日鉄鉱業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。売上高は前年同期比2.3%増と好調な傾向を示しており、営業利益は前年同期比24.5%減となりました。主力の資源事業では、石灰石の販売価格上昇や電気銅の販売数量増加などが奏功しています。機械・環境事業やその他の部門でも増収となり、全体としては健闘しているようです。
企業情報
企業名: 日鉄鉱業株式会社
証券コード: 15150
決算期: 3月期
日鉄鉱業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日鉄鉱業株式会社の決算日は3月31日です。第3四半期の決算は2023年12月31日が基準日となります。通期の決算発表は例年6月頃に行われています。
主な事業
日鉄鉱業株式会社は、鉱石事業、金属事業、機械・環境事業、不動産事業、再生可能エネルギー事業の5つの事業セグメントを展開しています。主力の鉱石事業では石灰石や非鉄金属鉱石の開発・販売を、金属事業では電気銅の生産・販売を行っています。また、環境関連機械の販売や再生可能エネルギーの発電事業にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の売上高は1,245億円と前年同期並みの水準を維持しています。一方、営業利益は89億円と前年同期比24.5%の減少となりました。主な要因は金属事業の減益によるものです。利益率は売上高営業利益率で7.2%となっています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は1,640億円(2022年3月期)、1,217億円(2023年3月期第3四半期)、1,245億円(2024年3月期第3四半期)と推移しています。利益面では、経常利益が164億円(2022年3月期)、116億円(2023年3月期第3四半期)、98億円(2024年3月期第3四半期)となっており、微減傾向にあります。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の連結総資産は2,219億円と前期末比6.5%増加しています。流動資産は1,018億円、固定資産は1,200億円となっています。負債合計は745億円で、自己資本比率は62.3%と健全な水準を維持しています。
資産の部
現金・預金が減少した一方で、仕掛品や原材料が増加したことなどから、流動資産が8.2%増加しました。固定資産では投資有価証券の時価上昇により5.2%増加しています。
負債の部
短期借入金は減少しましたが、買掛金が増加したことで流動負債が5.1%増加。長期借入金の増加などにより固定負債も15.0%増加しました。
純資産の部
利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加により、純資産は前期末比5.8%増の1,474億円となっています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は前年同期の4.0%から3.4%に低下しています。これは営業利益の減少によるものです。一方、ROE(自己資本利益率)は前年同期の6.1%から4.5%と低下していますが、依然として良好な水準を維持しています。自己資本比率が高く、財務基盤が安定していることが要因です。
キャッシュフロー
第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については開示されていませんが、過去の実績から、営業活動によるキャッシュ・インが安定的に確保されているものと考えられます。投資活動では設備投資などにキャッシュ・アウトが発生し、財務活動では配当金の支払いなどでキャッシュ・アウトが生じています。全体としては堅調なキャッシュ・フロー創出が期待できる企業といえるでしょう。
配当の支払額
第2四半期末の配当金は1株当たり84円、期末配当見込は84円となっています。年間配当合計では168円となる見込みです。前期の年間配当168円と同水準を維持する計画です。
今後の展望
世界経済の減速懸念などを背景に、業績は若干の減速傾向にあります。しかし、主力の鉱石事業では堅調な需要が続くと見られ、また機械・環境事業やエネルギー事業の伸びも期待できそうです。通期では前期並みの業績を確保できると見られ、引き続き安定した収益基盤を維持できると期待されます。
編集部のまとめ
日鉄鉱業は、石灰石や金属鉱石の開発・販売などの資源事業を中心に、環境関連機械の販売やエネルギー事業など、多角化を進めている老舗の鉱業会社です。足元では世界経済の減速の影響を受けつつも、主力事業の安定性を活かして健全な業績を維持しています。今後も、資源価格の動向や為替変動などのリスクに留意しつつ、事業ポートフォリオの強化と収益基盤の拡大に取り組んでいくと考えられます。
日鉄鉱業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日鉄鉱業株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期の決算は12月31日が基準日となっています。2023年12月期の年間配当は1株当たり168円を予定しており、前期と同水準を維持する計画です。同社は老舗の鉱業会社として、資源事業を中心に安定した収益基盤を構築しており、今後もグループ全体の事業ポートフォリオの強化に取り組んでいくことが期待されます。