株式会社名村造船所の最新の決算報告をご紹介します。同社は船舶の建造・修繕を手掛けており、第3四半期決算では好調な業績を収めました。収益増に加え、円安効果も寄与しており、決算は全体的に前年度を上回る結果となりました。今後も同社の業績は堅調に推移するものと期待されます。
企業情報
企業名: 株式会社名村造船所
証券コード: 70140
決算期: 第3四半期(2023年4月1日~2023年12月31日)
株式会社名村造船所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社名村造船所は3月31日が決算期末となっており、本四半期報告は2023年4月1日から2023年12月31日までの第3四半期決算です。同社は例年4月から翌年3月までを会計年度としているため、今回の決算は2023年度の上半期を反映したものになります。
主な事業
株式会社名村造船所は、長年の実績を持つ造船会社です。新造船の建造、修繕船の工事を両輪とし、様々な船舶を手掛けています。とりわけ大型ガス運搬船や環境対応船などの高付加価値船の建造に強みを発揮しており、国内外からの評価も高い存在となっています。また、同社の子会社である函館どつく株式会社や佐世保重工業株式会社も修繕船事業に取り組んでおり、同社の造船事業全体を支えています。
今期の業績と利益率は?
第3四半期決算では、売上高が前年同期比4.3%増の96,955百万円、営業利益は同19.4%増の11,687百万円と業績は順調に推移しました。船価の改善や原価の削減、さらには円安進行による増益要因も寄与し、同社の収益力は強化されています。今後も同様の好調な業績が続くと見込まれます。
売上・利益の推移
同社の過去3年間における売上高と営業利益の推移を見ると、売上高は増加基調にあり、営業利益も2021年度以降、大幅に改善されています。新型コロナウイルス禍における一時的な落ち込みもありましたが、現在は見事な業績回復を果たしています。今後の受注環境も好調で、引き続き同社の業績は堅調に推移すると期待されます。
四半期連結貸借対照表について
株式会社名村造船所の直近の四半期連結貸借対照表を見ると、資産が156,181百万円と大幅に増加しています。これは、新造船の受注増加に伴う現預金や契約資産の増加、保有する投資有価証券の時価上昇などが主な要因です。一方で、負債も88,515百万円と増加していますが、それ以上に純資産が大幅に拡大したことで、自己資本比率は43.1%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現預金が41,235百万円と大幅に増加しています。これは、新造船の受注増加によるものです。また、契約資産が44,065百万円と伸長しており、同社の新造船事業が好調に推移していることがうかがえます。一方で、投資有価証券は27,112百万円と前期末から大きく増加しています。
負債の部
負債の部では、新造船の受注増加に伴い契約負債が31,660百万円と大幅に膨らんでいます。一方で、有利子負債は10,375百万円と前期末から減少しており、財務体質の改善が図られています。
純資産の部
純資産の部では、その他有価証券評価差額金が14,838百万円と大幅に増加しています。また、利益剰余金も16,840百万円と増加しており、収益力の向上が反映されています。この結果、自己資本比率は43.1%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
株式会社名村造船所のROA(総資産経常利益率)は8.8%、ROE(自己資本利益率)は19.8%となっています。これらの指標は前年同期に比べ上昇しており、同社の収益力と資本効率が改善傾向にあることがわかります。今後も新造船事業の好調な受注環境を背景に、収益拡大が期待されます。
キャッシュフロー
株式会社名村造船所のキャッシュフロー計算書を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローが24,568百万円のプラスになっています。これは主に、新造船の引き渡しによる売上の増加や、契約金の受け取りなどが背景にあります。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは3,857百万円のマイナスとなっており、設備投資などに充てられています。全体としては、現金及び現金同等物の四半期末残高は41,235百万円と、手元流動性も十分な水準を維持しています。
配当の支払額
株式会社名村造船所は、年2回の期末配当と中間配当を行っています。今期の中間配当は1株5円、年間配当は1株10円となる見込みです。同社は、株主への利益還元にも積極的に取り組んでおり、今後も安定的な配当を継続していくと期待されます。
今後の展望
株式会社名村造船所は、環境対応船などの高付加価値船の需要拡大に着目し、そうした船舶の受注を積極的に獲得しています。また、グループ全体で生産性向上に取り組むなど、収益基盤の強化にも力を入れています。さらに、受注残高も288,665百万円と過去最高を記録しており、今後も業績は好調に推移すると見られます。同社は、環境対応や省エネ性能に優れた船舶の提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社名村造船所の第3四半期決算は、過去最高の受注残高を記録するなど、非常に良好な結果となりました。同社は新造船事業に強みを持ち、環境に配慮した高付加価値船の建造に注力しています。これにより収益力が大幅に向上し、ROAやROEも改善されています。また、株主への安定的な利益還元にも取り組んでおり、今後の業績と株価の推移が期待されます。
株式会社名村造船所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社名村造船所は3月31日を決算期末としています。同社は年2回の配当(中間配当と期末配当)を実施しており、今期の年間配当は1株10円となる見込みです。同社は株主への利益還元にも積極的に取り組んでおり、安定した収益基盤と株主還元政策を維持していることが特徴です。