リケンNPR株式会社の2023年度第3四半期決算報告書が公開されました。この企業は2023年10月に、株式会社リケンと日本ピストンリング株式会社が経営統合し、新会社として設立された会社です。自動車部品や産業機械部品の製造・販売を主な事業としており、足元では自動車生産台数の回復などを背景に、好調な業績を残しています。
企業情報
企業名: リケンNPR株式会社
証券コード: E38761
決算期: 3月期
リケンNPR株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
リケンNPR株式会社の決算期は3月期で、第3四半期決算は2023年12月31日時点の決算となります。決算発表は2024年2月14日に行われています。
主な事業
リケンNPR株式会社の主な事業は、自動車・産業機械部品事業、配管・建設機材事業、その他の製品の製造・販売などです。自動車部品では、ピストンリングや各種シール部品などを製造しており、国内外の自動車メーカー向けに製品を供給しています。また、配管継手などの建設機材の製造・販売も行っています。
今期の業績と利益率は?
2023年度第3四半期累計期間の業績は、売上高960億円、営業利益57億円、経常利益83億円、親会社株主に帰属する四半期純利益87億円となりました。売上高は堅調に推移し、利益率は5.9%、経常利益率は8.7%と高水準を維持しています。
売上・利益の推移
自動車部品を中心とした製品需要の回復により、売上高は前年同期に比べて増加しています。一方、原材料価格の上昇による生産コストの上昇などが影響していますが、価格転嫁を進めたことで、経常利益は前年同期比で増加しています。営業利益率も5%前後を確保し、収益力が堅調に推移しているといえます。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の連結貸借対照表をみると、総資産は2,133億円となっています。流動資産は1,066億円、固定資産は1,067億円となっています。
資産の部
流動資産では、現金及び預金247億円、受取手形・売掛金407億円が主な内訳です。固定資産では、有形固定資産593億円、投資その他の資産445億円となっています。
負債の部
負債合計は887億円で、主な内訳は支払手形・買掛金122億円、借入金186億円などとなっています。
純資産の部
純資産合計は1,245億円となっています。株主資本は1,029億円で、資本金51億円、資本剰余金227億円、利益剰余金751億円などが主な内訳です。
ROAとROE
ROAは直近3か月で12.1%、ROEは13.9%となっています。自動車部品を中心とした販売好調による収益力の向上により、資本効率も高水準を維持しています。今後は、新事業分野の拡大などにも注力し、企業価値の向上に取り組んでいく方針のようです。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、82億円のプラスとなっています。投資活動によるキャッシュ・フローは35億円のマイナスとなっており、M&Aなどによる設備投資が行われたことが要因と考えられます。財務活動によるキャッシュ・フローは、18億円のマイナスとなっています。全体としては、現金及び現金同等物は24億円増加しており、財務基盤は健全な状況にあります。
配当の支払額
2023年度第2四半期の配当は、1株当たり60円の中間配当を実施しています。また、第3四半期の配当も1株当たり60円を実施する予定です。通期の配当予想は1株当たり120円となっており、前期(1株当たり100円)から増配される見通しです。
今後の展望
リケンNPR株式会社は、「既存ICE(内燃機関)領域の収益力向上」と「非ICE領域のネクストコア事業・新製品事業の育成」に注力する経営方針を掲げています。自動車の電動化が進む中、内燃機関搭載車の需要にも一定の伸びが期待でき、同社の強みを活かせる分野と考えられます。また、新事業分野の育成にも注力し、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。
編集部のまとめ
リケンNPR株式会社は、2023年度第3四半期までの業績が大変良好で、売上高や利益率が高水準を維持しています。自動車部品事業を中心に販売が順調に推移し、収益力の高さが特徴です。一方で、新事業分野の育成にも力を入れており、今後の成長に期待が集まっています。株主還元面でも、配当の増額が検討されるなど、株主への配慮も見られます。同社には、今後も安定的な業績拡大が期待できる企業であると評価できるでしょう。
リケンNPR株式会社の決算日や配当についてまとめました。
リケンNPR株式会社の決算期は3月期で、2024年2月14日に第3四半期決算を発表しました。配当については、2023年度の中間配当は1株当たり60円、期末配当も同額の60円を予定しており、通期では1株当たり120円の増配となる見通しです。この企業は自動車部品事業を中心に好調な業績を続けており、安定した収益基盤と健全な財務体質を維持しているため、今後の成長にも期待が持てる企業だと言えるでしょう。