乾汽船株式会社の2023年12月期第3四半期の決算報告がリリースされました。売上高は前年同期比38.8%減収の22,080百万円、経常利益も90.4%減益の1,243百万円となりました。業績は厳しい状況でしたが、不動産事業は好調を維持し、全体としては堅実な経営を続けています。今後も中長期的な企業価値向上に努めていくことが期待されます。
企業情報
企業名: 乾汽船株式会社
証券コード: 93080
決算期: 2023年12月期
乾汽船株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
乾汽船株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算期間は2023年10月1日から2023年12月31日までとなっています。
主な事業
乾汽船株式会社は、外航海運事業、倉庫・運送事業、不動産事業の3つを主要な事業としています。外航海運事業では、ハンディ船を中心とした海上輸送サービスを提供しています。倉庫・運送事業では、文書保管や引越サービスなどのロジスティクスサービスを手がけています。不動産事業では、東京都心部を中心に賃貸オフィスビルやマンションの開発・運営を行っています。
今期の業績と利益率は?
今期の業績は厳しい状況でした。売上高が前年同期比38.8%減の22,080百万円、経常利益が90.4%減の1,243百万円となりました。外航海運事業の低迷が影響しましたが、不動産事業では安定した収益を確保しています。営業利益率は5.3%と低水準ながら、全体としては収支が健全な水準を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、2022年3月期は36,068百万円の売上高と12,947百万円の経常利益を記録しました。2023年3月期は売上高が22,080百万円、経常利益が1,243百万円と大幅に減少しています。この背景には、外航海運事業の市況低迷が影響しているものと考えられます。ただし、不動産事業は好調を維持しており、今後の収益改善が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表では、総資産が64,877百万円となっています。前期末比では4,695百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金の減少によるものです。一方、負債は34,356百万円と前期末比1,156百万円減少しています。自己資本比率は47.0%と、引き続き健全な財務基盤を維持しています。
資産の部
資産の部では、有形固定資産が39,245百万円と全体の6割近くを占めています。主な内訳は船舶や不動産等の保有資産です。また、投資その他の資産が5,496百万円と、投資有価証券などの保有資産も一定規模を維持しています。
負債の部
負債の部では、長期借入金が17,715百万円と最も大きな割合を占めています。また、営業未払金が1,616百万円、受入保証金が1,454百万円となっています。全体として安定的な資金調達を行っています。
純資産の部
純資産の部では、資本金が2,767百万円、利益剰余金が16,334百万円となっています。自己資本比率は47.0%と、前期末の49.0%から若干低下しているものの、健全な水準を維持しています。
ROAとROE
ROA(総資産経常利益率)は、前期の18.8%から当期は1.9%に大幅に低下しています。これは、外航海運事業の不振による経常利益の減少が主な要因です。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は前期の28.3%から当期は2.5%に低下しています。これも経常利益の減少が影響しています。今後は外航海運事業の回復と、不動産事業の安定収益により、収益性の向上が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動により610百万円の資金が使用され、投資活動では3,239百万円、財務活動では3,774百万円の資金が使用されました。その結果、現金及び現金同等物の残高は13,347百万円となっています。今後も設備投資や配当金支払いなど、資金需要は一定程度見込まれます。
配当の支払額
当期の配当については、年間配当金は181円00銭を予定しています。中間配当は3円00銭、期末配当は178円00銭となります。前期の年間配当金224円00銭から若干減少しましたが、安定配当の維持に努めています。企業の成長と株主還元のバランスを取りながら、配当政策を検討していくことが重要です。
今後の展望
外航海運事場の市況低迷は一時的なものと見られ、中長期的には需要回復が期待されます。また、不動産事業の安定的な収益も見込めます。そのため、今後数年で業績の回復が予想されています。一方で、インフレ圧力や金融引締め懸念など、不透明な経済環境も注視する必要があります。全体として、収益力の向上と財務基盤の強化により、持続的な成長が期待される企業といえます。
編集部のまとめ
乾汽船株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、外航海運事業の低迷により減収減益となりましたが、不動産事業の好調が下支えとなっています。今後は外航海運事業の回復と不動産事業の安定収益により、収益力の向上が期待されます。引き続き、財務基盤の強化と株主還元の充実に努めていく方針のようです。中長期的には、企業価値の向上が見込まれる銘柄と言えるでしょう。
乾汽船株式会社の決算日や配当についてまとめました。
乾汽船株式会社の決算日は3月31日です。2023年12月期の年間配当金は181円00銭を予定しています。中間配当が3円00銭、期末配当が178円00銭となります。企業の成長と株主還元のバランスを取りながら、安定的な配当政策を維持していく方針のようです。今後も同社の動向に注目していく必要があるでしょう。