ソースネクスト株式会社の第3四半期決算が発表されました。コロナ禍の影響から徐々に回復しつつある同社の業績について、今回の決算内容を分析していきたいと思います。
企業情報
企業名: ソースネクスト株式会社
証券コード: 43440
決算期: 2023年3月期
ソースネクスト株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ソースネクスト株式会社の2023年3月期の決算日は2023年3月31日です。 四半期決算は年4回、3月、6月、9月、12月の最終日に発表されます。
主な事業
ソースネクスト株式会社は、ソフトウェアの企画・開発・販売を主な事業としています。メインの製品として、AI通訳機「POCKETALK」や文字起こしAIボイスレコーダー「AutoMemo」、年賀状ソフト「筆まめ」「筆王」などを提供しています。近年では360度WebカメラなどのIoT製品の販売にも力を入れています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の業績は、売上高82億円と前年同期比5.6%増加しました。一方で、販管費の増加により営業損失18億円と赤字となりました。 しかし、AI通訳機「POCKETALK」や360度Webカメラなどのハードウェア製品が好調に推移したことで、売上は増加基調にあります。
売上・利益の推移
過去3年間の連結業績を見ると、2022年3月期の売上高103億円、2023年3月期第3四半期(累計)の売上高82億円となっており、前年同期比で増加しています。 一方で、営業利益は赤字となっており、2022年3月期が25億円の損失、2023年3月期第3四半期(累計)が18億円の損失となっています。 今後は製品ラインナップの拡充や、法人向け販売の強化などにより、収益性の向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期の連結貸借対照表を見ると、資産合計173億円、負債合計91億円、純資産合計82億円となっています。 前期末に比べ、資産が20億円減少、負債が6億円減少、純資産が23億円減少しています。 自己資本比率は45.4%となっており、財務の安全性は維持されています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が64億円から40億円に減少しているほか、商品及び製品が33億円から27億円に減少しています。一方で、無形固定資産が11億円から16億円に増加しています。
負債の部
負債の部では、長期借入金が21億円から17億円に減少しているほか、その他流動負債が6億円から3億円に減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が△19億円から△35億円に減少しています。 一方で、為替換算調整勘定が1億円から2億円に増加しています。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は、△9.8%と低い水準ですが、前年同期比で2.5ポイント改善しています。一方でROE(自己資本利益率)は、△17.0%と赤字が続いています。今後は収益性の向上とともに、資本効率の改善にも注力していく必要があるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期の四半期連結キャッシュ・フロー計算書は開示されていませんが、前連結会計年度の実績では、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスの25億円となっています。これは、営業損失の計上や運転資金の増加が主な要因と考えられます。今後、収益性の改善とともに、キャッシュ・フローの改善にも期待が高まっています。
配当の支払額
ソースネクスト株式会社は、2023年3月期は無配となっています。今後の配当政策については未定ですが、収益の改善とともに株主還元の強化も課題となっていくでしょう。
今後の展望
ソースネクスト株式会社は、「ポケトーク」や360度Webカメラなどのハードウェア製品の販売が好調に推移しており、今後も法人向け需要の取り込みに注力していくことで、収益性の改善が期待されます。 一方で、従来の主力製品である年賀状ソフトの低迷が課題となっているため、新製品の投入や事業ポートフォリオの見直しなどにより、収益基盤の強化につなげていく必要があるでしょう。
編集部のまとめ
ソースネクスト株式会社は、新型コロナ禍の影響からようやく回復しつつある企業と言えます。自社ブランドのハードウェア製品の好調な販売が業績を牽引しており、今後はさらなる成長が期待されます。一方で、従来主力製品の低迷や赤字体質の課題も抱えているため、事業ポートフォリオの見直しや収益性の向上に取り組んでいく必要があるでしょう。
ソースネクスト株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ソースネクスト株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算を年4回発表しています。また、2023年3月期は無配となりましたが、今後の収益改善次第では株主還元の強化も期待されます。