この決算報告では、紙パルプ事業と包装・加工事業が好調に推移し、全体として売上高や収益が大幅に増加した様子が分かりました。原燃料価格の高騰があったものの、価格改定などの対策を講じたことで、業績は大きな伸びを示しています。そんな業績の好調さに加え、財務内容の健全性も続いていることが分かりました。今後も新製品開発や海外展開など、さらなる成長につなげていくことが期待されますね。
企業情報
企業名: 北越コーポレーション株式会社
証券コード: 8086
決算期: 3月期
北越コーポレーション株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
北越コーポレーション株式会社は、3月31日が決算日となっています。3月期の決算を行い、5月に有価証券報告書を提出、6月に株主総会を開催しています。
主な事業
北越コーポレーション株式会社は、紙パルプ事業、パッケージング・紙加工事業、その他の事業を展開しています。紙パルプ事業では洋紙、板紙、パルプを製造・販売しており、パッケージング・紙加工事業では段ボール、紙製品などの製造・販売を手掛けています。また、木材事業や建設業、運送・倉庫業などのその他事業にも取り組んでいます。北越コーポレーションは、国内屈指の総合製紙メーカーとして、幅広い事業展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が225,324百万円と前年同期比で4.5%増加しています。また、営業利益は10,888百万円と13.4%の増益、経常利益は12,884百万円と82.5%の大幅な増益となりました。原燃料価格の高騰があったものの、価格改定の実施などにより、収益も大きく改善しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、売上高は201,994百万円、215,702百万円、225,324百万円と着実に伸びてきています。また、経常利益も6,539百万円、7,059百万円、12,884百万円と大幅な増益基調にあります。紙パルプ事業やパッケージング事業の好調な業績が、同社の業績を牽引していることが分かります。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は419,856百万円と前期末から31,411百万円増加しています。これは主に現金及び預金の増加や有形固定資産の増加などによるものです。一方、負債合計は176,176百万円と13,681百万円増加しており、有利子負債が10,540百万円増加しています。純資産は243,680百万円と17,730百万円増加し、自己資本比率も57.9%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が15,103百万円増加したほか、有形固定資産が4,576百万円増加しています。また、投資有価証券も4,268百万円増加しています。このように、設備投資や投資活動の活発化で資産が増加しています。
負債の部
負債の部では、有利子負債が10,540百万円増加したほか、繰延税金負債が1,339百万円増加しています。設備投資などに伴う資金調達により、有利子負債が増加しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が3,852百万円増加したほか、為替換算調整勘定が11,158百万円増加しています。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や為替変動によって純資産が大幅に増加しています。
ROAとROE
北越コーポレーションのROA(総資産経常利益率)は過去3年で2.1%、3.1%、3.5%と着実に上昇しています。また、ROE(自己資本当期純利益率)も4.9%、3.0%、5.9%と、安定した水準を維持しています。これらの指標の推移は良好で、収益性と資本効率性が高まってきていることが分かります。企業体質が強化されつつあると言えるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、当期間で15,917百万円のプラスとなっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは11,165百万円のマイナスとなっており、設備投資などに資金が投下されている様子が分かります。財務活動によるキャッシュ・フローは2,659百万円のプラスと、有利子負債の増加などがあったことが分かります。全体としては、現金及び現金同等物は15,103百万円増加し、手許流動性は底堅く維持されています。
配当の支払額
北越コーポレーションは、株主還元にも積極的に取り組んでいます。当第3四半期連結累計期間では、中間配当として1株当たり9円の配当を実施しています。前期実績の1株当たり49.54円と比べると、増配傾向にあると言えるでしょう。業績の回復と株主還元の充実が両立できていることが分かります。
今後の展望
北越コーポレーションは、新製品開発や海外事業の拡大、省エネ・環境対応の強化など、様々な成長戦略を展開しています。特に、カナダのパルプ工場での生産性向上など、海外事業の強化にも取り組んでいることが注目されます。また、SDGsへの取り組みも積極的で、循環型社会の実現に向けた取り組みが期待されます。事業領域の拡大と環境への配慮を両立しながら、企業価値の向上を目指していくことが重要です。
編集部のまとめ
北越コーポレーション株式会社の当期業績は、売上高、利益ともに大幅な増加となりました。特に収益性の高い紙パルプ事業やパッケージング事業が牽引役となっており、企業体質の強化が進んでいることが分かります。また、財務面でも自己資本比率が良好な水準を維持するなど、健全な経営基盤を築いています。今後は環境対応や海外事業の展開など、さらなる成長に向けた取り組みが期待されます。
北越コーポレーション株式会社の決算日や配当についてまとめました。
北越コーポレーション株式会社は、3月31日を決算日とする3月期決算を行っています。また、年2回の配当(中間配当と期末配当)を実施しており、当期の中間配当は1株当たり9円でした。今後も安定した株主還元を続けていくことが期待されます。