株式会社ウェザーニューズの2023年度第3四半期決算が発表されました。気象情報を中心としたコンテンツサービスを手掛ける同社は、5.4%増収となり、3.0%減益と一部好調な部分もありつつ、課題も見られる結果となりました。今回の決算を分析し、今後の展望について詳しくご紹介します。
企業情報
企業名: 株式会社ウェザーニューズ
証券コード: 48250
決算期: 2023年6月1日~2024年5月31日
株式会社ウェザーニューズの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社ウェザーニューズは、6月1日から翌年5月31日までを会計期間としています。第3四半期決算は2024年2月29日までの3ヶ月間の業績を公表しています。通期の決算は2024年5月31日を期末とした通期業績を公表する予定です。
主な事業
株式会社ウェザーニューズは、気象情報に関するコンテンツサービスを主な事業としています。船舶、航空、陸上、環境などさまざまな分野へ気象情報を提供しており、個人向けのモバイルアプリサービスや放送気象情報サービスなども展開しています。IDを持つサポーターとともに価値を共創しながら、気象情報を通じて社会に貢献することを目指しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結売上高は16,658百万円と前年同期比5.4%増となりました。一方で、営業利益は2,287百万円と前年同期比8.9%減と、売上は増加したものの、利益率は減少しています。これは、広告投資の減少や人件費、通信費の増加などの影響によるものです。
売上・利益の推移
ここ数年の売上高と利益の推移をみると、売上高は堅調に増加してきました。利益面でも、ここ3年間はおおむね2,500百万円前後を維持しており、収益力の高い企業であるといえます。今後は、サービスの拡大と効率化により、更なる収益向上が期待されます。
四半期連結貸借対照表について
同社の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は20,786百万円と前期末比1.9%減少しています。一方で、負債は1,754百万円と前期末比32.1%減少しています。これにより、自己資本比率は91.1%と極めて健全な財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が12,221百万円と、手元流動性が良好な状態です。一方で、売掛金が3,109百万円と前期末比12.9%減少しており、効率的な売掛金管理が行われています。
負債の部
負債の部では、未払法人税等が210百万円と前期末比58.8%減少しています。また、契約負債が108百万円と好調な受注状況を示しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が16,249百万円と順調に積み上がっており、自己資本比率も91.1%と非常に高い水準にあります。株主還元や設備投資など、今後の成長に向けた投資も期待できる状況です。
ROAとROE
ウェザーニューズの収益性を表すROAは8.4%、自己資本利益率を示すROEは9.3%となっています。ROAはやや低下傾向にあるものの、ROEは高水準を維持しており、株主価値の向上を実現できている企業といえます。今後はさらなる収益力の向上と効率的な資産活用が期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期のキャッシュフローでは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,297百万円の収入となり、投資活動では360百万円の支出、財務活動では1,311百万円の支出となりました。これにより、現金及び現金同等物の四半期末残高は12,219百万円と、引き続き手元流動性が高い水準を維持しています。
配当の支払額
ウェザーニューズは株主還元に積極的な企業です。当期は中間配当として1株当たり60円を支払い、年間配当では1株当たり120円を予定しています。配当性向は70%前後と高水準を維持しており、株主への利益還元に力を入れています。
今後の展望
ウェザーニューズは、気象情報のサービス提供を通じて社会に貢献する「気象コンテンツメーカー」を目指しています。今後は、SaaS型ビジネスの展開や海外展開の加速、AIを活用した生産性向上など、成長に向けた新たな施策に取り組んでいきます。また、気候変動への対応などにも注力し、さらなる事業拡大と企業価値の向上が期待されます。
編集部のまとめ
ウェザーニューズは、気象情報を核としたコンテンツサービスを展開する企業です。当期の決算は増収ながら一部減益となりましたが、引き続き高い収益力と財務体質を維持しています。今後は、新たな成長戦略に取り組むことで、さらなる飛躍が期待できる企業だといえます。株主還元も積極的に行われており、投資家にも魅力的な企業といえるでしょう。
株式会社ウェザーニューズの決算日や配当についてまとめました。
ウェザーニューズの会計期間は6月1日から翌年5月31日までで、第3四半期決算は2024年2月29日までの業績を公表しています。配当については、中間配当が1株当たり60円、年間で1株当たり120円を予定しており、株主還元にも積極的に取り組んでいます。今期の業績は増収ながら一部減益となりましたが、引き続き高収益体質を維持しており、今後の成長が期待されます。