株式会社エフオンの最新の決算報告が発表されました。エネルギー分野を中心に事業を展開する同社は、新型コロナ後の経済正常化に伴い、インバウンド需要の回復や発電事業の安定稼働により、前年同期を大幅に上回る「売上高8,882百万円」を記録しました。その一方で、燃料調達コストの増加や定期メンテナンス費用の増加により、「営業利益464百万円」と前年同期比で減益となりました。短期的には収益性に課題を抱えていますが、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みに期待が寄せられます。
企業情報
企業名: 株式会社エフオン
証券コード: 95140
決算期: 2023年6月期
株式会社エフオンの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社エフオンは、6月決算を行っています。年に2回、第2四半期(9月30日)と通期(6月30日)の決算を行っており、今回は第2四半期の決算報告となります。
主な事業
株式会社エフオンは、省エネルギー支援サービス事業とグリーンエナジー事業を展開しています。省エネルギー支援サービス事業では、企業や自治体向けに省エネ改修工事や省エネ診断などのサービスを提供しており、グリーンエナジー事業では、バイオマス発電所の運営や電力小売事業を中心に、再生可能エネルギーの利用拡大に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当第2四半期の業績は、売上高8,882百万円、営業利益464百万円と前年同期比で増収減益となりました。売上高は新型コロナ収束に伴うインバウンド需要の回復と発電事業の好調により増加しましたが、原材料価格高騰や定期メンテナンス費用の増加により利益率は低下しています。
売上・利益の推移
同社の過去2期の業績推移を見ると、売上高は16,949百万円から16,949百万円と微増、経常利益は1,286百万円から322百万円と大幅な減益となっています。原材料価格高騰や定期メンテナンス費用の増加が利益を圧迫した一方、インバウンド需要の回復や発電事業の安定稼働により、全体としては堅調な売上推移が続いています。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を確認すると、資産合計は45,317百万円と前期末比400百万円減少しました。一方、負債合計は27,073百万円で455百万円減少、純資産合計は18,244百万円で54百万円増加しています。資産は減少傾向にありますが、負債の削減と自己資本の着実な積み上げにより、財務体質の改善が進んでいます。
資産の部
資産の部では、発電所建設に伴う有形固定資産の減価償却が進んだことで、有形固定資産が36,193百万円と大幅に減少しました。一方、発電所の稼働に伴う売掛金の増加などにより、流動資産は8,027百万円と前期末比429百万円増加しています。
負債の部
負債の部では、発電所建設資金に係る長期借入金の返済が進み、長期借入金が21,404百万円と減少しています。一方で、電力小売事業における電力仕入債務の増加などから流動負債が5,293百万円と増加しました。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が14,832百万円と前期末比122百万円増加しました。株主資本の積み上げが進み、自己資本比率は40.3%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産経常利益率)は、前期の7.0%から当期の1.4%に大きく低下しています。これは、経常利益が大幅に減少したことが主な要因です。一方でROE(自己資本当期純利益率)は、前期の4.5%から当期の1.6%と低下しているものの、依然として中長期的な企業価値向上に向けた取り組みが続けられています。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,691百万円の収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローは323百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,106百万円の支出となりました。全体としては260百万円の増加となり、現金及び現金同等物の四半期末残高は4,268百万円となりました。
配当の支払額
株式会社エフオンは、1株当たり8円の配当を実施しています。前期から配当額は変わっておらず、安定的な収益基盤に基づいた配当政策を維持しています。
今後の展望
短期的には原材料価格高騰と定期メンテナンス費用の増加により収益性に課題を抱えていますが、中長期的にはグリーンエネルギー分野における事業基盤の強化に期待が寄せられます。再生可能エネルギー発電事業の安定稼働や電力小売事業の黒字化など、企業価値向上に向けた取り組みを継続していくと期待されています。
編集部のまとめ
株式会社エフオンは、省エネルギー支援サービスとグリーンエナジー事業を中心に事業を展開しています。直近の第2四半期決算では、新型コロナ後の経済正常化に伴う需要回復により増収となったものの、原材料価格高騰と定期メンテナンス費用の増加により減益となりました。中長期的には、再生可能エネルギー発電事業の拡大と電力小売事業の収益改善に期待が寄せられます。
株式会社エフオンの決算日や配当についてまとめました。
株式会社エフオンは6月決算を行っており、年に2回の決算(第2四半期と通期)を実施しています。また、同社は1株当たり8円の配当を維持しており、安定的な収益基盤に基づいた株主還元を行っています。今後も中長期的な企業価値向上に向けた取り組みが期待されています。