株式会社パスコの決算報告書をお読みいただきありがとうございます。パスコは、空間情報に関する先進的な技術を持つ企業で、地球を計測し未来を創造するという経営理念のもと、様々な事業に取り組んでいます。
企業情報
企業名: 株式会社パスコ
証券コード: 92320
決算期: 2023年3月期
株式会社パスコの決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社パスコの決算日は3月31日です。決算は年1回で、3月期の決算を行っています。
主な事業
株式会社パスコは、測量・地図・地理情報システム(GIS)などの空間情報に関する事業を展開しています。防災・減災、国土強靱化、デジタル田園都市国家構想、3次元都市モデルの整備など、政府主導の様々な施策に関連して、同社の技術とノウハウが活用されています。また、建設・物流業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)にも貢献しています。
今期の業績と利益率は？
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~12月31日)の売上高は386億13百万円で、前年同期比4.7%の減少となりました。また、営業損失は17百万円と、前年同期比1,507百万円減少しています。利益面では、経常利益が50百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が13億68百万円となりました。
売上・利益の推移
株式会社パスコの売上高は、年度末の納期に向けて増加する季節的変動があります。第4四半期の売上高が他の四半期に比べて大幅に増加する傾向にあり、それに伴い業績にも変動がみられます。前期の売上高は620億16百万円、経常利益は65億25百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は40億99百万円でした。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)の資産合計は592億13百万円で、前期末(2023年3月31日)から117億63百万円減少しています。一方、負債合計は306億20百万円で、前期末から126億24百万円減少しました。純資産合計は285億92百万円で、前期末から8億60百万円増加しています。
資産の部
「受取手形、売掛金及び契約資産」は289億86百万円で、前期末から89億13百万円減少しています。これは、主要顧客の官公庁からの収入が年度末に集中するため、第1四半期に回収が進んだことによるものです。
負債の部
「短期借入金」は100億円で、前期末から85億円減少しています。これも、第1四半期に回収された営業債権を返済に充てたことが主な要因です。
純資産の部
純資産合計は285億92百万円で、前期末から8億60百万円増加しています。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したためです。
ROAとROE
株式会社パスコのROA(総資産経常利益率)は前期末時点で9.2%と健全な水準にありますが、当第3四半期連結累計期間では0.1%と大幅に低下しています。これは、主に経常利益が50百万円と前年同期比1,491百万円減少したことが影響しています。一方でROE(自己資本利益率)は前期末38.3%から当第3四半期連結会計期間末で47.3%と改善しており、収益性と資本効率の改善が進んでいることがうかがえます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュフローの状況は開示されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローが大幅な増加し、投資活動によるキャッシュ・フローも高い水準を維持していることが分かります。これにより、有利子負債が減少し、財務基盤の強化が進んでいると考えられます。
配当の支払額
株式会社パスコは、2023年6月に1株当たり45円、12月に25円(創業70周年記念配当含む)の配当を実施しました。この結果、当期の年間配当金は70円となっています。安定的な配当を続けており、株主への還元にも力を入れていることがわかります。
今後の展望
株式会社パスコは、「パスコグループ中期経営計画2023-2025」を策定し、新たな飛躍に向けた経営基盤の再構築に取り組んでいます。具体的には、経営理念を重視した健全な経営の実現と、空間情報事業の拡大・成長を目指しています。今後も官民を問わず多様なニーズに応えるべく、事業の進化を続けていくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社パスコは、国土強靱化やデジタル化など、政府主導の様々な施策に貢献する空間情報事業で高い技術力を誇っている企業です。当第3四半期の業績は売上高が減少しましたが、中期経営計画に基づき健全な経営基盤の構築と事業の進化に取り組んでおり、今後の業績拡大が期待できます。株主への還元にも意欲的で、安定的な配当も行っています。同社の更なる飛躍に注目が集まるところです。
株式会社パスコの決算日や配当についてまとめました。
株式会社パスコの決算日は3月31日で、年1回の決算を行っています。配当については、2023年6月に1株当たり45円、12月に25円の配当(うち25円は創業70周年記念配当)を実施しており、株主還元に積極的です。今後の同社の成長に期待が高まります。
