールの決算期は3月から翌年2月末までの1年間です。年2回の配当を実施しており、1株当たりの年間配当金は50円となっています。今回の四半期決算では、営業利益が前年同期比で5.1%増加するなど好調な業績となりました。今後さらなる成長を遂げていくことが期待されます。