ニュースの要約
- 戦略人事・CHRO・ジョブ型・人的資本経営といった人材制度は「内部完結型」を前提としている一方で、日本企業の多くは「外部協働型」が価値創造の中心である
- 制度効果を分ける決定要因は「制度の巧拙」ではなく「価値創造構造との相性」
- 制度が届かない領域は、人事ではなく事業側が専門職能・経験を再設計する必要がある
概要
人的資本開発プランニング(R)センターを運営するリクエスト株式会社は、33.8万人・980社の行動分析に基づき、日本企業における人材制度（戦略人事・CHRO・ジョブ型・人的資本経営）が期待された成果に結びつきにくい「構造的な理由」と、では実際に企業は何をすべきなのかという「実務的な方向性」を整理した最新の研究レポート『日本企業における人材制度の適用条件』を無料で公開しました。
本レポートでは、制度の巧拙ではなく制度が前提とする価値創造構造が、日本企業で広く見られる「外部協働型の価値創造」と一致していないことを、具体的なデータと構造分析に基づき示しています。つまり、課題の本質は制度ではなく、価値創造の構造が一致していない「前提条件の違い」にあるということです。
多くの議論は制度そのものに焦点が当たりがちですが、本稿が明らかにしているのは、制度を改善しても成果が出にくい背景には、構造レベルのミスマッチがあり、制度設計だけでは解決できない領域が存在するということです。
編集部の感想
編集部のまとめ
組織行動科学(R)：33.8万人・980社の分析が示す「日本企業における人材制度の適用条件」についてまとめました
今回の研究レポートは、これまでの議論では見えていなかった日本企業における人材制度の本質的な課題を明らかにしたものと言えるでしょう。
人材制度の導入にあたって重視されてきたのは、制度設計の巧拙でした。しかし、本レポートが示したように、実際には制度が前提とする「内部完結型の価値創造」と、日本企業の実際の「外部協働型の価値創造」とのミスマッチが根本的な課題となっているということが分かります。
つまり、戦略人事やジョブ型など、人事領域での制度改革だけでは解決できない部分があり、事業部門での専門性の再設計などといった、組織全体での取り組みが必要だと指摘されています。
今後の企業経営においては、組織行動科学に基づく、より踏み込んだ分析と対策が求められるでしょう。本レポートはその一助になるものと期待できるでしょう。
参照元：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000068315.html
