株式会社安永の2023年12月期第3四半期の決算報告が発表されました。業績は概ね堅調に推移しており、事業や財務状況についても注目ポイントが多数ありますので、ご紹介します。
企業情報
企業名: 株式会社安永
証券コード: 72710
決算期: 2024年3月31日期(第78期)
株式会社安永の決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社安永の決算期は3月31日です。第3四半期の四半期報告書は2024年2月14日に提出されました。
主な事業
株式会社安永は、エンジン部品、機械装置、環境機器の製造・販売を主な事業としています。特にエンジン部品事業が全体の売上の7割以上を占めており、同社の中核事業となっています。国内外の自動車メーカー向けに部品を供給しているほか、自社開発の各種検査・計測装置なども製造・販売しています。
今期の業績と利益率は？
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高243億27百万円、営業利益5億86百万円、経常利益4億76百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益6億13百万円となりました。自動車関連需要の回復に伴い、売上高は前年同期比0.6%増加しています。営業利益も15.6%増加するなど、全体として良好な業績を維持しています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高と利益の推移を見ると、2023年3月期には売上高が333億円を超え、経常利益も13億円以上と高水準を維持しています。足元の2024年3月期第3四半期では、売上高は243億円と微増が続いていますが、経常利益は4億円台と一時的に減益となっています。これは主に原材料価格高騰による収益圧迫が影響しているようです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末時点の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は336億円で、前期末から37億円減少しています。このうち、流動資産は196億円、固定資産は140億円となっています。
資産の部
流動資産の中では、受取手形及び売掛金が52億円減少しましたが、原材料及び貯蔵品が4億円増加するなど、全体としては若干減少しています。一方、固定資産は有形固定資産の増加などにより361億円増加しています。
負債の部
負債については、流動負債は172億円と前期末から57億円増加しましたが、固定負債は56億円と673億円減少しています。この結果、総負債は229億円となっています。
純資産の部
純資産は107億円と、前期末から5億円増加しました。この背景には、為替換算調整勘定の増加12億円や自己株式の取得11億円などがあります。
ROAとROE
株式会社安永のROA(総資産経常利益率)は1.4%、ROE(自己資本当期純利益率)は5.8%となっています。総じて低い水準にありますが、今後の収益改善に期待が高まっています。新製品開発や海外事業の拡大などにより、収益性の向上が望まれます。
キャッシュフロー
キャッシュフローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは14億円の収入となっています。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは12億円の支出となっており、新工場建設などの設備投資に充てられています。また、財務活動によるキャッシュ・フローは7億円の支出となっており、借入金の返済や自己株式の取得などに使われています。全体としては資金繰りは安定的に推移しているといえます。
配当の支払額
株式会社安永は、株主還元策として年間配当金を1株当たり13円(中間配当4円、期末配当9円)としています。当第3四半期累計期間では中間配当4円を実施しており、引き続き安定的な配当を行っていく方針のようです。
今後の展望
株式会社安永は、自動車関連の需要回復やエンジン部品事業の収益力向上、新製品・新事業の開発などに注力していく方針です。さらに、工場の生産能力増強や新技術の開発にも投資を行っており、中長期的な成長につなげていきたいと考えています。引き続き、業績と株主還元に注目が集まりそうです。
編集部のまとめ
株式会社安永の決算は、自動車関連需要の回復を背景に売上高、営業利益ともに改善傾向にあります。一方で、原材料高などの影響により経常利益は一時的に減少しています。今後は、生産性向上や新製品開発などに取り組み、収益力の強化を図っていくことが重要でしょう。株主還元面では、安定的な配当を維持しつつ、自己株式取得にも積極的に取り組んでおり、投資家の関心も高まっています。
株式会社安永の決算日や配当についてまとめました。
株式会社安永の決算期は3月31日で、第3四半期決算は2024年2月14日に発表されました。同社は年間配当金を1株当たり13円とし、安定した株主還元を行っています。今後も自動車関連事業を中心に業績拡大を目指すとともに、株主の皆様への還元にも力を入れていく方針のようです。
