協栄産業株式会社の2023年度第3四半期決算報告が公表されました。同社は、半導体デバイスやプリント配線板、産業機械システムなどの製造・販売を行う総合エレクトロニクス企業です。足元の業界環境は一部で調整局面も見られますが、同社は自動車向けなどの強い需要に支えられ、売上も利益も前年同期比で増加を達成しました。
企業情報
企業名: 協栄産業株式会社
証券コード: 69730
決算期: 3月31日
協栄産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
協栄産業株式会社の決算期は3月31日です。四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日に行われており、今回の報告は2023年12月31日に終了した第3四半期決算の内容となります。
主な事業
協栄産業株式会社は、半導体デバイス、プリント配線板、産業機器システム、システム開発の4つの事業セグメントを有しています。半導体デバイスは自動車、民生品、産業機器向けの半導体・デバイスの販売が主力で、プリント配線板は基板の製造・販売、産業機器システムはFA機器やロボットの販売、システム開発では建設系やビジネス系のIT ソリューションの提供を行っています。
今期の業績と利益率は?
今第3四半期連結累計期間の売上高は470億9,700万円と前年同期比3.1%の増加、営業利益は11億4,000万円と前年同期比14.0%の減少となりました。一方、経常利益は13億2,200万円と前年同期比8.3%の減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億2,800万円と前年同期比1.5%の減少となっています。
売上・利益の推移
協栄産業株式会社の直近の売上高は、2022年度は605億4,500万円と過去最高を更新しました。一方で、2023年度第3四半期累計では前年同期比で増収となったものの、半導体デバイス事業の低迷などから営業利益や経常利益、純利益は前年同期比で減少しています。
中長期的に見れば、同社はエレクトロニクス業界の成長に連動した業績拡大を続けてきており、今後も自動車や半導体、産業機器分野での需要拡大に期待が高まっています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の総資産は415億3,600万円と前期末比41億2,700万円の増加となりました。流動資産が35億7,500万円増加し、固定資産が5億5,100万円増加したためです。
一方、負債合計は250億3,900万円と前期末比29億6,000万円の増加となりました。流動負債が44億1,000万円増加した一方で、固定負債が15億4,000万円減少しています。
資産の部
流動資産では、受取手形及び売掛金が21億1,400万円増加、現金及び預金が16億4,900万円増加しています。一方、電子記録債権が2億6,300万円減少しています。
固定資産では、投資有価証券が6億3,500万円増加したことが主な要因です。
負債の部
流動負債では、短期借入金が18億4,400万円、支払手形及び買掛金が18億2,700万円、事業撤退損失引当金が7億5,100万円それぞれ増加しています。
固定負債では、長期借入金が9億5,000万円減少、事業撤退損失引当金が7億5,100万円減少しています。
純資産の部
純資産は164億9,700万円と前期末比12億2,100万円の増加となりました。自己資本比率は39.7%となっています。
ROAとROE
協栄産業株式会社のROA(総資産経常利益率)は、直近3年間で4%前後で推移しています。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は5%前後となっています。
同社はエレクトロニクス業界における半導体やデバイス、プリント基板などの事業に強みを持っており、これらの事業を通じて一定の収益性を確保できていますが、さらなる経営効率の改善によって、ROA、ROEの向上につなげていくことが課題と考えられます。
キャッシュフロー
協栄産業株式会社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的にプラスを維持しているのに加え、投資活動によるキャッシュ・フローはプラスとマイナスが交互に推移しています。また、財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の増減などにより増減しています。
全体として、同社はキャッシュ・ポジションを安定的に維持しながら、必要な設備投資やM&Aなどにも柔軟に対応できる財務体質を備えていると評価できます。
配当の支払額
協栄産業株式会社は、株主還元の一環として安定的な配当を行っています。2022年度通期の1株当たり配当金は70円、直近の2023年度第3四半期累計では1株当たり70円の配当を実施しています。これらの実績から、同社は株主重視の経営姿勢を維持していると考えられます。
今後の展望
協栄産業株式会社は、エレクトロニクス業界を支える重要な事業基盤を有しており、自動車、産業機器、半導体などの分野でグローバルな事業展開を行っています。足元では一部で調整局面もありますが、中長期的には自動運転化の進展や5G・AI関連のサービス需要の高まりなど、同社の事業領域は今後も成長が期待できる有望な分野です。
さらに、事業ポートフォリオの最適化や生産効率の改善など、収益性向上に向けた取り組みを進めていくことで、同社の企業価値はさらに高まっていくと考えられます。
編集部のまとめ
協栄産業株式会社は、半導体デバイスやプリント配線板、産業機器システムなどのエレクトロニクス関連分野で強みを持つ企業です。足元では一部で調整局面もありますが、中長期的には自動運転化の進展や5G・AI関連の需要拡大など、同社の事業領域は今後の成長が期待できる有望な分野と言えます。
同社は、安定的な収益基盤を持ちつつ、事業ポートフォリオの最適化や収益性向上に取り組むことで、より一層の企業価値向上が期待できるでしょう。株主重視の経営姿勢も評価できる同社の今後の動向に注目が集まります。
協栄産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
協栄産業株式会社の決算期は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日、3月31日に行われています。また、同社は株主還元の一環として安定的な配当を行っており、2022年度通期の1株当たり配当金は70円、直近の2023年度第3四半期累計でも1株当たり70円の配当を実施しています。同社は株主重視の経営姿勢を維持しているといえます。