大日精化工業株式会社の最近の決算内容をご紹介します。売上高はやや減収となりましたが、営業利益は大幅増益となりました。主力の輸送用製品は好調に推移し、また販売価格改定の効果もあったことがプラスに働きました。
今後は、新規発展分野への注力やESGへの取り組み強化など、企業価値向上に向けた施策を進めていくとのことです。同社の着実な業績回復と持続的な成長に期待が高まります。
企業情報
企業名: 大日精化工業株式会社
証券コード: 41160
決算期: 2023年3月31日
大日精化工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
大日精化工業株式会社の決算日は3月31日です。そのため、今回の決算は2023年3月期第3四半期に当たります。株主総会は6月29日に開催されました。
主な事業
大日精化工業は、顔料・着色剤、機能性材料、樹脂材料などの製造・販売を行っている化学メーカーです。
自動車、情報電子、建材、包装など幅広い分野の顧客に製品を提供しており、業界トップレベルの技術力を武器に事業を展開しています。
新規発展分野として、IT・エレクトロニクス機能性材料やライフサイエンス・パーソナルケアなどにも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の売上高は905億円と前年同期比2.4%減収となりましたが、営業利益は36億円と44.2%増益となりました。
販売価格改定の効果などから、営業利益率も4.0%と前年同期の2.7%から大幅に改善されています。
売上・利益の推移
同社の売上高は、近年1,200億円前後で推移しています。
営業利益は30億円前後で推移していましたが、今期は36億円と大幅増益基調に転じています。
足元の環境は厳しい中にあっても、同社は販売価格改定などの施策で収益性を高められている点が評価できます。
四半期連結貸借対照表について
同社の総資産は1,972億円で、前期末比44億円増加しました。
受取手形・売掛金が増加した一方、棚卸資産が減少したことなどが主な変動要因です。
負債は799億円で、前期末比15億円の増加、純資産は1,172億円と29億円の増加となりました。
資産の部
流動資産は1,140億円で、前期末比37億円増加しました。受取手形・売掛金が545億円と増加したものの、棚卸資産が328億円と減少しています。
固定資産は832億円で、前期末比6億円増加しました。
負債の部
流動負債は596億円で、前期末比60億円の増加となりました。支払手形・買掛金が増加したことなどが要因です。
固定負債は203億円で、前期末比15億円減少しています。
純資産の部
純資産は1,172億円と、前期末比29億円増加しました。利益剰余金が82億円増加した一方で、自己株式の取得により287億円減少しています。
ROAとROE
同社のROAは前期末の5.2%から大幅に改善され、当第3四半期時点では年換算で5.8%となっています。
また、ROEは前期末の5.3%から年換算で7.2%に上昇しており、収益性の向上が進んでいます。
キャッシュフロー
同社のキャッシュフローは堅調に推移しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは増加基調で、フリー・キャッシュ・フローも確保できています。
この結果、手元流動性は249億円となっており、安定した財務基盤を維持しています。
配当の支払額
同社は年2回の配当を実施しており、当期の年間配当金は80円を見込んでいます。
中期経営計画では、ROEの向上とともに株主還元の充実にも取り組んでいくことが掲げられています。
今後の展望
同社は中期経営計画において、「技術主導による競争優位性の確保」と「ESGを重視した経営」を基本戦略に掲げています。
新規発展分野への資金と人財の投入、サステナブル製品開発などに注力し、10年後のありたい姿実現に向けて歩みを進めていきます。
足元の経営環境は厳しさを増していますが、同社の持続的成長に期待が持てる内容となっています。
編集部のまとめ
大日精化工業株式会社の2023年3月期第3四半期決算は、売上高905億円、営業利益36億円と、減収ながらも大幅な増益となりました。
主力の輸送用製品が回復傾向にあるほか、販売価格改定の効果も寄与しています。
中期的にはESGに配慮した経営体制の強化と新分野への注力により、企業価値の向上が期待できそうです。
同社の着実な収益力向上と成長基盤の構築に今後も注目していきたいと思います。
大日精化工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
同社の決算日は3月31日で、株主総会は6月29日に開催されました。
配当は年2回実施しており、当期の年間配当金は80円を見込んでいます。
中期経営計画では、収益性の向上とともに株主還元の充実にも取り組んでいくとしています。