ニュースの要約
- 給与が「変わらない」と感じる人の離職リスクは「下がる」と感じる人と同水準に
- 40代以上の約半数が「将来の昇給に希望を持てない」と回答
- 給与以外の「時間とのバランス」「納得性とのバランス」が継続就業を支える重要要素
概要
株式会社パーソル総合研究所は、「賃上げと就業意識に関する定量調査」の結果を発表しました。
調査によると、2024年に年収が増えた人は51.9%と約半数にとどまり、3%以上の大幅増加があった人は約4割にすぎません。若年層でも4割は年収が上がっていないという実態が明らかになりました。
また、「給与が変わらない」と感じる層の継続就業意向は27.0%と、「給与が下がる」と感じる層(31.5%)と同水準まで低下しています。さらに40代以上の約半数が「将来の昇給に希望を持てない」と回答するなど、世代を問わず将来に対する不安が広がっているのが特徴です。
一方で、給与以外のファクターとしては、休暇取得の容易さや時間外労働の削減といった「時間とのバランス」、給与決定方針の透明性などの「納得性とのバランス」が、継続就業意向やワーク・エンゲイジメントを高める上で重要であることが示されました。
このように、現状の給与水準だけでなく、将来の給与見通しが就業意識を大きく左右する中で、企業には給与の未来展望を描けるよう方針を明示し、非金銭的報酬も含めた総合的な施策を打ち出すことが求められています。
編集部の感想
編集部のまとめ
賃上げと就業意識に関する定量調査:給与が”変わらない”は”下がる”と同等の離職リスクについてまとめました
この調査結果から見えてくるのは、単純な賃上げだけでは従業員の就業意識を高められないということです。給与が上がらないことで離職リスクが高まるのは当然ですが、給与が変わらないことでも同様の離職リスクが生じるのは注目に値するでしょう。
特に40代以上の層では、将来の昇給に対する期待が極端に低く、将来への不安を感じている人が多いことが明らかになりました。このように、従業員の年代によって給与に対する意識が異なるため、一律の賃上げよりも、従業員の年代や家庭の事情を考慮した柔軟な報酬設計が求められます。
また、給与以外の要素として、時間とのバランスや透明性の高い人事評価制度などが重要視されているのも興味深い点です。給与の伸び悩む中で、ワークライフバランスの良さや昇進・昇格への公平性といった非金銭的報酬が従業員のモチベーションを支える鍵となっているようです。
企業には、この調査結果を踏まえ、給与の将来展望を明確に示すとともに、時間的な余裕や公正な評価制度の導入など、従業員のニーズに合わせたきめ細かな施策が求められるでしょう。そうすることで、単なる賃上げだけでなく、従業員のワーク・エンゲイジメントを高めながら、長期的な人材定着につなげていくことができるはずです。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000111116.html














