サワイグループホールディングス株式会社の四半期決算報告書をご紹介します。医薬品の製造・販売を手掛ける同社は、ジェネリック医薬品事業を中心に国内外で事業を展開しています。今期の業績は好調で、売上収益136,056百万円、営業利益17,263百万円と大幅な増収増益となりました。特に日本事業が好調で、医療機関への安定供給や新製品の発売などが寄与したようです。一方で、米国事業については撤退することが決まり、非継続事業に分類されることになりました。今後はより一層、国内ジェネリック医薬品市場でのシェア拡大や、新たな成長分野への進出に注力していくと見られます。
企業情報
企業名: サワイグループホールディングス株式会社
証券コード: E36190
決算期: 2023年3月期
サワイグループホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
サワイグループホールディングス株式会社の決算期は3月期です。そのため、通常の年間決算は3月末日に行われ、翌年の6月に株主総会が開催されます。また、第2四半期と第4四半期には半期決算、第1・3四半期には四半期決算が行われます。
主な事業
サワイグループホールディングス株式会社は、主に医療用医薬品および一般用医薬品の製造・販売を行っています。子会社の沢井製薬株式会社を中心に、日本国内でジェネリック医薬品の製造・販売を手掛けています。さらに、米国でもジェネリック医薬品の研究開発、製造、販売を行っていましたが、今回の決算で米国事業を非継続事業に分類することが明らかになりました。今後はより一層、国内でのジェネリック医薬品事業に経営資源を集中していくことになります。
今期の業績と利益率は?
サワイグループホールディングス株式会社の当第3四半期連結累計期間の業績は、売上収益136,056百万円、営業利益17,263百万円、税引前四半期利益17,071百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益13,501百万円と、いずれも前年同期比で二桁の増加を達成しています。特に営業利益は17.7%増と、非常に高い増加率を示しています。これは国内でのジェネリック医薬品事業が好調だったことが主な要因と考えられます。
売上・利益の推移
サワイグループホールディングス株式会社の過去3年間の売上収益と営業利益の推移を見ると、売上収益は123,230百万円→136,056百万円と順調に増加しています。一方、営業利益も14,672百万円→17,263百万円と大幅に伸びています。この背景には、国内でのジェネリック医薬品事業が堅調に推移していることが挙げられます。特に新製品の発売や、医療機関への安定供給などが寄与したと考えられます。
四半期連結貸借対照表について
サワイグループホールディングス株式会社の当第3四半期連結会計期間末の貸借対照表を見ると、総資産は390,798百万円となっています。これは前連結会計年度末比で26,633百万円の増加です。この増加の主な要因は、米国事業を非継続事業に分類したことにより、売却目的で保有する資産が56,043百万円増加したことなどです。
資産の部
資産の部では、流動資産が242,774百万円となり、前連結会計年度末から37,427百万円増加しました。これは主に、米国事業を非継続事業に分類したことにより売却目的で保有する資産が56,043百万円増加したためです。一方、非流動資産は148,024百万円と、前連結会計年度末から10,794百万円減少しました。これは主に有形固定資産が17,340百万円減少したことによるものです。
負債の部
負債の部では、流動負債が111,266百万円と、前連結会計年度末から26,111百万円増加しました。これは主に、借入金が18,633百万円増加したことによるものです。一方、非流動負債は61,684百万円と、前連結会計年度末から4,588百万円減少しました。
純資産の部
純資産の部は217,848百万円となり、前連結会計年度末から5,110百万円増加しました。これは主に、四半期利益の計上や、為替レートの変動によるものです。この結果、親会社所有者帰属持分比率は53.8%となっています。
ROAとROE
サワイグループホールディングス株式会社のROA(総資産利益率)は前連結会計年度の4.3%から当第3四半期には3.5%に低下しています。一方、ROE(自己資本利益率)は前連結会計年度の6.3%から当第3四半期には6.4%とわずかながら上昇しています。ROAの低下は主に米国事業の業績悪化に伴う減損損失の計上が影響しているものと考えられます。一方、ROEの上昇は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の増加によるものです。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが14,237百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが19,780百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが9,348百万円の収入となりました。この結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末から4,778百万円減少し、28,298百万円となっています。
配当の支払額
サワイグループホールディングス株式会社は、第2四半期末と期末の年2回、配当を実施しています。当第3四半期連結累計期間の配当金は、年間130円を予定しており、うち第2四半期末に65円、期末に65円を支払う予定です。配当性向は約21%となっています。
今後の展望
サワイグループホールディングス株式会社は、2021年に発表した長期ビジョン「Sawai Group Vision 2030」と2024年3月期を最終年度とする中期経営計画「START 2024」に基づき事業を展開しています。今後の重点施策は、国内ジェネリック医薬品市場でのシェア拡大、新たな成長分野の開拓などです。特に国内事業では、品質管理の強化や安定供給力の向上に取り組み、更なるシェア拡大を目指します。一方で、デジタルヘルスケアやオーファン医薬品などの新分野にも注力していく方針です。これらの取り組みを通じて、中長期的な成長につなげていくことが期待されます。
編集部のまとめ
サワイグループホールディングス株式会社は、国内トップクラスのジェネリック医薬品メーカーとして、着実な業績拡大を続けています。特に当期は、売上収益、営業利益ともに二桁増と大変好調な結果となりました。一方で、米国事業からの撤退により、今後は日本国内での事業に一層注力していくことになります。今後は、品質管理の強化や新製品発売、さらにはデジタルヘルスケアなど新分野への進出など、様々な施策の成果に期待が集まります。
サワイグループホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
サワイグループホールディングス株式会社の決算日は3月末日で、年2回の配当(中間配当、期末配当)を実施しています。当期の配当金は年間130円を予定しており、中間配当が65円、期末配当が65円となる見込みです。配当性向は約21%となっています。今後の事業展開や収益性の向上に期待が寄せられます。