上場企業の決算報告書を読んでみたことはありますか?今回は、人材サービスの大手企業パーソルホールディングス株式会社の最新の決算報告書を分析してみました。同社は2024年3月期の第3四半期決算を発表しており、着実な業績拡大を続けています。
企業情報
企業名: パーソルホールディングス株式会社
証券コード: 21810
決算期: 2024年3月期
パーソルホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
パーソルホールディングス株式会社の決算日は3月31日です。決算発表は5月中旬に行われ、株主総会は6月に開催されます。
主な事業
パーソルホールディングス株式会社は、人材派遣や人材紹介、BPOサービスなど、人材に関連したさまざまなサービスを提供する総合人材サービス企業です。国内では「PERSOL」ブランドで、アジア・パシフィック地域では「PERSOLKELLY」「Programmed」ブランドなどで事業を展開しています。
今期の業績と利益率は?
2024年3月期第3四半期(4〜12月)の連結業績は、売上収益が9906億円と前年同期比7.2%の増収となりました。利益面では、調整後EBITDA(営業利益+減価償却費など)が534億円と前年同期比17.8%の減益となりましたが、この減益要因には一時的なものがあり、全体としては堅調な収益力を維持しています。
売上・利益の推移
直近の売上高・利益の推移を見ると、連続増収と高い収益性を持続しています。2023年3月期の売上高は1兆2426億円、営業利益は412億円と、経営基盤は着実に強化されています。また、株主の皆様への利益還元も厚く、直近の1株当たり配当金は43円となっています。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の連結貸借対照表では、総資産が5026億円となりました。前期末から139億円増加しています。特に、使用権資産が43億円増加したほか、無形資産が37億円増加するなど、事業基盤の強化が進んでいます。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が1002億円、営業債権及びその他の債権が1618億円となっています。また、のれんが607億円、無形資産が389億円と、企業買収などを通じた成長投資も行われています。
負債の部
負債の部では、社債及び借入金が260億円、営業債務及びその他の債務が961億円となっています。有利子負債は減少傾向にあり、財務の健全性が確保されています。
純資産の部
純資産の部では、親会社の所有者に帰属する持分が1837億円となり、自己資本比率は36.6%と高水準を維持しています。配当の支払いなどで利益剰余金は減少したものの、為替換算調整勘定の増加などにより、全体としては増加しています。
ROAとROE
パーソルホールディングスのROA(総資産利益率)は4.1%、ROE(自己資本利益率)は14.5%となっています。総資産回転率が低下傾向にあるものの、財務レバレッジを活用し収益力を高めていることから、高い収益性が維持されています。
キャッシュフロー
2023年12月期第3四半期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが497億円の収入となりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローが142億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが375億円の支出となりました。全体としてキャッシュポジションは安定しており、今後の事業展開に活用できる水準にあります。
配当の支払額
パーソルホールディングスは、株主への利益還元を重視しており、2023年11月には中間配当として1株当たり43円を支払いました。直近の年間配当金は1株当たり83円と高水準で、株主還元が積極的に行われています。
今後の展望
パーソルホールディングスは、2024年3月期を初年度とする3カ年の新中期経営計画を策定しており、人材関連サービスの総合力の強化に注力していきます。また、積極的なM&Aやデジタル投資など、事業基盤の拡大と収益力の向上に取り組む方針です。今後も、安定した業績と株主還元が期待できそうです。
編集部のまとめ
パーソルホールディングスは、人材関連サービスの大手企業として、堅調な業績を誇っています。足元では一時的な減益要因があるものの、中期的には着実な成長が見込まれます。また、株主への積極的な利益還元も魅力的です。今後の企業価値向上と株主還元に期待が高まっています。
パーソルホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
パーソルホールディングス株式会社の決算日は3月31日で、決算発表は5月中旬、株主総会は6月に行われます。直近の1株当たり配当金は年間83円と高水準で、株主還元に積極的な企業です。今後も安定した業績と配当が期待できそうです。