東京海上ホールディングスの最新決算は好調でした。損害保険や生命保険事業を中心に国内外で事業を展開し、前年同期比で大幅増収増益を果たしています。成長の原動力は海外事業の好業績で、地域別では海外保険事業が54.5%増加と大きく貢献しました。今後も新興国への進出などで成長が期待できる企業といえるでしょう。
企業情報
企業名: 東京海上ホールディングス株式会社
証券コード: 87660
決算期: 3月
東京海上ホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
東京海上ホールディングスの決算期は3月期です。具体的には第3四半期の決算が2023年12月31日までで、その後2024年3月31日に通期決算を行う予定となっています。
主な事業
東京海上ホールディングスは、国内外の損害保険および生命保険事業を中心に、金融サービス事業なども展開しています。国内損害保険部門では火災保険、海上保険、自動車保険などの引き受けが主要な事業で、国内生命保険部門では個人保険、個人年金保険を中心に取り扱っています。また海外事業も積極的に展開しており、全体の5割以上の売上高を占めるまでに成長しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の経営成績は大変良好でした。経常収益は前年同期比9.1%増の5兆6,346億円、経常利益は63.6%増の5,898億円となりました。主な原因は海外事業が好調で、正味収入保険料が48.6%増加したことです。利益率も大幅に改善し、経常利益率は10.5%と高水準を達成しています。
売上・利益の推移
最近の業績を見ると、東京海上ホールディングスの売上高は順調に増加しています。前期の6兆6,100億円から当期は5兆6,346億円と減少しましたが、これは保険料収入に計上される責任準備金繰入額が減少したためです。一方で経常利益は前期の4,942億円から589,822億円と大幅に増加しており、収益力の向上が進んでいることがわかります。
四半期連結貸借対照表について
東京海上ホールディングスの四半期連結貸借対照表を見ると、全体として資産が前期末比2兆5,340億円増加し29兆9,318億円となっています。これは主に有価証券が2兆4,423億円増加したことによるものです。一方で負債は1兆6,998億円増加し25兆4,966億円となっています。このように総じて財務体質は強化されていると評価できます。
資産の部
資産合計は29兆9,318億円と大幅に増加しました。その内訳は、現金及び預貯金が924,220億円、有価証券が19兆7,316億円と大きな割合を占めています。この有価証券残高の増加が全体の資産増加の主因となっています。
負債の部
負債合計は25兆4,966億円と増加していますが、その多くを占める保険契約準備金が3,390億円増加しただけで、その他の負債は大きな変動はありませんでした。このように負債構造にも大きな変化はなく、健全性は維持されています。
純資産の部
純資産合計は4兆4,351億円と、前期末比8,272億円増加しています。その主な要因は利益剰余金の増加で、2兆2,738億円となり、財務体質の改善が進んでいることがわかります。
ROAとROE
東京海上ホールディングスの収益性を示す指標であるROA(総資産利益率)は、前期の1.8%から当期は1.9%と改善しています。また、自己資本利益率(ROE)も前期の13.1%から当期は16.1%と大幅に上昇しています。これは海外事業の好調な業績が寄与したものと考えられ、収益力の強化が図られていると評価できます。
キャッシュフロー
東京海上ホールディングスの四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細な情報は開示されていませんが、有価証券の増加など投資活動によるキャッシュ・アウトが大きかったと推測されます。一方、営業活動によるキャッシュ・インは保険料収入の増加などで好調であったことが伺えます。全体としてキャッシュポジションは健全に推移していると考えられます。
配当の支払額
東京海上ホールディングスは、株主還元を重視する経営方針を掲げています。当期は第2四半期末(2023年9月30日)に1株当たり60.50円の中間配当を実施し、通期では1株当たり110.50円の配当を見込んでいます。この水準は前期実績を上回る増配となっており、業績の好調さが投資家に還元されていると評価できます。
今後の展望
東京海上ホールディングスは、保険引受利益の拡大と資産運用収益の向上によりさらなる業績拡大が期待されています。国内事業では自然災害リスクの低減に取り組み、海外事業ではグローバル展開を加速することで収益基盤の強化を進めています。また、ESGへの取り組みを経営の重要課題と位置付け、サステナブルな成長を目指しています。今後も成長余地が大きい企業として注目されるでしょう。
編集部のまとめ
東京海上ホールディングスの2023年12月期第3四半期の業績は大変好調でした。主力の国内外の保険事業が順調に拡大し、経常利益は前年同期比63.6%増と大幅な増益となりました。海外事業の成長が目立ち、全体の収益性も大幅に改善しています。キャッシュフロー、ROA、ROEなどの指標も良好で、今後の成長期待も高まっています。配当も増額されており、株主還元も充実してきています。東京海上ホールディングスは今期もたくさんの成果を挙げた一年だったといえるでしょう。
東京海上ホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
東京海上ホールディングスの決算期は3月期で、第3四半期の決算が2023年12月31日までとなっています。業績は順調に推移しており、経常利益も大幅増加しました。配当も前期実績を上回る増配となっており、株主還元も充実しています。今後も保険事業を中心に事業拡大を続け、収益力の向上が期待されます。