ニュースの要約
- 「年会費」や「ポイントプログラム」の影響力が上昇、顧客の強いコスト意識の表れ
- 顧客のセキュリティ意識が高まる中、企業のセキュリティ対策情報の発信が課題に
- 年会費に応じたサービスの多様化を受け、部門の設計を一部変更
概要
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワーは、2025年のクレジットカード顧客満足度調査の結果を発表しました。
調査では、総合的な顧客満足度に影響を与える主なファクターとして「クレジット機能」、「ポイントプログラム」、「会員向けサービス/特典」、「手続き・サポート」の4つに加え、「年会費」ファクターを設定しています。この調査を継続的に行い、ファクターの影響度の変化を確認しています。
その結果、「年会費2万円以上」と「年会費1万円~2万円未満」の部門では、「ポイントプログラム」が+6ポイント、「年会費」が+4ポイントと影響力が上昇しました。「年会費1万円未満部門」では「年会費」が+3ポイント、「年会費無料部門」では「ポイントプログラム」が+5ポイントと、直接的な利得に繋がるファクターの影響度の上昇が顕著です。
これは、顧客がメインで利用するクレジットカードに対するコスト意識が強くなっていることを示しています。
一方、「セキュリティ対策」が顧客満足度に及ぼす影響度が大きくなっています。不正使用の被害増加を受け、顧客のセキュリティ意識が高まっているためです。しかし、カード会社からのセキュリティ対策情報に対する顧客の認知状況は低く、情報発信の改善が課題となっています。
また、近年のクレジットカード会社における年会費やそれに応じたサービスの提供は多様化しており、本調査では部門の設計を一部変更しています。
編集部の感想
編集部のまとめ
クレジットカード:年会費や「ポイントプログラム」の影響力上昇、高まる顧客セキュリティ意識についてまとめました
今回のJ.D. パワーの調査結果では、クレジットカード顧客満足度に大きな変化が起きていることが明らかになりました。
まず、「年会費」や「ポイントプログラム」といった、顧客にとって直接的な金銭的メリットにつながるファクターの影響力が上昇しています。これは、顧客のコスト意識が強くなってきていることを示しています。
一方で、セキュリティ対策の重要性も高まっています。不正利用の増加を背景に、顧客のセキュリティ意識が高まっているようです。しかし、企業からの情報発信が十分ではなく、この点が課題となっています。
さらに、年会費に応じたサービスの多様化に伴い、部門の設計も変更されています。顧客層に合わせた細やかなサービス提供が重要となってきていることがうかがえます。
このように、クレジットカード業界ではさまざまな変化が起きており、顧客満足度向上に向けた取り組みが進んでいます。顧客のニーズを的確に捉え、それに合わせてサービスを進化させていくことが、カード会社にとって重要な経営課題となっているようです。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000361.000042677.html