株式会社QPS研究所の2024年2月期第3四半期決算が発表されました。同社は小型衛星コンステレーションによるリアルタイム観測の実現を目指す企業で、注目の地球観測衛星データ事業に注力しています。
今期の業績は順調に推移しており、売上高は1,022,013千円と前年同期比で大幅に増加しています。また、経常損失は5,025千円と前年同期より大幅に改善しました。この結果、株主資本比率は87.24%と健全な水準を維持しています。
今後の事業展開としては、自社コンステレーションの実現や衛星製造体制の強化に取り組んでいく方針です。引き続き注目の企業といえるでしょう。
企業情報
企業名: 株式会社QPS研究所
証券コード: 55950
決算期: 2024年5月期
株式会社QPS研究所の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社QPS研究所の決算は、5月31日が期末決算日となっています。決算短信の発表は翌年の7月下旬頃を予定しており、株主総会は8月下旬に開催される予定です。
主な事業
株式会社QPS研究所は、小型衛星コンステレーションの実現を目指す企業です。独自開発した小型衛星を用いて地球観測データの提供を行っており、安全保障分野や民間需要の開拓などを通じて、事業の拡大を図っています。また、自社コンステレーションの実現に向けて、小型SAR衛星の製造と打ち上げを進めています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期累計期間の業績は、売上高1,022,013千円、経常損失5,025千円と前年同期比で大幅に改善しました。利益率も着実に向上しており、今期通期では黒字化を目指しています。特に小型SAR衛星の商用運用が好調に推移しているため、今後の業績拡大が期待できるでしょう。
売上・利益の推移
過去の実績を見ると、2023年5月期は売上高372,072千円、経常損失323,924千円と厳しい状況でした。しかし、当第3四半期累計期間では売上高が1,022,013千円と大幅な増加となり、経常損失も5,025千円と大幅に改善しています。今後は小型SAR衛星の販売拡大とデータ売上の増加により、着実な業績拡大が期待できるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期会計期間末の総資産は10,180,507千円となり、前事業年度末比で約4,347,701千円の大幅な増加となりました。これは主に、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資や第三者割当増資の実施により、現金及び預金や有形固定資産が大きく増加したためです。
資産の部
流動資産は5,351,940千円、固定資産は4,828,566千円となっています。特に人工衛星等の有形固定資産が大幅に増加し、事業成長に向けた設備投資が進んでいることがわかります。
負債の部
負債合計は1,299,032千円で、流動負債が688,123千円、固定負債が610,908千円となっています。長期借入金の増加などにより、借入金残高が増加しています。
純資産の部
純資産合計は8,881,475千円と大幅に増加しました。これは主に、上場に伴う公募増資や第三者割当増資により、資本金と資本剰余金が大幅に増加したためです。また、2023年8月30日の定時株主総会で決議された資本準備金の減少と欠損補填も影響しています。
ROAとROE
当社のROAは2023年5月期が-19.0%、当第3四半期では改善傾向にあります。一方、ROEは2023年5月期が-21.3%と低水準でしたが、当第3四半期では黒字化したことで改善しつつあります。今後は事業拡大に伴う収益性の向上により、ROA、ROEともに上昇していくことが期待されます。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、-119,134千円となっています。これは、衛星製造などの先行投資に伴う支出が大きかったことが主な要因です。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、上場に伴う公募増資等により692,779千円の収入となっています。今後は事業拡大とともに、キャッシュ・フローの黒字化が期待されます。
配当の支払額
当社は創業間もない企業のため、現在のところ配当の支払いはありません。今後は事業が軌道に乗り、収益も安定してきた段階で、株主還元策としての配当の検討も視野に入れていくと考えられます。
今後の展望
QPS研究所は、小型衛星コンステレーションの実現を目指して、自社開発の小型SAR衛星の製造と打ち上げを加速しています。また、地球観測データの販売や安全保障分野への提供など、事業領域の拡大にも取り組んでいます。今後は、小型SAR衛星の生産能力向上と高度化、衛星データ処理インフラの強化により、収益力の一層の向上が期待できるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社QPS研究所の2024年2月期第3四半期決算は、前年同期に比べ大幅な改善を示しました。特に小型SAR衛星の商用運用が好調に推移しており、事業の成長軌道に乗っていると評価できます。今後は、コンステレーション実現に向けた設備投資と生産体制の強化、さらなる売上拡大が課題となりそうです。株主還元策としての配当導入についても、収益基盤の安定化に合わせて検討されると良いでしょう。
株式会社QPS研究所の決算日や配当についてまとめました。
株式会社QPS研究所の決算は5月31日が期末です。決算短信の発表は7月下旬、株主総会は8月下旬に開催されます。また、現時点では配当の支払いはありませんが、今後の業績拡大に合わせて検討されると見られます。当社は小型衛星コンステレーションの実現を目指す成長企業として、今後の動向が期待されます。