日本パーカライジング株式会社の4-12月期の業績が発表されました。連結売上高は910億40百万円と前年同期比4.5%増、経常利益は146億95百万円で21.1%増と好調でした。新型コロナウイルスの影響で足踏みしていた事業が回復したことや、海外事業の好調が後押しした模様です。今後も厳しい環境が続くと予想されますが、同社は機動的な経営判断を行い、企業価値の向上に向けて取り組んでいきます。
企業情報
企業名: 日本パーカライジング株式会社
証券コード: 4950
決算期: 3月期
日本パーカライジング株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本パーカライジング株式会社の決算期は3月期です。通常の上場企業と同様、3月末を期末として決算を行っています。つまり、毎年の4月から3月までが1会計年度となり、その期間の決算書が発表されることになります。
主な事業
日本パーカライジング株式会社は、薬品事業、加工事業、装置事業の3つの事業を主力としています。薬品事業は金属の洗浄、防錆、塗装下地などを目的とした表面処理剤の製造・販売を行っています。加工事業は防錆加工、熱処理加工、めっき処理などの表面処理サービスを提供しています。装置事業は自動車業界を中心に、前処理設備、塗装設備、粉体塗装設備などを製造・販売しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が910億40百万円と前年同期比4.5%増、営業利益が113億8百万円と23.4%増、経常利益が146億95百万円と21.1%増と好調でした。売上高の増加と固定費の抑制などにより、営業利益率は12.4%と前年同期から1.9ポイント改善しています。
売上・利益の推移
過去3期の業績推移を見ると、売上高は順調に増加してきました。2022年3月期には1,191億円と過去最高を記録しており、今期もさらなる増収が見込まれます。利益面では、経常利益が146億95百万円と過去3番目の高水準となっており、企業収益が改善傾向にあることがわかります。今後も新型コロナの影響が続くものの、主力の自動車関連業界の回復に伴い、良好な業績推移が期待できそうです。
四半期連結貸借対照表について
2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、資産合計は2,557億17百万円となっています。前期末比で191億83百万円の増加です。流動資産は111億62百万円増の1,397億39百万円、固定資産は80億21百万円増の1,159億78百万円となりました。
資産の部
現金及び預金が826億24百万円と前期末比62億38百万円増加しており、手元流動性が高まっています。また、受取手形、売掛金及び契約資産も429億40百万円と40億22百万円増えています。固定資産では、有形固定資産が668億32百万円、投資その他の資産が474億45百万円と順調に増加しています。
負債の部
負債合計は440億13百万円と前期末比38億71百万円増加しました。流動負債は350億3百万円、固定負債は98億9百万円となっています。流動負債の主な増加は、契約負債の増加が24億75百万円、支払手形及び買掛金の増加が5億41百万円などです。
純資産の部
純資産合計は2,117億4百万円と前期末比153億12百万円増加しました。利益剰余金が1,596億82百万円、為替換算調整勘定が115億29百万円と大幅に改善しています。自己資本比率は69.8%と高水準を維持しています。
ROAとROE
同社のROA(総資産利益率)は6.1%となっています。前期の5.9%から改善しており、総資産の効率的な運用ができている状況と言えます。また、ROE(自己資本利益率)は9.3%と、前期の8.6%から上昇しています。株主資本の効率的な活用によって収益力が高まってきていることがわかります。今後も収益性の向上を目指し、企業価値の向上に取り組むことが重要です。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは126億9百万円の収入超過となっています。税金等の支払いを差し引いても、100億円以上の黒字を確保できています。投資活動によるキャッシュ・フローは72億6百万円の支出超過となりましたが、財務活動によるキャッシュ・フローは27億8百万円の収入超過と、手元流動性は安定しています。今後の事業成長に向けた設備投資などに備えた現金の確保ができている状況です。
配当の支払額
日本パーカライジング株式会社は、年2回の配当を実施しています。直近の2023年11月7日の取締役会で、第3四半期末配当を1株当たり20円と決定しました。これにより、年間配当金は40円となり、前期比4円増配になりました。企業業績の改善を反映して、株主還元を拡充しています。
今後の展望
同社は、今後の持続的な成長を目指す「Vision2030」を掲げています。世界規模での自動車のEV化やサプライチェーンの混乱など、経営環境は不透明な状況が続くと見られます。このような状況下で、同社はグループ経営の強化や機動的な事業運営に取り組み、企業価値の向上に努めていく方針です。売上高、利益ともに増加基調を維持し、株主還元の拡大も期待できそうです。
編集部のまとめ
日本パーカライジング株式会社の2023年4-12月期の決算は、売上高、営業利益、経常利益がいずれも二桁増と好調でした。新型コロナ禍からの回復基調が鮮明になってきたことを示しています。手元流動性の確保も進み、財務基盤も強化されています。今後も同社は企業価値向上に向け、グローバルな経営基盤の強化に注力していきます。株主還元の増加も期待できそうです。
日本パーカライジング株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本パーカライジング株式会社の決算期は3月期です。年2回の配当を実施しており、2023年11月7日の取締役会で第3四半期末配当を1株当たり20円と決定しました。これにより、年間配当金は40円となり、前期比4円の増配となっています。今後も業績の改善に伴い、株主還元の拡大が期待できそうです。