アオイ電子株式会社の決算報告は、電子部品業界の一角を担う注目企業の動向を知るうえで興味深いものでした。今期の売上高は前年同期比で減少したものの、利益率改善に向けた取り組みが着実に成果を上げてきたことが分かります。また、堅固な財務基盤を維持しつつ、将来の成長に向けた設備投資を続けていることも評価できます。
今後はグローバル競争に勝ち抜くため、更なる技術革新と事業領域の拡大に期待が寄せられています。
企業情報
企業名: アオイ電子株式会社
証券コード: 68320
決算期: 2023年3月期
アオイ電子株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
アオイ電子株式会社の決算は、3月31日を期末日とする年1回の決算となっています。四半期決算においては、6月30日、9月30日、12月31日、3月31日を期末日としています。
主な事業
アオイ電子株式会社は、集積回路やサーマルプリントヘッドなどの電子部品の製造・販売を主な事業としています。電子機器業界に幅広く製品を提供しており、特に携帯情報端末向けの集積回路が主力商品となっています。同社は国内外の有力企業に製品を供給し、高い技術力と品質管理で競争優位性を確立しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は25,518百万円と前年同期比で13.1%減少しました。一方で、原材料価格高騰などの影響により営業利益が942百万円の損失となりましたが、為替差益などにより経常損失は797百万円にとどまりました。利益率は低下しているものの、財務体質は健全に維持できています。
売上・利益の推移
最近3年間の売上高は37,231百万円、29,355百万円、25,518百万円と減少傾向にあります。一方、利益面では前年度まで増益基調で推移していましたが、当期は経常損失に陥っています。収益力の回復が課題となっています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は56,451百万円で、前期末比で917百万円減少しました。一方、負債は7,354百万円と前期末比で523百万円増加しています。自己資本比率は86.97%と高水準を維持しており、財務基盤は健全です。
資産の部
現金及び預金は減少しましたが、建物や機械装置などの有形固定資産が増加しています。また、投資有価証券も拡大しており、長期的な事業展開に向けた投資が進められています。
負債の部
短期借入金や長期借入金などの有利子負債が増加しています。しかし、これらは設備投資に充当されているため、財務の健全性は保たれています。
純資産の部
利益剰余金が減少したものの、自己株式や為替換算調整勘定が増加し、全体としての純資産は49,097百万円を確保しています。
ROAとROE
当期のROAは前年同期の4.4%から-1.2%に、ROEは前年同期の1.7%から-1.6%に低下しています。業績悪化による自己資本利益率の低下が見られるものの、高い自己資本比率を維持しているため、財務の健全性は確保されています。今後は収益性の改善に取り組む必要があります。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは減少しましたが、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資に充当されているため、全体としての財務体質は安定しています。手許流動性も高水準を維持しており、事業展開の柔軟性が確保されています。
配当の支払額
当期の年間配当金は54円を予定しており、配当性向は26%となっています。前期と同水準の配当を維持することで、株主還元に努めています。
今後の展望
中長期的には、5G携帯端末やIoT機器など、電子部品需要の拡大が期待されます。アオイ電子は、培った技術力とグローバルな供給体制を生かし、新製品開発と収益力の向上に取り組んでいきます。また、設備投資を続けることで生産性向上を図り、収益基盤の強化を目指します。
編集部のまとめ
アオイ電子株式会社は、電子部品業界の一翼を担う企業として注目されています。当期は業績悪化により利益率が低下しましたが、強固な財務基盤を活かしつつ、将来の成長に向けた投資を継続しています。今後は収益力の回復と技術革新で、競争力の維持・向上を目指すことが期待されます。
アオイ電子株式会社の決算日や配当についてまとめました。
アオイ電子株式会社の決算日は3月31日で、年1回の本決算とともに、6月30日、9月30日、12月31日に四半期決算を行っています。また、当期の年間配当金は54円を予定しており、株主還元に努めています。