ニュースの要約
- 2024年度の日本酒製造業の利益が2割以上減少
- 原料米の高騰が経営を直撃
- 「業績悪化」の割合が3年ぶりに6割を超えた
概要
株式会社帝国データバンクは、全国の「清酒製造業」（日本酒製造、蔵元）について調査・分析を行った結果を発表しました。
2024年度の日本酒蔵元（製造）約1000社の売上高合計は約3800億円となり、3年連続で前年度から増加しました。しかし、2024年度の利益合計は93億円にとどまり、前年度（125億円）から25.6%減少しました。「赤字」「減益」と合わせた「業績悪化」の割合が6割を超えるなど、経営を圧迫する厳しい状況が明らかになりました。
背景には、原料米の高騰が大きく影響しています。主食用米の価格高騰を背景に、農家が酒米から主食用米に生産を切り替える動きがあり、2025年産の酒米価格は前年から4割以上も上昇した事例も報告されています。瓶やラベル、配送費用など製造コストの上昇も重荷となっており、収益性の悪化を招いています。
他方で、日本酒の知名度向上により海外市場での販売が伸びるなど明るい材料もあります。ただし、競合するビールや焼酎などの価格上昇が日本酒ほど大きくないことから、度重なる値上げが「日本酒離れ」を招きかねない懸念もあり、蔵元は収益と需要の両立に悩まされています。
編集部の感想
編集部のまとめ
株式会社帝国データバンク：2024年度の日本酒製造、利益が2割超減少 「原料米高騰」が直撃 「業績悪化」の割合、3年ぶりに6割超えるについてまとめました
この調査結果からは、日本酒業界がさまざまな課題に直面していることがわかりました。好調な売上とは裏腹に、利益面では大幅な減少が見られたのは、原料米の高騰という深刻な問題に起因しています。
特に酒米価格の高騰は深刻で、4割以上の高騰も報告されており、蔵元の経営を大きく圧迫しているようです。それに加えて瓶やラベル、配送費用などのコストアップも重荷となっています。一方で、日本酒の知名度向上による海外需要の伸びも追い風となっていますが、国内市場での価格上昇による日本酒離れが心配されるなど、蔵元は収益と需要の両立に悩まされているのが現状のようです。
経営環境が大変厳しい中、蔵元には原料の確保と価格設定の両立など、様々な課題に取り組むことが求められています。日本酒文化の継承には蔵元の存続が不可欠ですから、今後の動向を注目していく必要があるでしょう。
参照元：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001214.000043465.html
